アマゾン流でマネジメントの悩みを解決!
「管理職1年目の壁」突破法

元アマゾン ジャパン管理職、『amazonのすごいマネジメント』(宝島社)著者の二人が、管理職1年目の女性たちの仕事の悩みに回答! アマゾン流のベストプラクティスを使い、「管理職一年目の壁」を乗り越えるヒント、マネジメントの仕事を楽しむ秘訣を提供していきます

管理職1年目の悩み

著者名

Eさん

マネージャーになって採用面接を担当するようになりました。

どんなスキルを持った人がいいかはある程度はっきりさせられますが、面接するスキルが足りないことで、候補者の人柄を見抜くのが難しく感じます。

どうしたら、チームにとって一番いい人を採用できる目を養えるのでしょうか?

(Eさん:管理職歴11カ月/34歳/事務系職種)

著者名

【回答者プロフィール】
太田理加さん

アマゾン ジャパンに入社後、約13年間、新規ビジネス立案・立ち上げを担当し、立ち上げたビジネスの事業責任者を歴任。新規ビジネスをつくるということは、そのビジネスを実行する組織を一からつくること。よって、採用・人材育成・組織づくりに尽力。リーダーシップにフォーカスした幹部育成にも力を入れ、チームでイノベーションを起こす。2020年3月にaLLHANz合同会社共同代表に就任

太田さんからの回答:まずはジョブディスクリプションを明確にして

【面接官初心者向け】元アマゾン管理職が伝授する採用候補者の“本当の姿”を見抜く質問テクニック
(画像=『Woman type』より引用)

採用面接って本当に難しいですよね。

履歴書・職務経歴書が自分の手元にあるとは言え、初めて会った候補者と一時間程度の会話で、チームにとってベストな人材かどうかを判断しなければならない。そして、失敗してもやり直しができない。

私もこれまで本当に多くの候補者の方を面接させて頂きましたが、「面接官を担当したいか」と聞かれたら、「出来れば担当したくない」というのが本音です。

しかし、採用は管理職の仕事の中でも特に大切な仕事。

採用で失敗すると、自分もチームもより大変になってしまうし、会社にも大きなコストがかかってしまいますから、なんとしても間違った採用は避けたいですよね。

Eさんはすでに、候補者がどんなスキルを持っているかということを判断できるようになったとのこと。素晴らしいですね!

そして、仕事のスキル同様、Eさんが悩まれている「人柄(=チームの中でどんな行動を取り、どんな影響を与える人なのか)」を見抜くのも、練習を重ねればできるようになっていきます。

【面接官初心者向け】元アマゾン管理職が伝授する採用候補者の“本当の姿”を見抜く質問テクニック
(画像=『Woman type』より引用)

では、採用活動を行うとき、現場の責任者として何をすることが大事でしょうか?

まず、実際に面接を行う前に、どんな人が必要なのかを明確にするのが第一ステップ。ジョブディスクリプション(職務記述書)を作りましょう。

会社として、ジョブ型を採用していない、もしくは、そのような書類を作る仕組みがない、という場合も、自分のチームに今どんな人材が必要なのか、という事を明確にするためにも、簡単でいいので書き出してみるのがお勧めです。

ジョブディスクリプションには、具体的にどのような仕事をどれくらいの割合で行うのかを記入していきます。

例えば、人事部で人材開発を推進する担当者を採用するとしたら、まず、その担当者が「社員の必要スキル・知識の定義の見直し」という業務を自分の時間の何%ぐらい使うのか、また、「トレーニングの検討・実施」にはどれくらい使うのか、ということを決めていきます。

次に、 その仕事に必要な「コンピテンシー (その仕事で活躍している人たちに共通する行動特性)」を考えていきます。

例えば、「スピードを持って行動する」「コミュニケーションをしっかりとる」「粘り強く実行する」 などと、挙げていきます。

最後に、それらを達成できる人材にはどのような経験が必要かを考え、実務経験の年数など(例えば、人材開発の経験3年以上など)を記入していきます。

しっかりしたジョブディスクリプションを作ることが、採用のキモ。これが明確でないと、採用ミスが起こる確率が高くなってしまいます。