結婚したほうが得な国と結婚すると損な国

──近著で「結婚」の話にも触れてらっしゃいました。厚労省発表の人口動態統計をみても、2020年の婚姻率は0.43%(推計値)で前年2019年の値0.48%(確定値)から0.05ポイント減だそうです。婚姻率が上がらないこともあってか、出生率も上がりません。どうしたらこのあたり改善されるのでしょうか。

フランスって確定申告が世帯申告なんですね。でも日本って個人での申告じゃないですか。だから、たとえば収入600万円の男性と収入100万円の女性が結婚したとして、その600万円に課税されて20%、120万円ぐらい取られますと。100万円の人は課税されないけど。

これがフランスの場合だと、600万円と100万円の世帯の場合って700万円に対する課税になって、2人世帯なので2で割って350万円に課税されるんですよ。で、350万円だと多分、税金、所得税がほとんどかからないくらいなんですね。結果として、その600万円+100万円で700万円の収入がある家庭が非課税になるという。

つまりお金がない人とお金のある人は結婚したほうが得であるという。さらに子供がいるともっとお得になって、0.5で割るという仕組みがあって。夫婦だと2で割るんですけど、子供が1人できると2.5で割ることになる。さらに子供が2人いると3で割ることになるので、そうすると年収1000万円とかあっても非課税という。だからお金もちょうど結婚して子供をつくるほうが得っていう仕組み。