モンテッソーリ教育の教育プログラム3:言語教育で語彙や文法を学ぶ
言語教育では絵カードあわせというお仕事があります。絵の書いてあるカードや文字のカードを使い、物の名前を覚え、助詞・動詞を加えて文章にしていきます。
絵の書いてあるカードは果物や乗り物など、子供にとって身近なもので、子供の興味に合わせて揃えられています。また、指で平仮名やカタカナをなぞる「砂文字板」なども用意され、読み方や正しい書き方、発音を学びます。
モンテッソーリ教育の教育プログラム4:算数教育で数量概念を身につける
子供時代を思い出しても、周囲の人を見てみても算数が苦手な子供が多いような気がしませんか? 多くの人が算数が苦手な理由は「算数が抽象的」だからではないでしょうか。モンテッソーリ教育では周囲にあるモノを具体的に捉えることのできる数量をまず学び、それを言葉で表現するための数詞を学び、最後にそれを書き表すための算数を学びます。
日常にある、目に見える物の数量から始まり、抽象的な算数へと段階的に学んだ子供は、抽象的なモノを理解する能力が身に付き、次の成長ステップへ進むことができるようになります。
モンテッソーリ教育の教育プログラム5:文化教育でさまざまな学問に触れ、楽しむ
絵画を見て感性を育んだり、本物の楽器を演奏をして楽しんだりといった文化活動を通じ、小さな子供も成長していきます。他にも、地球儀を使って外国を探したり国旗のカードを並べたりすることで、世界的な視野を持てるようにもなります。子供の知性や良心の発達も促すことができるのが文化教育です。
家庭でもできるモンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育は正式に教育を受けた先生が、子供が学びやすい環境を整え、専用の教具を使って行います。そのため、家庭教育に取り入れるのが難しいのですが、教育方法の一部は家庭での子供の教育にも取り入れることができます。例をあげると…
- 子供に選ぶ機会を与える
- 子供が質問してくるまで教えず、あたたかく見守る
- 口で説明するときは身振り手振りはやらない
- 身振り手振りで説明するときは話さない
- 説明するときはゆっくりと話したり、身振り手振りを行う
親の好みで何でも与えたりせず、子供に選ばせるようにしたり、失敗しないようあらかじめやり方を教えてるのではなく、失敗から学ぶチャンスを与えるようにすることは家庭でも実践できるでしょう。口での説明と身振り手振りでの説明を同時に行わないのは、耳と目で同時にモノを教えても子供が理解できないことがあるためです。口や身振り手振りで説明するときは、子供が理解しやすいよう、ゆっくりと説明してあげてください。
モンテッソーリ教育の教師の心得12ヶ条
モンテッソーリ教育の考え方を自宅での教育に活かしたい方のために、モンテッソーリ教師の心得12ヶ条を紹介します。すべてを家庭で取り入れるのは難しいかもしれませんが、自宅での子供との接し方にも役立つ心得です。
モンテッソーリ教育の教師の心得1:環境に心を配りなさい
先生の直接的な指示で子供が学ぶのではなく、子供が自然に学びたくなる環境を整えてあげましょう。具体的には、子供の手が届くところに教具を置いたり、子供の身長に合ったトイレ・手洗い場などを設置し、自分の意思で自由に行動できる環境を整え、子供を導いてあげてください。
モンテッソーリ教育の教師の心得2:教具や物の取り扱い方を明快に正確に示しなさい
教具の使い方を子供に正確に教えられるよう、先生は教具の使い方を何度も練習しておきましょう。子供たちが教具を上手く使えないときに、さりげなく手助けできるためにも練習が必要です。
モンテッソーリ教育の教師の心得3:子供が環境との交流を持ち始めるまでは積極的に、交流が始まったら消極的になりなさい
常に子供に注意を払い、子供がお仕事に集中し始めたらあたたかく見守り、観察を心がけてください。集中し始めた子供に干渉し、集中力を乱してはいけません。
モンテッソーリ教育の教師の心得4:探し物をしている子どもや、助けの必要な子どもの努力を見逃さないよう、子どもを観察しなさい
集中力がなかったり、教具の使い方を間違っていたりとサポートが必要な子供を見つけたら、タイミングよく子供のサポートをしてください。
モンテッソーリ教育の教師の心得5:呼ばれたところへは、駆け寄り、交歓しなさい
子供に呼ばれたら必ず応えてあげるようにしましょう。すぐに子供に応えてあげることで、子供は喜びを感じ、お仕事にまた取り組みたくなります。
モンテッソーリ教育の教師の心得6:招かれたら、耳を傾け、よく聞いてあげなさい
子供の言葉には耳を傾けて、要求はしっかりと受け止めてあげましょう。まだ上手く自分の意思を伝えられない子供であっても、子供の気持ちをくんであげられるようにしてください。
モンテッソーリ教育の教師の心得7:子どもの仕事を尊重しなさい。質問したり、中断したりしないように
子供がお仕事に集中しているときは話しかけたりせず、そっと見守るようにしてください。
