12月2日、今年の漫才No.1を決める『M-1グランプリ2021』の準決勝が開催されました。

今年はアウトロー芸人揃いの「ザ・変化球」

準決勝では、昨年のファイナリストだった東京ホテイソン、ニューヨーク、見取り図、ラストイヤーとなるアルコ&ピース、ハライチ、テレビでの活躍も目覚ましいアインシュタイン、唯一の女性コンビのヨネダ2000など、強豪漫才師26組がファイナリストの座をかけて熱き火花を散らし、渾身(こんしん)のネタを披露しました。 そして、同日21時40分。その中から決勝に駒を進めたファイナリスト9組の発表。なんと今回は初出場が5組で非吉本勢が4組と、これまでのM-1グランプリの印象を一新するレベルのフレッシュな顔ぶれとなっており、SNSでも多くの驚きの声が挙がりました。
今年の傾向としては「ザ・変化球」。王道のほぼ居ない漫才大会で、ツウに受けていた、いわばアウトロー的な芸人たちが表舞台にのし上がる大会になったかなと思います。これは去年のマヂカルラブリーの優勝がだいぶ大きいですよね。 それだけにスタンダードなネタが受けづらい土壌は生まれる結果になったのではないでしょうか。これがTVショーとして吉と出るか凶と出るかわからないですが… お笑い第七世代の力を世に知らしめた2018、史上最高回と謳(うた)われた2019、『あれは漫才かコントか』論争を巻き起こした2020。そして今年、2021年のM-1は一体どんな大会になるのでしょうか。今回決勝進出を勝ち取ったファイナリスト9組を紹介します!

錦鯉(結成9年)

今年も最年長おじさんコンビがM-1の晴れ舞台に帰ってきました。齢50歳の超遅咲きのおバカ芸人である長谷川雅紀とパット見が超普通のおじさんなツッコミの渡辺隆のコンビです。 2020年の決勝進出を機に、この一年でテレビタレントとしても大きな飛躍をした二人。しかし、だからこそ二年連続ファイナリストという結果は、漫才に対するひた向きな姿勢と努力の証といえるでしょう。 すっかり世間に長谷川のキャラクターが浸透した今年は、渡辺の技量に注目が集まること必至。ネタばかりか長谷川の生活面までプロデュースをしてきた彼の静かに冴えわたるツッコミこそ、錦鯉優勝の鍵を握っていると言っても過言ではないでしょう。

オズワルド(結成7年)

今年のM-1グランプリ大本命と囁かれているオズワルド。つかみどころのないボケの畠中悠とボヤくような口調が特徴のツッコミの伊藤俊介とのコンビで、M-1ファイナリストになるのは今年で三年連続です。 昨年のファイナリストの中では決して目立つ方ではなく、メディアへの露出も他のコンビに比べるとやや少なめ。しかし、今年は『第42回ABCお笑いグランプリ』で関東芸人初の優勝を果たし、その実力を全国的に知らしめました。 ネタと同様のスローテンポながらも着実に知名度を上げてきていた、まさにそのタイミングでの今回の決勝進出。 伊藤の妹が実力派女優の伊藤沙莉であることや、畠中の作詞作曲能力の開花など、深掘りのしがいがあるキャラクターにも注目が集まっており、優勝候補の筆頭として名を連ねるのも納得。2019年、2020年の優勝者を的中させたDJ KOOも彼らの優勝を予測しています。