ブレアとオードリーが比べられることについてどう思う?
ーーブレアとオードリーが比べられることについてどう感じていますか?また、あなたが思うブレアとオードリーの違いを教えてください。
前の質問でもお話した通り、2人は全く違います。同じ経験をしている訳ではありませんからね。ですが、育った環境はある意味似ています。特に母親との関係です。それが、視聴者の皆さんにとって2人を関連づける大きな理由だと思います。
ですが、それ以外の点においては、私たちはある意味、生き方によって形成されるものであって、それを変えるか変えないかは自分で選択することができます。今のところ、オードリーが他の子たちほど甘やかされているとは思いません。実際、ゾヤを除いたら一番お金を持っていないかもしれません。オードリーは何より文化を愛していて···例えばパリに行くなら、パリで一番のレストランに行きたいと思うでしょう。彼女は生活の質やカルチャーにこだわりを持っているんです。
オードリーは、ブレアより少し控えめに裕福な子だと思いますが、それ以外に同じようなところはあまりありません。でも、ブレアと比較する方々には感謝しています。ブレアは本当にすばらしくて、オリジナル版での一番の魅力とも言えますからね。比較されるということは、私は自分の仕事を正しくできているということかもしれません。
コロナ禍でのドラマ撮影
ーー今作はコロナ禍での撮影だったと思います。やはり現場に緊張感はありましたか?また撮影で気をつけていたことなどあれば教えてください。
そうですね、大勢の人に囲まれるし、誰が感染しているか分からないので、とても怖かったです。ですが、良かったのは、これまでで一番緊張感を持って対応したことです。例えば、全てのクルーが毎日欠かさず検査を受けていました。そして全員が異なるバッジを持っていて、その種類によって入れる人と入れない人がいました。また、みんなマスクをしていました。だからとても安全だと感じていました。
ですが、以前のような現場の雰囲気というのは失われてしまったのです。これまでなら、クルーととても近くて親密な環境を作れましたが、今回はそれが出来ず、距離を保つ必要がありました。私はずっとこの仕事をしていますが、現場環境に関しては、大きく変わっていません。変更されたのは今回が初めてだったので苦労しました。ですが、結果的にはうまくいきました。キャストもスタッフも最善を尽くすことができました。
ーー先日はパリで「サンローラン」のショーを鑑賞していましたね。ファッションやビューティ業界から既に引っ張りだこだと思いますが、今後どういう企業と一緒に仕事をしたいですか?
「サンローラン」はすばらしく、ショーもとても楽しかったです。「サンローラン」にはずっと前から愛着があって、魅力を感じていました。歴史的に、初めて女性のパンツスーツを発表したブランドですし、常に(困難なことに)立ち向かってきたからです。
ある女性のすばらしい話があるのですが、彼女がパンツスーツでレストランに行ったら女性のドレスコードを満たしていないと追い出されたそうです。当時、女性のパンツスーツはタブーでした。すると彼女は動じずにパンツを脱いで店に入っていたんです。これは女性解放運動において重要なできごとだと思いましたし、ファッションにはこんなことを可能にする強力なパワーがあるとも感じました。こうしたハイブランドの歴史を探求するのは楽しいです。
そして、BLACKPINKのロゼにも会えたんです。すごくステキでした。それにタリア(ライダー)とも会場で会って仲よくなりました。彼女は最高で、一晩中一緒に遊びました。最高にクールでした。
キャスト同士も超仲よしで撮影が大変!?
ーー物語の中ではキャラクター同士、複雑な関係が繰り広げられていきますが、撮影舞台裏のキャストたちの仲はどうですか?休憩時間も色々話したりしていますか?
ええ、度が過ぎるくらい(笑)。私たちはとっても仲がいいんです。全員が集まるシーンが結構あるんですが、ものすごく時間がかかるんです。一人一人のアップを撮って、一連の撮影に少なくとも…つまり、引きで撮ってから、徐々に寄っていって、アップを撮るのに1日がかりです。たったワンシーンに1日かかるんです。10時間以内に収まることなんてありません。人数が多いので時間がかかります。もっと長くかかることもあります。
みんなが同じ部屋にいて、仲よくなって、お互い一緒に過ごしたいと思うことはほぼ不可能なくらいです。みんなが赤ちゃんに戻ったみたいに夢中になります(笑)。誰かがウワサ話をして、誰かが話をして、女性陣はとても仲よくて。そんなワイワイした中でも私たちは何とかやっているんです。
ーーオードリーの人柄をより忠実に描くために気をつけていたことは?
私は映画作品への出演のバックグラウンドがあるんですが、映画では台本をもらうと、キャラクターの変化が、始め、中間、終わりと順を追って分かるんです。テレビドラマの場合は、ちょっと難しくて、第1話の撮影時に、大体第1話と第2話の台本をもらって、以降の台本は次回の撮影の1週間くらい前にやっともらえます。ですから、役者は自分のキャラクターでさえも今後どうなるのか分かりません。何が起こるか分からないんです。アイデアを持っておくことはできますが、他の人と同じように推測するしかありません。
それは実生活と似ています。例えば、将来何が起こるかなんて、何かが起こってみないと分かりません。オードリーというキャラクターと一緒に過ごし、よく観察できたことで、毎日新しいことを感じることができました。毎話何か起こると、私が違う感情を抱き、それがオードリーの人柄の一部に表れるのです。シーズン1ではこれが特に重要です。1話ごとに、そのキャラクターが6年、もしくはそれ以上経った後に、どのようになるか考えているのですからね。