美しい風景をイメージさせる優しい音色、心の琴線を震えさせる叙情的なメロディー…。「自然」と「ロマンス」をテーマにした作品で、日本はもとより韓国でも多くのファンを魅了するピアニスト、倉本裕基さん。韓国では「ユキクラモト」の名で広く知られ、「韓国人が最も愛するニューエイジピアニスト」とも呼ばれています。1999年からは毎年韓国各地でコンサートを開催、また韓国人アーティストとも多数共演するなど、「音」を通じた日韓交流にいちはやく取り組んでこられました。 そして2008年初秋、ツアー「Memory of Love」のため訪韓した倉本さんにコネストが独占インタビュー!心地よい癒しの音楽を奏でるピアニストは実はダジャレの達人だった?!知る人ぞ知るその素顔に迫りつつ、今年で10周年を迎えられた韓国公演のこと、来韓公演中の過ごし方など、たっぷり伺ってきました!

第23回~倉本裕基さん(作編曲家、ピアニスト)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

名前 倉本裕基(くらもとゆうき)
本名 北野實(きたのみのる)
職業 作編曲家、ピアニスト
年齢 1951年生
出身 埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ、12歳より栃木県宇都宮市
ホームページ 倉本裕基オフィシャルホームページ

大記録更新中!ソウルでは「ソールドアウト」?!

韓国でのコンサートは1999年から行っていますが、ありがたいことにソウルでは毎回全席完売という記録を持っています。日本ではあまり通じませんが、「ソウルではソールドアウト」というシャレまで生まれました(笑)。数年前から行っている蔚山(ウルサン)や大田(テジョン)といったソウル以外の都市での公演にも大勢の人が来てくださいます。

1,000人規模の比較的小さなホールで行われる地方公演もありますが、皆さん本当に熱心に耳を傾けてくれますね。 日本ではどちらかというと年配のお客様が多いですが、韓国公演には若い方々がたくさん来てくださいます。だから拍手はもちろん、ピューピュー!とかワー!といった声援がすごいですね。最初の頃は驚きましたが、非常に嬉しかったです。

得意のトークは韓国でも?言葉の壁に果敢にチャレンジ

第23回~倉本裕基さん(作編曲家、ピアニスト)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

日本では語学的なプレッシャーがないので、トークに重点を置いています。「故郷(ふるさと)はトーク(遠く)にありて想うもの」という言葉もあるでしょ?…って、それは違うか(笑)。韓国公演では最初の頃、「アンニョンハセヨ」だけ韓国語ですぐ英語に変えて話していました。

3~4年前からはできるだけ韓国語で話そうと努力していますが、現地の言葉で話すというのは大変ですね。しかし、あいさつ程度の会話には自信が持てるようになったので、韓国語でのトークを徐々に増やしていきました。昨年のコンサートではすべて韓国語で話したんですよ。

即興で何かを言いたい時などは、すぐに言葉が出てこなくて苦労しますが、やはり現地の言葉で話すと客席からの反応も大きいです。あと言葉という点では、伴奏のストリングス・アンサンブルのメンバーはみな韓国人なので、演奏に関してコミュニケーションが必要な時には注意を払いますね。

公演の準備はクラシック音楽を専門とする韓国のプロモーター(主催者)と一緒に行うので、作業面では特に日韓で大きな違いを感じたり困ったりすることはありません。ただ、直前に手順などが色々と変わることはありますね(笑)。しかし、変更によって大きな支障が出るというわけではないので腹を据えれば特に気になりません。

大編成orソロ…日韓公演それぞれの魅力は楽器編成にあり

私の曲の多くはロマンスや自然の美しさを題材としています。そういった音楽性という基本的な面では日本と韓国の公演に違いはありません。しかし、楽器編成の面では大きな違いがあると言えます。率直に言ってしまうと、韓国公演では来場者数が多く見込めるためバックミュージシャンの数も十分です。

地方公演でも同じ人数のバックミュージシャンがついてくれます。弦楽器が入ると、やはり響きに広がりが出ますね。日本人ファンの中には、韓国まで聴きに来てくださる方もいるんですよ。ある方はソウル公演のチケットが手に入らず地方まで聴きに来てくださりましたが、韓国公演ならではの楽器編成に驚かれていましたね。