モンテッソーリ教育の教師の心得8:子どもの間違いを直接的に訂正しないように
子供は失敗から学ぶこともあります。観察の中で失敗しそうだと気付いても、子供が間違えたと気付くまでは見守ってあげてください。
モンテッソーリ教育の教師の心得9:休息している子どもや他人の仕事を見ている子どもを尊重しなさい。仕事を無理強いしないように
お仕事は無理にさせる必要はありません。他人の仕事を見て学んでいる子供もいます。子供が自発的にお仕事を再開できるよう待ってあげましょう。
モンテッソーリ教育の教師の心得10:仕事を拒否する子ども、理解しない子ども、間違っている子どもは、たゆまず仕事への誘いかけを続けなさい
子供がお仕事に興味を持つよう優しく誘い続けることも重要です。ただし、お仕事の無理強いにはならないよう注意してください。
モンテッソーリ教育の教師の心得11:教師を捜し求める子どもには、そばにいることを感じさせ、感づいている子どもには隠れるようにしなさい
先生が見守っているのが感じられるだけで子供は安心してお仕事に集中することができます。子供が集中し始めたのがわかったら、集中力を乱さないよう少しずつ離れていきましょう。
モンテッソーリ教育の教師の心得12:仕事がすんで、快く力を出しきった子どもを静かに認めながら現れなさい
お仕事に成功した子供は優しく、静かに認めてあげてください。お仕事に満足感を得た子供は、認められることでまたお仕事にチャレンジしたくなります。
実際にモンテッソーリ教育を体験してみました
筆者の子供がモンテッソーリ教育に参加したときの体験談をご紹介します。教室に入ったばかりのときは教具を他の子供と取り合いになるなど、お仕事どころではありませんでした。しかし、回を重ねるごとに少しずつ自立し、落ち着いて椅子に座ってお仕事ができるようになりました。他の子供と隣に座って一緒にお仕事をするのも好きになりはじめ、徐々にモンテッソーリ教育に親しみ始めたのがわかります。
先生が上手に子供を誘ってくれるため、さまざまな教具に触れ、体験することができました。モンテッソーリ教育を子供に学ばせようと考えるパパママは「子供の自主性に任せたら、好きなことしかやらないのでは?」と不安になるかもしれません。私の子供の場合、お仕事に対する偏りも今のところは見られません。
モンテッソーリ教育の教具はサイズや質感が決まっていて「本物であること」も大切で、家庭での教育用に揃えようとするとかなりの費用がかかります。そのため、モンテッソーリ教育のお仕事は幼稚園で、家では日常生活の練習を中心に環境を整えていこうと考えています。
シュタイナー教育って何? モンテッソーリ教育とどう違うの?
モンテッソーリ教育 シュタイナー教育 生まれた国 イタリア オーストリア 生まれた時期 20世紀初頭 20世紀初頭 教育開始時期 0歳~ 7歳~ 教育に使う道具 教具 自然にあるもの 一言で言うと… 感覚を育て知能を伸ばす 感性を育む 学んだ有名人… 藤井聡太 黒柳徹子 教育熱心なパパママが話題にする教育法はモンテッソーリ教育以外にもあります。ときおり耳にすることがあるのがオーストリア生まれのシュタイナー教育です。医学博士が生み出したモンテッソーリ教育に対して、シュタイナー教育は哲学博士がスタートさせました。シュタイナー教育はオーストリアの工場労働者の教育を行っていた「自由ヴァルドルフ学校」の教育プログラムが広まった教育方法で、モンテッソーリ教育と同じく、子供の自由意思を尊重する特徴があります。
モンテッソーリ教育は「子供が自分の自由な意思で自分を育てる」のに対して、シュタイナー教育は「子供の芸術的感性を伸ばすことで感性を育み、子供が自主的に学び、自由な発想や考え方ができるようにする」教育方法です。その他、モンテッソーリ教育は教具を使うのに対し、シュタイナー教育は自然にあるものを使って教育を行うなどの違いもあります。モンテッソーリ教育は0歳から行えるプログラムがあるのに対し、シュタイナー教育は7歳までは体を育む期間として一切の知的な教育が行われないのも特徴ですね。
なお、シュタイナー教育は体が成長する7歳まで一切の教育を行わないため、小学校に上がる前の未就学児への教育プログラムを探しているパパママの選択肢にはなりません。「小学校に上がるまでは、のびのび健康に育ってくれればいい」と鷹揚な気持ちでいられる方向けの教育方法です。
まとめ:環境を整え、観察、自主的に学べるように導くモンテッソーリ教育
幼稚園で行っているモンテッソーリ教育について紹介しました。モンテッソーリ教育は自分で考え、選択し、自立する力を育む教育なのがお分かりいただけましたでしょうか。
幼稚園や保育園での導入イメージをお持ちの方が多いモンテッソーリ教育ですが、家庭の教育にも一部は取り入れることができます。子供が学ぶための環境を整え、適切に子供を観察し、子供が自主的に学べるように導く、これを意識して子供の成長を優しく見守ってあげてください。
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