鎌倉の縁結びの神様として女性参拝者に人気なのが、「葛原岡神社」。縁結びのご利益を持つ神様はたくさんいらっしゃいますが、女性に人気なのは、至る所に女子力を高めてくれそうな可愛らしさがあるからなのです。さくら貝のお守りをゲットして、赤い糸を結んで、ハート型の絵馬に願いを祈願してと、縁結びのステップには「可愛い」がたくさん!鎌倉観光の際には、縁結びかつ女子力アップに立ち寄られてみてはいかがでしょうか?
もともとは悲劇の死を遂げた人物のお墓だった
葛原岡神社は、もともとは日野俊基(ひの としもと)を祀る神社です。日野俊基は鎌倉幕府末期に後醒醐天皇に仕えていた公家。どうして彼が祀られるに至ったのでしょう?
当時、まつりごとは鎌倉幕府が取り仕切っていました。しかし当時の天皇、後醒醐天皇は、「天皇を中心とした国づくりをするべき。」という考えのもと、日野俊基に倒幕を命じます。
彼は幼い頃から非常に学問に優れ、優秀で信頼されていたことから、倒幕計画を指揮します。しかし、幕府にその動きを察知され、この葛原岡で処刑されてしまうのです。
彼の死から長い年月が経ち、時は明治になったころ、その働きは明治維新の先駆けとなる働きであったと評価され、彼を主祭神とした葛原岡神社が創建されました。
そんな悲しい歴史のある葛原岡神社ですが、実は鎌倉の縁結びの神社として女性に大人気なのです!
魔去る石
葛原岡神社は、小さな山の上にあります。大きな木々に囲まれた参道は、特別な場所としての神聖な気配が漂っています。
葛原岡神社に近づくと、まず目に入るのは鳥居の右脇にある「魔去る石」。その名の通り、魔が去る石です。石の周りには、細かく砕けた陶器が落ちています。これは参拝者が石にお皿をぶつけて割ったもの。
石の脇にお皿が積み重ねられています。100円をお納めして、お皿を1枚とり、石に向かって思いっきり投げましょう!うまく割れなくても大丈夫。何度でも拾って、割れるまで投げてください。
少し遊び心のあるこの祈願方法に参拝者はみんな興味深々!次から次にみんなが「えいっ!」とお皿を投げています。普段の生活ではお皿を割るなんてNGですが、魔除けとしてOKというのですから、みんなはしゃいでしまいます。
鳥居をくぐる前から気分を上げてくれる葛原岡神社。もう期待で胸が膨らみます。
かわいいお守りたち
鳥居をくぐるのはもうちょっと待って!縁結びを願うなら、まずは鳥居前の社務所でお守りを賜りましょう。女子力高めのお守りたちが並んでいますが、その中でも一番お勧めなのが、こちらの「さくら貝御守」。
鎌倉の海岸でとれたサクラ貝を奉製したお守り。当然のことながら、一点一点、色合い、模様、大きさが異なります。長いお付き合いになるので、じっくりお気に入りを見つけましょう。
縁結びのお守りを授かると、赤い糸の付いた五円玉が頂けますよ。葛原岡神社に参拝に来たら、この赤い糸と五円玉を絶対にゲットしましょう。とはいえ、持ち帰るのではありません。この後の御祈願に使うのです。
赤い糸と五円玉に彩られた縁結び石
ご縁を願って赤い糸を結び付けよう
鳥居を入ってすぐ左側にある縁結び石。葛原岡神社の一番人気と言っても過言ではないでしょう!縁結び石に参拝者が結び付けていった赤い糸と五円玉が鮮やかです。
向かって左側が「女石」、右側が「男石」と名付けられています。社務所で縁結びのお守りを賜った際に頂いた、赤い糸の付いた五円玉を、縁結び石に掛かるしめ縄に結び付けます。
どの位置に結びつけるかが重要で、ご縁を授かりたい相手の性別の石に付けるのだそう。石の周りを見てみると、圧倒的に男石に赤い石が付いています。女性の参拝客が多く訪れているのがわかりますね。
ご縁を授けてくれるのは万能の大黒様
縁結び石の奥には小さな祠があり、そこには大黒様が祀られています。葛原岡神社は悲劇の死を遂げた日野俊基を祀る神社ですが、ここが縁結びのスポットとして一躍有名になったのは、この大黒様がいらっしゃるから。
大黒様は様々な神徳を持っています。基本的には五穀豊穣・商売繁盛の神様ですが、縁結びの神、子授けの神、夫婦円満と幅広く、その神社神社によってフィーチャーされるパワーに多様性があります。
ここでは、縁結びにスポットが当たっているんですね。
ハート型絵馬にも願いを込めて
縁結び石でしっかりご縁を祈願した後は、絵馬を奉納しましょう。こちらの神社の絵馬は、女子力高めのハートの型をした可愛らしい絵馬なのです。
絵馬掛け台には、こうした赤い縁取りのハート型がたくさん並んでいます。見ているだけでも女子力があがりそうな風景。みんなの思いが伝わってくるようですよ。
無患子の木
絵馬の奥に続く参道の脇には、無患子(むくろじ)の木が茂っています。知らなければ読めない漢字ですね。
逆から読んでみましょう。ひっくり返すと「子患無」です。意味は「子」供が「患」うことが「無」いように、ということで、種子は羽子板の球に使われました。羽子板は子供の無病息災のお守りってご存知でしたか?
この木はサポニンを含んでいます。サポニンは水に付けて擦ると泡立ち、界面活性作用があるので、昔は洗剤のように使われていたそうです。木に括り付けられていた説明書きにも「洗剤」のキーワードがありますね。
ここでは無病息災のお守りとして、種子を使ったお守りも賜ることができますよ。