韓国には「チョンセ」と「ウォルセ」と呼ばれる独自の賃貸システムがあります。アパートや単独住宅、ワンルームなど住まいの形態を問わず幅広く適用されるこのシステムの特徴は「保証金」が発生するということです。韓国の不動産市場は外国人にも開放されているので、保証金さえ払えば外国人でも比較的簡単に部屋を借りることができます。

韓国の家賃制度-チョンセ&ウォルセ-
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

家賃制度の種類

チョンセ (伝貰/専貰)

韓国の家賃制度-チョンセ&ウォルセ-
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

賃貸契約時にまとまった保証金を払うことで、月々の家賃を支払う必要がないというシステム。あらかじめ大家との間で居住する期間を決めておき、契約期間終了時に保証金は全額返金されます。例えば、5,000万ウォンのチョンセを払い、2年間その家に住む契約を交わしたとすると、2年後、家主は住人に家を出るよう言うこともできるし、交渉によっては続けて住むこともできます。2年経ってその家を出ることになれば、最初に払った5,000万ウォンを家主から返してもらえるというシステムです。 家を出るときに全額返してもらえるのはなぜ? 保証金が全額返金されるというチョンセの制度が成り立つのは、家主が契約期間の間その保証金を運用するという前提があるからです。運用の方法は様々ですが、韓国では銀行に預けておくだけでも1年間に5~10%の利子以上の利子が付くこともあったため成り立っていた制度です。しかし最近では銀行の金利も下がっているため、チョンセを好む大家は減少の傾向にあり、月々の家賃を払うウォルセ物件が増えています。

ウォルセ(月貰)

韓国の家賃制度-チョンセ&ウォルセ-
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

毎月決められた額の家賃を払う制度。ウォルセ契約の場合も、契約時に保証金を払うのが一般的で、不動産の物件情報では「○○○(保証金の金額)/△△(月々支払う家賃)」と表記します。保証金の額が多いほど月々の家賃の額は少なくなるという特徴があり、場合によっては保証金と月々の家賃の配分を交渉することも可能です。保証金の金額が高めでチョンセ価格の半分程度に設定されている場合、「半(パン)チョンセ」と呼ぶこともあります。保証金はチョンセ同様、契約期間終了時に全額返金されますが、月々の家賃が支払えないことがあると保証金から家賃が差し引かれます。

サグルセ (朔月貰)

「サグォルセ」とも言い、もともとの辞書的な意味はウォルセと同じで毎月家賃を支払うシステムを指しましたが、最近では毎月家賃を払うウォルセに対し、サグルセは入居時に月々の家賃分を一括払いをするシステムを指して使います。例えば、月100万ウォンの部屋をサグルセ制度をもって1年間契約した場合、賃借人は1,200万ウォンを入居時に一括払いする必要があります。これは保証金としてではなく家賃として支払うものなので、契約期間が終わっても返金されません。