三重県津市の高田本山専修寺は、広い敷地に巨大な木造建築物が立つ寺院です。県内で初めて国宝に指定された御影堂、如来堂は高さ25メートルを超え、その大きさと美しさに圧倒されます。夏には境内で美しい蓮の花も鑑賞できます。

三重県津市にある高田本山専修寺

【三重】巨大な建築物に圧倒!夏の蓮も美しい「高田本山専修寺」1.jpg
(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

専修寺(せんじゅじ)は、三重県津市にある、真宗高田派の本山寺院です。浄土真宗を広めた親鸞(しんらん)聖人が開山した歴史ある寺院で、地元では親しみを込め高田本山(たかだほんざん)と呼ばれています。

広い境内には、数多くの伽藍が立ち並んでいますが、このうち、御影堂と如来堂はいずれも高さ25メートルを超える大きな木造建築物で、平成29年11月には、三重県で初めての国宝に指定されました。

境内では、毎年初夏から8月頃にかけて、美しい蓮の花が楽しめます。その品種はさまざまで、珍しいものもあるので、多くの観光客が訪れます。

境内の建築物を見学しよう

御影堂

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

御影堂(みえいどう)は、宗祖の親鸞聖人の木像を安置している巨大なお堂です。その大きさは、間口約42メートル、奥行き33.5メートルにもなり、全国の木造建築物のなかでも5番目の規模を誇るそうです。

一重入母屋造、本瓦葺きの建物の内部は、780畳の畳敷きの大きな空間となっています。中央の宮殿には、親鸞聖人が、その周囲には、歴代の上人の御影が安置されています。

建物内部の柱、宮殿などは、金箔や極彩色の彫刻によって、華麗に装飾されており、荘厳な雰囲気がただよっているので、ぜひ見学したいものです。

如来堂

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(画像=ゆきたか 専修寺の如来堂。唐門をくぐると、この建物が見える。、トリップノートより引用)

御影堂の西側にある、大きなお堂です。快慶によって造られた阿弥陀如来立像をご本尊として祀っており、お寺の伽藍の本堂に相当します。間口、奥行きとも約26メートルで、御影堂に比べると小さいですが、二階建てのように見える豪華な建築は、決して見劣りするものではありません。

こちらの内部も、畳敷きとなっています。天井付近などに見られる華麗な彫刻にも注目してみてください。写真撮影も、個人で楽しむ目的に限って許可されています。

山門

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

山門は、御影堂の正面にある、専修寺の総門です。二階建てで高さは15.5メートル、間口は20メートルもあります。柱間(柱と柱の間)は5間で、そのうち3間に扉を取り付けて出入り口としています。資料や、瓦に刻まれた文字などにより、宝永元年(1704年)頃の建築と考えられており、国指定の重要文化財となっています。

唐門

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

唐門(からもん)は、如来堂の正面にある門です。山門と比べると小さいですが、すべて欅を使って建てられており、細かな装飾もあるので、北西の方向から歩いてくると、こちらが正式な門であると思ってしまうほどの豪華さです。建築は、天保15年(1844年)とされ、国の重要文化財に指定されています。

通天橋

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(画像=ゆきたか 通天橋、トリップノートより引用)

通天橋(つうてんきょう)は、御影堂と如来堂を結んでいる廊下の橋です。高床式で板張りの廊下は、長さ約31メートル、幅約6.8メートルもあり、屋根付近には彫刻も施されています。建築は、寛政12年(1800年)とされ、こちらも国の重要文化財にも指定されています。

太鼓門

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(画像=ゆきたか 専修寺太鼓門、トリップノートより引用)

境内の東側にある太鼓門は、平屋建ての長屋門の上に、三層の櫓が乗った建造物です。建物の最上階に太鼓が吊るされているため、このように呼ばれています。この太鼓は、町の人々に時刻を知らせるためのもので、古くは太鼓を打つ太鼓番が、長屋部分に居住していたそうです。

夏には美しい蓮が楽しめる

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

高田本山専修寺の境内では、毎年夏に美しい蓮の花が見られ、多くの観光客が訪れます。珍しい品種のものもありますので、ぜひ鑑賞してみてください。

多くの品種の花が楽しめる蓮鉢

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(画像=ゆきたか 専修寺の蓮鉢。さまざまな種類があり、鉢には品種の札も掲げられている。、トリップノートより引用)

境内の如来堂、御影堂付近には、100鉢以上の蓮鉢が飾られており、夏になると美しい花を咲かせます。蓮には様々な品種がありますが、こちらには35種類もあるそうです。

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

こちらは、紅蓮系の品種です。一重咲きの少し濃い桃色の花が、とても美しいですね。蓮の花と言えば、このようなものを想像する人が多いのではないでしょうか。

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)
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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

白い花が特徴の白蓮系、鮮やかな黄色い花を咲かせる黄蓮系の品種のほか、八重咲きの品種も多数飾られています。蓮の花にこれだけ種類があるのかと、驚かれるかもしれませんね。

蓮池では大賀蓮も

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

御影堂の奥にある池でも蓮の花が楽しめます。こちらは桃色で一重咲きの花を咲かせる大賀蓮(おおがはす)という品種です。大賀蓮は、植物学者の大賀一郎氏が2000年以上前の地層から発見した種を発芽したもので、この蓮池にあるものは、平成17年に関東別院から寄贈されたそうです。

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

鮮やかな緑の蓮の葉に桃色の蓮の花が映え、とても美しいですね。この蓮池に咲く花は、次に紹介する高田会館の食事処からも眺めることができますよ。

専修寺の蓮の見頃と開花時間

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(画像=ゆきたか、トリップノートより引用)

専修寺の蓮の花は、初夏から夏の終わりごろまで咲きますが、見頃は7月中旬から8月上旬頃となるようです。たくさん咲いている様子を見たいという方は、花のピークの7月下旬頃に訪れると良いかもしれません。なお、開花状況は、その年によって変わりますので、公式ホームページなどでチェックしてみてください。

次に、花が楽しめる時間ですが、蓮の花は早朝から午前中にかけて咲き、午後にはしぼんでしまうという特徴があります。美しく咲いている状態を見たいという方は、9時頃までに訪れると良さそうです。筆者は正午過ぎに訪れましたが、鉢の蓮は半分程度が、蓮池では、8割ほどがつぼみになっていました。