日韓の伝統文化が出会った!特別なトルチャンチ

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

満1歳の初誕生日は、赤ちゃんがこの世に生まれて初めて迎える誕生日。家族にとっても喜びにあふれたおめでたい日ではないでしょうか。

韓国では、初誕生日のことを「トル」または「チョットル」と言い、盛大に祝う習慣があります。そのお祝いの宴が、「トルチャンチ」です。子どもが1年間無事に成長したことを祝うとともに、健やかな成長を願って行なわれます。こうした韓国の習慣に則ってトルチャンチを開催した日韓夫婦がいらっしゃいます。

ソウル在住の長田幸子さんとイ・ジョンホさん夫妻です。なんでも日韓夫婦という点を生かし、両国の伝統的な風習を取り入れた珍しいトルチャンチを準備しているとか。日本と韓国の文化が出会う初誕生日の宴とは?コネスト記者も興味津々で参席してきました!

「文化引き継いであげたい」両親の思いから実現

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

イ・ジョンホさん、華菜理ちゃん、長田幸子さん
趣味のドラムを通じて出会い、2009年にご結婚された長田さん夫妻。長田さんは韓国の伝統文化に関心が高く、誠信(ソンシン)女子大学文化産業大学院で礼節茶道学を修了。結婚式も龍山(ヨンサン)にある戦争記念館にて伝統婚礼式を挙げました。そんなお二人の愛娘が、本日の主役である華菜理(けなり)ちゃん(韓国名ヒョンジちゃん)。
現在、日韓両国の二重国籍を保有しています。「大学院で韓国の伝統儀礼を学んだこともあり、いつか子どもが生まれたら文化を引き継ぐという意味でも、古くから伝わる形式で初誕生日を祝ってあげたいと思っていました」と話す長田さん。華菜理ちゃんのために長田さん夫妻が準備したのは、日本と韓国、それぞれの風習にならって初誕生日を祝う、特別なトルチャンチでした。

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

会場に展示された日韓の伝統装飾品

日本でも初誕生日には「背負い餅」や「選び取り」といった行事を行ないますが、韓国では知られていないのが現実。反対に、韓国のトルチャンチも日本では知る人が多くありません。

「ただ人が集まるだけのトルチャンチではなく、両国の伝統文化に触れる機会になれば」―そんな長田さんの思いに、大学院時代の恩師や先輩が衣装やセッティングに全面協力。日本の儀礼に関しては、誠心女子大と縁のある聖徳大学(千葉県)の協力があり、日韓合体型のトルチャンチが実現することになったのです。
会場には日本からやってきた幸せの使いも?!
会場となったのは、ソウル都心の光化門(クァンファムン)に位置する韓定食店。昔は自宅で行なわれていたトルチャンチですが、現在は食堂や結婚式場、ホテルのホールを貸し切って開催するのが一般的です。11時の開始に合わせ、会場には韓国内のご親戚はもちろん、日本からの参席者も続々と来場。おめでたい席ということで、日本のお客様の中には平安時代の公家の平服、狩衣を着ていらっしゃった方も!きらびやかな伝統衣装が目を引き、記念撮影にひっぱりだこでした。

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

会場入口には華菜理ちゃんの写真が。来場者の笑顔を誘います

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

落ち着いた雰囲気の
韓定食店を貸し切って開催

トルチャンチがスタート!まずは韓国の儀式から

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

両親や親族はチマチョゴリ姿で参席
日本語通訳を伴った司会の進行で幕を開けたトルチャンチ。たくさんの拍手に迎えられ、華菜理ちゃんを抱いた長田さん夫妻が入場です。この日、華菜理ちゃんが身に付けたのは、トルチャンチの伝統衣装である「トルボッ(トルオッ)」。チマチョゴリ(韓服、ハンボッ)の上に唐衣(タンウィ)と呼ばれる礼服を着て、額の部分に飾りの付いたチョバウィという帽子をかぶります。

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

本日の主役のご登場!

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

鮮やかなトルボッがよくお似合い

華菜理ちゃんと長田さん夫妻は、たくさんの食べ物が並んだお膳を前にして着席。このお膳は「トルサン」と言い、トルチャンチに欠かせません。お膳に置かれた食べ物にはそれぞれ意味があり、例えば白い蒸し餅「ペッソルギ」は、その色が表すように明るく育つことを願って、小豆をまぶした「ススキョンダン(きび団子)」は赤い色が魔除けになると信じられていることから用意されます。

また、果物や米には一生食べ物に困らないように、との思いが込められています。トルサンの隣には、1歳を祝う正式な食事の膳が。韓国で誕生日に食べるワカメスープも、もちろん用意されていました。

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

お祝いの餅や果物がのせられたトルサン

日韓夫婦の伝統トルチャンチをレポート!
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

1歳を祝う食事の膳

トルチャビの置物とその意味

糸、麺:長生き
ナツメ:子孫繁栄
本:文才にたける
昔の硬貨、紙幣:お金持ち
物差し:手先が器用

トルサンには食べ物だけでなく、様々な品物が置かれていました。これは、トルチャンチのメインイベントである「トルチャビ」で使うもの。トルチャビとは、赤ちゃんの前にいろいろな物を置き、最初に手に取ったもので将来を占う行事です。用意されていたのは、糸や本、昔の硬貨、物差しなど。目の前に並べられた品物に、華菜理ちゃんは今にも手を伸ばしそう!果たして何を取るのか、参席者たちも興味津々で見守るなか、トルチャビのスタートです。

華菜理ちゃんが真っ先に手にしたのは、長~い定規!「器用な女の子に育つのね」と思いきや、今度はお母さんに支えられ、続けて2回目のトルチャビが始まりました。今回は、お母さんの見事な操作で(?)、紙幣をつかんだ華菜理ちゃん。これには会場内が大爆笑です。やはり親の願いも捨てられませんね!