東京農工大学と日本ガスコムは、アグリガスコムの植物工場を使って、東京農工大学 荻原 勲名誉教授が開発したブルーベリーの通年生産システムの社会実装化の実験を行い、これまで生産が不可能とされた冬季のブルーベリー果実の出荷に成功した。

12月から伊勢丹新宿店にて「クリスピーベリー」と名付けられたブルーベリーが販売されている。

果樹生産のための技術を開発

『STRAIGHT PRESS』より引用
(画像=『STRAIGHT PRESS』より引用)

クブルーベリーの収穫期間は1品種でみると3週間程度と短く、果実の成熟時期が異なる種、品種、栽培型を組み合わせても、日本では夏季の4ヶ月間が主な出荷期間だ。そのため冬季を含めたオフシーズンのブルーベリーは、海外からの輸入に頼っているのが現状だった。しかし荻原名誉教授らが、果樹生産のための革新的な技術を開発するため、2011年にキャンパス内に「先進植物工場研究施設」を建設。

同施設では「春・夏・秋・冬」それぞれの環境を再現できる部屋が設置され、ブルーベリーをモデル植物として、果樹のライフサイクルの短縮化の研究が行われてきた。

『STRAIGHT PRESS』より引用
(画像=『STRAIGHT PRESS』より引用)

研究の結果、ブルーベリーの連続開花結実法が開発され、2012年に特許を取得した。この技術では、オフシーズンを含む通年で果実の収穫が可能になり、また通常の自然栽培に比べて4~5倍の収量に。

品種によって大きさ、糖度は異なるが、大粒や高糖度の果実が収穫できたため、伊勢丹新宿店で果実が12月から販売されることとなった。