第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

4歳から習い始めると、8歳、9歳になればいろんな楽器を交えたアンサンブルの作曲ができるようになる子もいます。もちろん先生が指導やアドバイスをしますが「この曲にはフルートを入れたい」という自分なりの構想を持った子もいますよ。

自分のイマジネーションが形となって表れるので、コンサートに出演した子どもには充実感があると思います。また、それを見た他の子どもにも刺激となり、生徒にも保護者にも成果を実感して頂けたようです。
2009年10月31日には8カ国が参加するアジアパシフィックのJOCが韓国で開催される予定です。韓国は7歳~9歳が中心ですが、他の国々は歴史があり15歳、16歳が出場するので非常にレベルが高い。ヤマハ音楽教室で音楽を学ぶということ、そして将来どのように成長していくのか、韓国の方々に見て頂けるいい機会になると思います。

韓国でも大人気。大人のための音楽教室

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

COEX(コエックス)
大人向けの音楽教室は2006年にスタートしましたが、実はもう少し先になると考えていました。しかし、COEX(コエックス)側から思いがけず、COEX(コエックス)に音楽教室を、という話があり、場所の提供もして頂きました。

COEX(コエックス)周辺はオフィス街で、最寄の三成(サムソン)駅は通勤利用者が多い大きな駅で、潜在顧客は十分でした。生徒は順調に集まり、今は1ヶ月、2ヶ月待ちという状態が続いています。

大人向けの音楽教室はすべての拠点にありますが、大人専用は現在、COEX(コエックス)と鍾路(チョンノ)の2箇所です。日本を例に挙げると少子化の影響で音楽教室の生徒数は今や大人の方が急増中です。

韓国も急激に少子化が進んでいる一方、ベビーブーム世代(1957年、58年生まれ)が定年を控えて趣味生活をという人が増えており、熟年層と言われる世代がどんどん出てくるだろうと予想されます。

プロも輩出!教会での盛んな音楽活動

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

キリスト教は韓国の宗教人口の3割

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

韓国の音楽事情で特徴的なのが教会の存在です。韓国に来るとたくさんの教会が目につきますが、教会で音楽活動をしている人たちが実に多く、CCM(コンテポラリークリスチャンミュージック)というジャンルがあり、CCMバンドのコンテストも盛んです。

その中からプロの演奏家になる人もいて、日本にはないケースです。宗派にもよりますが、プロテスタントは大音量の演奏をバックにミサをやるというスタイルがあり、大人向けの音楽教室に来る人の中には「教会で演奏したいから」という理由で習い始める人も少なくありません。

韓国ではシンセサイザー購入のお客様の半分が教会か、その関係者です。シンセサイザーの場合は購入してマニュアルを見ただけでは使いこなすのは難しいので、使い方のセミナーを開いていますが、その他にプロオーディオ機器の操作説明や、楽器演奏のクリニックなど、教会を対象にした各種セミナー活動にも力を入れています。

教会の場合はたとえ地方であっても反響が大きい場合もありますし、メガチャーチと言われる巨大な教会の場合は、5,000人は収容できるキャパを持つ教会もあります。教会は非常に大きなマーケットと言えます。

学歴重視の弊害か?!減少するスクールバンドを支援

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

学生は課外活動よりも勉強に忙しい
スクールバンドは日本に比べると活発でなく、人口比率からしても数は少なく、さらに減少傾向にあります。

これは、課外活動は内申書に関係ない、課外活動で頑張ってもよい学校に行けない、先生も課外活動の指導がキャリアに影響がないなど、様々な要因があわさっています。

これではいけないと、ヤマハでは指導者が不足しているパートに対して、管楽器や打楽器などパート別にバンド指導者を学校に派遣するという支援活動をしています。

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

韓国にはピアノとギター以外に国産管楽器メーカーがなかったため、楽器メーカーによるこうしたサポートがありませんでした。

音楽普及というのは音楽教室だけでなく、様々な側面から行う必要があり、ヤマハはそのためのプログラムも各種揃えています。

それを通じて、ヤマハの楽器に触れる機会となり、楽器を演奏する人口が増えれば、楽器需要も広がっていくでしょう。

演奏のレベルがあがれば、あがるほど、音楽の楽しさがわかり、よい楽器も欲しくなってくると思います。地道な活動ですが、スクールバンドの楽しさ、音楽の楽しさを実感してもらいたいと願っています。

若い音楽家の育成とトップアーティストとのリレーション

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

韓国芸術総合学校
トップアーティストの育成を目的にマスタークラスを展開しています。これは音大生やコンクール出場を目指す若い人を対象に韓国内外で活躍するトップクラスの先生を講師に招いて行う講座です。

