家計を守っていくためには、夫婦で話し合ったり協力したりすることも大切です。ただ、なかにはそれがうまくいかず、金銭感覚の違いが浮き彫りになって離婚にまで発展してしまう家庭もあります。Sさんの例を見てみましょう。
老後が不安な妻、楽観的な夫
Sさんは節約や貯金に対する意識が高く、老後が不安でコツコツと貯蓄に励んでいます。
一方の夫は、基本的にお金に無頓着な浪費家タイプ。貯金は苦手で、手元に現金があるとつい気が大きくなって知人や友人におごるなどして使ってしまいます。最近ではSさんが知らないうちに、友人に教えてもらった競馬にもお金を使い始めたようです。
夫婦共働きで人並み以上の世帯年収があったSさん夫妻は、いわゆる「夫婦別財布」で、これまでお互いの支出や貯金額をなんとなくしか把握してきませんでした。
でも、妊娠をきっかけに「もっとお金のことをちゃんとしよう」と思ったSさんは、今後は自分が家計管理を主に担当して、お小遣い制にしようと夫に提案しました。すると、思いがけず夫の猛反対にあってしまいます。
夫からすると、別財布のときから「こんなもの買ってどうするの」「何でもっと計画的に使わないの」と言われていたことがストレスになっていて、さらに責められるようになるのではと感じたようです。
将来が不安で貯金したいSさんと、今をもっと楽しみたい夫のあいだの溝はなかなか埋まらず、まるでお金の話がタブー扱いになったようにお互いそこには触れなくなりました。Sさんはなんとかしたいとは思いつつ、何もできずにモヤモヤしています。
お金の問題は夫婦喧嘩や仲違いの原因になる
お金は多くの人にとって重要なものです。それだけに、お金のトラブルや金銭感覚の違いは、それまでの人間関係を一気に崩してしまうこともあります。
最初はささいなズレに見えても、長い年月を経て問題になることもあります。また、たとえズレがなくても「どちらもお金にルーズ」なら、2人で老後に困ってしまうかもしれません。
まずは、夫婦でお金の話をタブーにせずじっくりと話し合ってみてはいかがでしょうか。相手の性格によっては、感情論だけでなくしっかりデータをそろえて示したり、一緒に買い物に行くなどお金の話をするきっかけを作ったり、何らかの工夫が必要かもしれませんね。
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。
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