世界遺産は、過去から現在、未来へと引き継ぐべき人類共通の遺産として認められたもの。2019年7月時点では世界遺産条約の締結国193ヵ国中、1,121の世界遺産が登録されています。

日本を含め、今年も新たに29件の遺産が加わり、世界遺産が多い国のランキングに変化が見られました。世界遺産登録数の多い国トップ3を紹介します。

同率1位 イタリアと中国 各55件 

イタリア

プロセッコ・ディ・コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネの丘が最終日に登録決定となったことで、中国に一時的に追い抜かれた後に、同率1位を保持するという展開がありました。

急傾斜の丘陵、プロセッコワイン生産地として知られる土地の、棚段の葡萄畑や木、集落、森などを含むモザイクのような美しい景観が特徴です。発泡白ワインの評価が高く、便利サイト・アプリ「プロセッコ・ガイド」ではワイナリー情報などが得られます。

中国 

2019年に2件が加わり、首位を守るイタリアと並びました。

新たな世界遺産である、黄海-渤海沿岸の渡り鳥保護区は、絶滅危惧種を含む渡り鳥の越冬地であり、東アジア-豪州間フライウェイの全体保護の第一弾と位置づけられます。

もう一つの良渚遺跡は、新石器時代後期の長江下流域に存在した稲作農耕文化圏の遺跡であり、中国文明の起源として証明される形となりました。

3位 スペイン48件

新たに加わったリスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観。内陸部の山岳地帯に残る洞窟には穀物や貯水槽、神殿跡など原住民の集落の遺跡が残っています。

アントニオ・ガウディの作品群やイスラム建築が残るゴルドバ歴史地区など芸術的な遺産が多いスペインにおいて、15世紀のスペイン人入植前の遺産である点に注目です。