大切な子どもの愛らしい表情を写真に撮りたい!そんな思いから、本格的にカメラをはじめる方も多いのではないでしょうか。
カメラは、被写体の自然な表情はもちろん、撮影者の思いも込めることのできるおもしろいツールです。でも、いざ使いはじめると「本当にうまく使いこなせているのかな・・・」そんな悩みを感じるもの。

そこで今回は、子どもの写真撮影の悩みをなくすために「カメラの基礎」をお伝えします。知らない単語に不安を感じるかもしれませんが、細かいことはまずは気にしなくて大丈夫!ひと通り読むだけで、びっくりするほど写真の質が上がりますよ。カメラを使いこなして、かわいいお子さまの表情をさらに楽しく撮影しましょう。

[講師]フォトグラファー aimi

子どもの写真撮影に最適なカメラの設定

子どもの写真のお悩み解決!カメラの基礎を知ろう!
(画像=『トランカ』より引用)

子どもの写真撮影の悩みで最も多いのは、「カメラの設定はどのようにするのか?」という、カメラ本体の設定方法についての悩みです。

そこで、ここではさまざまな設定の簡単な説明と、子どもの写真撮影におすすめの設定を厳選してご紹介します。それぞれの設定の役割がつかめてきたら、いろいろなパターンを試して、お気に入りの設定を見つけてくださいね!

カメラのモード設定

まずは、カメラの撮影モードを設定しましょう。「M・A・S(もしくはT)・P」などのアルファベットが書かれている、カメラ上部のダイヤルを回して設定の変更ができます。代表的なモードは以下の4つです。

M(マニュアルモード) 絞り・シャッタースピード・ISOを自由に変更できるモード。
夜景の撮影など、特殊な撮影の時におすすめ。
A(絞り優先モード) 絞り(F値)を自由に変更できるモード。
ボケを生かした写真を撮りたい時などにおすすめ。
S(シャッタースピード優先モード) シャッタースピードを自由に変更できるモード。
動いている被写体を撮る時などにおすすめ。
P(プログラムオート) カメラがオートで設定を決めてくれるモード。
設定に迷った時におすすめ。

子どもの写真を撮る時におすすめの設定は「A(絞り優先モード)」です。Aモードに設定をすることで、一眼レフならではの「ぼかし」をつくることができます。詳しい方法は、下の「絞り」のところでお話します。

ホワイトバランス

ホワイトバランスとは、白色のものを白色に撮影するための機能です。基本的にはAWB(オートホワイトバランス)にしておけば大丈夫ですが、撮った写真の色味が気になる場合には設定を変えてみましょう。

一番多いのは、屋内での撮影時に「顔が黄色っぽく写る」場合です。こういった時には、ホワイトバランスを「蛍光灯」に設定してみましょう。撮影後は、忘れずにAWBに戻してくださいね。

ISO感度

ISO感度とは、カメラが光を感知する時の感度です。数字が大きくなればなるほど、写真は明るくなります。「シャッタースピードを早くしたいけど、写真が暗くなってしまう」といった時にISO感度を上げることで明るい写真が撮れます。

ただし、基本的には200~800程度で設定することをおすすめします。カメラによって設定できる感度や仕上がりは異なりますが、高感度になるほど写真にノイズが入り、ざらついた仕上がりになります。

絞り

絞り(F値)とは、ピントが合って見える範囲(カメラからの遠さ)を決める値です。数字が小さくなる(絞りを開く)ほどピントの合う範囲も狭くなるため、それ以外のボケが大きくなります。数字が小さいほど写真が明るくなるのも特徴です。
また、数字を大きくする(絞りを絞る)と、ピントの合う範囲が広がります。複数人の写真を撮る場合や、風景もはっきり残したい場合に使用しましょう。

子どものアップの写真を撮る時は、F値を小さくすることをおすすめします。ボケをつくることで優しい雰囲気の写真を撮ることができますよ。

シャッタースピード

シャッタースピードとは、シャッターが開いている時間の長さのことです。1/125など、秒単位で表されています。シャッタースピードを遅くする(シャッターが開いている時間が長くなる)と、被写体の動きが残像として写るため、躍動感のある写真になります。しかし、手ブレもしやすくなるため注意が必要です。

子どもの写真を撮る時は、基本的にはシャッタースピードは1/60より早く設定しましょう。

子どもの写真撮影におすすめのレンズ

子どもの写真のお悩み解決!カメラの基礎を知ろう!
(画像=『トランカ』より引用)

カメラ本体の設定方法を理解できるようになったら、次に気になるのはレンズの使い方ではないでしょうか。さまざまなレンズを試すことができるのは、一眼レフカメラならではの楽しみです。しかし、どう使い分けをしたらいいのか迷ってしまいますよね。

ここでは、それぞれのレンズがどういった時に活躍してくれるのか、レンズごとの特徴とともにご紹介します。どのレンズを買おうか悩んでいる方も、ぜひ参考にしてくださいね。

ズームレンズ

レンズの種類は、焦点距離と呼ばれる数字で分けられています。焦点距離の説明については省きますが、簡単に言うと、数字が小さいほど撮れる写真の範囲が大きくなります。いわゆる魚眼レンズです。大きいものも小さくまとまって撮れるイメージですね。
反対に、焦点距離の数字が大きいほど撮れる範囲は小さくなります。こちらは望遠レンズで、遠くのものが近く大きく撮れるイメージです。

ズームレンズとは、レンズを回すことで簡単に焦点距離を変えることができるタイプのレンズのことです。レンズを付け替える手間が省けるため、子どもの写真撮影に向いています。特に使用頻度が高いのは35mm~70mmあたりのズームレンズです。

単焦点レンズ

焦点距離が決まっているレンズを、「単焦点レンズ」と呼びます。撮影できる画角(カメラに実際に写る範囲)が決まっているため、撮影者が足を使って撮影する必要があります。

レンズの性質上、明るい(F値が小さい)レンズも比較的安く手に入れることができます。そのため、きれいなボケのある写真を撮りたい方におすすめのレンズです。特にF値が2以下のレンズは、ズームレンズでは見られない単焦点レンズ特有のボケを生んでくれます。

望遠レンズ

焦点距離の数字が大きいものを、「望遠レンズ」と呼びます。望遠レンズは遠くのものを撮影するのに適しています。そのため、子どもの運動会など、遠くから撮影しなければならないイベントにおすすめです。例えば、焦点距離200mmのレンズであれば、子どもの表情までしっかり撮ることができます。

ただし、望遠レンズは他に比べてレンズが重い、手ブレが起きやすいなどのデメリットがあります。使用する場合は、できれば三脚と併用しましょう。

広角レンズ

焦点距離の数字が小さいものを、「広角レンズ」と呼びます。広い範囲の撮影ができるため、旅行先へ持っていくと活躍してくれます。

また、私たち人間の視野と違った遠近感を演出してくれるのがポイントです。子どもの表情をアップで撮ると、ポップでコミカルな仕上がりになりますよ。