御殿山の雑木林
萬助橋から再び公園内の木立の遊歩道に戻ると、御殿山と呼ばれるエリアに入ります。御殿山は、三代将軍・徳川家光が鷹狩に訪れた際、休憩する“御殿”があったことが由来となった場所です。
井の頭池よりすこし登った高台にあり、イヌシデ、コナラ、クヌギなど、背の高い木立に囲まれた落ち着いた雰囲気が特徴。広々とした草原やベンチもあるので、森林浴の途中にちょっとひと休みするのにもぴったり。四季を通じて散策やハイキングを楽しみたいスポットです。
井の頭池遺跡群
御殿山の近くには井の頭池遺跡群があります。旧石器時代から縄文時代中・後期に作られたと考えられる竪穴式住居や敷石住居などの跡からは、石器や土器、住居の跡などが多数発見されました。古くは約1万2000年前ごろ、この周辺で多くの人々が暮らしたと考えられています。
お茶の水
井の頭池の西の端に茂る木立にあるお茶の水橋。そのすぐ脇にあるのが「お茶の水」です。江戸時代のガイドブックとも言える『江戸名所図会』によれば、井の頭池に鷹狩りに訪れた江戸幕府初代将軍・徳川家康が、お茶を淹れる水として好んだことがその名の由来といわれています。
1970年代までは地下から天然の水が湧いていた泉ですが、現在では地下水を組み上げて流しているのだそうです。また、三代将軍の徳川家光が「井戸の中で一番」と湧き水の美味しさを讃えたことから「井の頭」という地名になったという説もあるそうです。
このお茶の水の周辺が、井の頭恩賜公園駅がら最も離れたエリア。ここで折り返すように、引き続き池の周りを駅の方面に向かって歩いていきましょう。
野口雨情『井の頭音頭』の歌碑
お茶の水橋のたもとを池沿いに歩いていくと、『七つの子』『シャボン玉』『赤い靴』など、数々の名作童謡の作詞を手掛けた詩人・野口雨情の歌碑が見えてきます。
1924年から井の頭恩賜公園に近い吉祥寺で暮らし、創作活動を行った野口雨情の業績を讃えて1952年に建立されたもので、『井の頭音頭』の一節が彫り込まれています。
多彩な鳥たちの姿も必見
井の頭恩賜公園には通年暮らすカルガモ、カイツブリ、オシドリなどの留鳥だけでなく、秋から冬にかけてはオナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロなど渡り鳥も飛来します。ときにはカワセミも姿を現すとあって、多くの愛好家がバードウオッチングを楽しんでいます。
井の頭池の水辺には、多様な生き物たちが生息しやすいよう、アシ原が保護されています。そのため、鳥だけでなく、オイカワやギンブナなどの魚類も豊富です。ガマやヨシ、マコモといった水草や湿生植物が再生することで、日本固有種の魚類や、珍しいトンボも姿を見せるようになったそうです。
七井橋
井の頭恩賜公園で最も大きな橋が、井の頭池の中央に掛けられた七井橋です。豊富な水量と優れた水質で知られた井の頭池はかつて、いくつもの湧水口があったことから「七井の池」と呼ばれ、橋の名前の由来になったと考えられています。
井の頭恩賜公園の象徴とも言えるその長い橋の上からは、岸辺の遊歩道からとは一味違う、四季折々に装いを変える井の頭池の風景を眺めることができます。
「緑の小道」を歩く
七井橋を過ぎると、井の頭池沿いの遊歩道は二手に別れます。山側に作られた「緑の小道」を歩くことにしましょう。
ゆるやかな坂道を登っていくとやがて平坦になり、木漏れ日のなか落ち葉や土を踏みしめて歩く感触がとても心地よく、まるで低山をハイキングしているかのようです。
「緑の小道」は遊歩道に合流し、再び神田川の原点の脇を通り過ぎます。京王井の頭線の線路の下のトンネルをくぐると、井の頭公園駅の裏手にある静かな広場に出ることができます。
広場のすぐ脇を流れる神田川は、源流からわずか数百メートル下っただけで、思いのほか豊かな水量で流れています。
ゆうやけ橋
神田川に掛かる「ゆうやけ橋」が見えてきたら、この散歩も終了です。池や木々に囲まれた自然を始め、歴史を感じさせる名所旧跡に恵まれた井の頭恩賜公園。ひと回り散歩するもよし、お気に入りの景色をじっくり眺めるもよしの、魅力あふれる市民公園なのでした。
井の頭恩賜公園のランチはカレーがオススメ! 「松月(しょうげつ)」
井の頭恩賜公園を訪れた際のランチや休憩にぴったりのお店が、昭和18年(1943年)創業の食事処「松月」です。コーヒーやソフトクリームなどの喫茶メニューをはじめ、そばやうどんなどの食事メニューも充実しています。
ランチにオススメなのは、オーナーは数十年かけてレシピを完成させた「カレー」(800円)。ひき肉や野菜がたっぷりで、まるでスパイス専門店のような深みのある味わいが楽しめます。
「松月(しょうげつ)」 営業時間/11:00〜17:00(不定休) ※営業時間は天候等により変更する場合があります。
井の頭恩賜公園の基本情報
井の頭恩賜公園の開園時間と休園日
常時開園 ※案内所及び各施設は年末年始休業となります。
井の頭恩賜公園の入園料
無料(一部有料施設があります)
井の頭恩賜公園へのアクセス
・車を利用する場合
中央自動車道「高井戸」ICから約5km 関越自動車道「練馬出口」から約10km
・電車を利用する場合
JR中央線・京王井の頭線「吉祥寺」駅下車 徒歩約5分 京王井の頭線「井の頭恩賜公園」駅下車 徒歩約1分
井の頭恩賜公園に駐車場や駐輪場はある?
井の頭恩賜公園には吉祥寺通りの萬助橋近くの第一駐車場と、三鷹の森ジブリ美術館のすぐとなりの第二駐車場の2ヶ所があります。
・第一駐車場
収容台数/60台(身障者用2台)
営業時間/24時間営業(有人は9:00〜17:00まで)
利用料金/1時間まで400円(以降30分毎に200円)
・第二駐車場
収容台数/乗用車100台(身障者用6台)、オートバイ8台
営業時間/8:00〜19:00(出庫は21:00まで)
利用料金/普通車1時間400円、オートバイ1日1回200円(営業時間を過ぎての駐車は別料金)
※交通系電子マネー及びICクレジットでの精算ができます。
※駐車場に面している吉祥寺通りからの右折入庫はできません
※交通渋滞緩和のため吉祥寺通りでの入庫待ちはできません。
※高額紙幣(一万円札、五千円札、二千円札)での支払いはできません。
※身体障害者手帳、愛の手帳・養育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、駐車料金が免除されます。駐車券を精算する前に精算機備え付けのインターフォンでお申し出ください。
・駐輪場に関して
自転車で来園した際は、御殿山エリアの井の頭恩賜公園通り近くにある「井の頭恩賜公園自転車置き場」が利用できます。(通勤通学や買い物のための駐輪はできません)
井の頭恩賜公園の感染症対策は?
・公園の利用の際はマスクを着用し、こまめに手を洗いましょう。
・他の利用者との距離を適度にあけましょう。
・混雑している場所や時間帯を避けて、少人数で利用しましょう。
・大人数による飲食、飲酒は控えましょう。
(※掲載されている情報は公開日のもので、最新の情報とは限りません。最新情報は必ず公式HPでご確認ください)
提供・あそびのノート
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