Jリーグのチーム・浦和レッドダイヤモンズで、2000年の入団以来、16年間プレーし続けた、元サッカー日本代表の鈴木啓太さん。

良いうんちの定義は「長さ30〜40cm」元サッカー選手・鈴木啓太の腸活法
(画像=『女子SPA!』より引用)

AuB株式会社 代表取締役 鈴木啓太さん(画像提供:AuB、以下同)

 2015年に引退してからは、アスリートの腸内細菌を研究する「AuB」を設立し、起業家へ転身しました。2021年2月には古巣・浦和レッズと、若手選手育成のサポートに取り組むパートナー契約を結んでいます。  起業の経緯や取り組みについて聞いた前回に引き続き、今回は、アスリートの腸内フローラ事情、鈴木啓太さんおすすめの腸活方法を聞きました。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

アスリートと一般人の腸内フローラの違いとは?

良いうんちの定義は「長さ30〜40cm」元サッカー選手・鈴木啓太の腸活法
(画像=『女子SPA!』より引用)

浦和レッズ時代の鈴木啓太さん

――日頃から過酷なトレーニングを行っているアスリートと一般人とでは、腸内フローラにどのような違いがあるのでしょうか。 鈴木啓太(以下、鈴木):僕たちの調査研究では、違いは大きく分けて2つあることがわかっています。腸内フローラの多様性が高かったこと、酪酸菌が多くいたことです。多様性に関していうと、ひとつの健康の指標だと言われています。  直近だと、新型コロナウイルス感染症の重篤化してしまった患者さんの腸内フローラを検査すると多様性が低かった、という論文が3つほど出ています。 ――アスリートのお腹にはいろいろな種類の腸内細菌がいるということですね。「酪酸菌」とは、どのような働きをする腸内細菌なのでしょうか。 鈴木:酪酸菌は、免疫をコントロールしたり、腸内環境に非常に重要と言われている“短鎖脂肪酸※”を作り出す働きがあります。他社さんの研究ですが、短鎖脂肪酸は運動機能にも影響していると考えられていて、腑に落ちましたね。 ※短鎖脂肪酸:腸内細菌によって作られる有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸等)のこと。大腸の粘膜細胞のエネルギー源となったり、腸のぜん動運動を促進したりする働きを持つ。

腸内フローラは歳を重ねるごとに変化していく

良いうんちの定義は「長さ30〜40cm」元サッカー選手・鈴木啓太の腸活法
(画像=『女子SPA!』より引用)

――アスリートのような腸内フローラは、生まれ持ったものもあるのでしょうか?それとも、食事や運動に気をつけることで得られるものなのでしょうか。 鈴木:まず、お腹にいる赤ちゃんの腸内は無菌状態なんですね。母親の産道を通るときに初めて腸内細菌を獲得すると言われてます。  出生後は、母乳を飲んだりするので母親の皮膚についてる菌とか、あとは食事から得られる菌とかを獲得していくんですけど、3〜5歳くらいである程度定着すると考えられています。  しかし、腸内フローラは歳を重ねるごとに変化していくものなので、運動習慣や食事によっても変わっていくでしょう。

一般の人でもアスリートのような腸内フローラを目指せる

――腸内フローラの多様性を高めたり、酪酸菌を増やしたりすることは、大人になってからでも遅くないということでしょうか。 鈴木:僕たちは一般の人の腸内フローラも研究しているんですが、コロナの重篤化した患者さんでは酪酸菌の割合が低くなっていたという報告がありました。  またコロナ禍で在宅が増えて、外に出かける機会がなくなり運動量が少なくなった人も多いと思います。僕たちが検査をしたある企業の社員の方々もコロナ前後で腸内環境の変化が見られ、運動不足が腸内フローラに悪影響を及ぼしたのではないか、とも推測されます。  その逆で、散歩や通勤など軽い運動でも、腸内フローラに良い影響を与える可能性もあります。アスリートのようなハードトレーニングをしなくても、日々の腸活によって腸内フローラを良い方向に持っていくことはできますよ。