ライジングアーティストシリーズといって、有望な若手にコンサートの機会を提供することも行っています。韓国でクラシックを勉強するなら、芸術の殿堂にある韓国芸術総合学校がトップクラスだと思います。その他にはソウル大学や延世大学など、アメリカと同じで総合大学の中に音楽学部があります。

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

ハイソウルフェスティバルでのチョン・ミョンフン氏
COEX(コエックス)で毎年行われるCICI(韓国イメージコミュニケーション研究院)の表彰式で使用するピアノを世界的な指揮者であるチョン・ミョンフンさんからのご指名で提供したり、ハイソウルフェスティバルの演奏会でもピアノを貸し出したり、韓国における音楽行事に関わることであれば、色々な協力、協賛もしています。

量の拡大から質の充実へ、次のステップに向けて

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

韓国語ができないので、通訳を介す他なく、当初はコミュニケーションの問題で苦労しました。私が韓国に来た当初は20名余りのスタッフでしたが、今は85名となり、その間、今までに経験したことがないくらい、手取り足取りで教育する必要があり、大変でした。

ビジネスの経験はあってもヤマハのスタッフとしてはみんな初心者ですから。ヤマハブランドを徹底するのに時間がかかりましたが、私自身も頭の中で再整理していく必要がありました。
やはり、ヤマハは製造販売だけでなく、お客様に商品のよさを知っていただくこと、使いこなしていただくために、お客様との接点を広げていき、そのために様々な活動を展開しているのが特徴だと思います。これまでは成長、成長で量の拡大に力を入れて、走り続けて来たので形は整ってきましたが、細かい部分ではまだまだですし、これからは質の充実、向上を目指していきたいです。

★大人のための音楽教室★

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

日本で音楽をしていた人、これから挑戦してみたい人、慣れない韓国生活で少しストレスの溜まっている人、音楽に触れてリフレッシュしてみませんか?

ヤマハ音楽教室の大人向けコースは英語可能の講師も多く、盤浦(パンポ)センターには日本人の先生も。また大人専用の教室がCOEX(コエックス)と鍾路の2箇所にあるので、仕事や学校帰りに立ち寄りたい人には便利な立地です。

第31回~山森直樹さん(ヤマハミュージックコリア)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

COEX(コエックス)教室
住所:ソウル市 江南(カンナム)区 三成洞(サムソンドン)159 COEX3階 DY1号
電話:02-6000-8880
アクセス:地下鉄2号線三成(サムソン)駅5・6番出口
鍾路教室
住所:ソウル市 鍾路区(チョンノグ) 楽園洞(ナグォンドン)110 ミグァンビル2階
電話:02-741-8880
アクセス:地下鉄5号線鍾路3街(チョンノサムガ)駅4・5番出口
盤浦教室 住所:ソウル市 瑞草(ソチョ)区 盤浦洞(パンポドン)107-3 盤浦ゴルフ百貨店ビル5階
電話:02-532-3713
アクセス:地下鉄3号線高速ターミナル駅5番出口

インタビューを終えて・・・

海外営業、駐在の経験はあるものの欧米ばかりで、韓国とは全く縁がなかったという山森さんは、韓国赴任が決まった時は「まさか」と思って、少なからずショックを受けられたとか。しかし、今では他では味わえなかったであろうやりがいを感じるとおっしゃり、韓国での音楽普及や音楽教育に力を注いでおられます。「ジェントルマン」という言葉がぴったりの山森さんですが、実はK-POPも大好きで、携帯の着メロはFly to the skyで、カラオケではトロットの「無条件(ムジョコン)」を歌われるとか。音楽は国境を越えていくもの、人の心を繋いでいくもの。その静かな口調から溢れる音楽への思いが伝わってくるようでした。

ヤマハミュージックコリア株式会社

2001年に現地法人を設立。主な事業は、楽器販売、AV機器販売、音楽教室をはじめとする音楽普及事業。日韓両国の文化交流の推進、韓国の音楽または音楽教育の発展に寄与することを目指している。ヤマハ音楽教室は2004年に設立されて以来、2009年8月までに22拠点となり、在籍生徒数は約6,000名にのぼる。特色あるヤマハの音楽教育のシステムは教育熱の高い韓国では注目を集め始めており、大人向けの音楽教室も人気が高い。
住所:ソウル市 江南区 三成洞 158-9 東星ビル8/9階
電話番号:02-3467-3300


提供・韓国旅行コネスト

【こちらの記事も読まれています】
韓国の飲酒文化
韓国のパン文化
日本から韓国への送金
韓国での仕事の探し方&履歴書の書き方
スターと兵役 2020