離婚届を出そうとしたら、夫が号泣し始めて
離婚届を書き、武頼は出ていく。3日間、泣き明かした純はそこから必死に自分を立て直していく。ひとりでも生きられるように。行方不明になった夫はしばらくしてから急に戻ってくる。 まだ届を出していなかったので、ふたりは一緒に離婚届を出しにいこうとするが、途中で武頼は「行けない」と号泣する。そこで純は気づくのだ。
「私が必死になって向き合っていたのは、目の前のこの人ではなく、“結婚生活という形”だったのかもしれない」と。 ふたりはホテルで静かに抱き合う。これだけでよかったのにとつぶやきながら。 「結婚したのだから、妻は完璧に家事をやらなければいけない、子どもをもたなければいけない、夫は常に妻を守らなければいけない、妻に不自由させてはいけない」 結婚は、人にそういう多くの呪縛をかける。そこから離れたとき、人は本来の魅力を取り戻す。純と武頼はこんな会話を交わす。 「離婚しても一緒にいない? 私、武頼と離婚したあと、ぱーっと目の前が明るくなって強くなれたの。今の自分がすごく好き。今の自分のまま武頼と一緒にいたい」 「一緒にいるのに離婚するの?」 「だめかなあ」 「普通……じゃないよね」 「普通じゃなくていい。それでも私はあなたの隣で生きていきたい」
飛躍を遂げた主人公が、最後に印象づけたもの
女は自分を省みて大きな飛躍を遂げた。夫はまだ「常識」にとわれているが、優柔不断な彼のこと、今後は妻に引っ張られて心の自由をもつことができるのではないかと希望を持たせる終わり方だった。 そうなればレス問題も解決するかもしれない。解決できなかったとしても、工夫しながらふたりの関係を続けられる可能性もある。ひょっとしたら純が我慢できずに離れていくこともあり得るが、それは武頼がこれまでの自分、これまでの結婚生活に固執して変われなかったときだろう。
写真はイメージです
「結婚」というものは、たかが紙切れ1枚なのに、妙な圧を人にかけるものだ。すんなり「結婚」に飛び込んでいける人もいれば、その圧に抵抗感を覚える人もいる。後者は「結婚という形」に向かないタイプなのかもしれない。 従順で自分を卑下してばかりいた純は、実はきちんと“自分”をもったひとりの人間だった。彼女は紆余曲折を経て自分自身でそこに気づいたのだ。だからこそ、最終回では武頼への口調も「母的なもの」から脱していた。母と息子ではなく、ひとりの女と男が関係を築き、その関係に甘えずに生き生きと日々を送る。パートナーシップのある意味での理想を、最後に印象づけたドラマだったように思う。 【関連記事】⇒夫にセックスを拒まれ「ごめんね」と謝ってしまう妻のしんどさ。松本まりか“レス妻”に <文/亀山早苗>
亀山早苗
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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