”苔寺” の通称で知られる名所「西芳寺」や、ビロードのような苔が広がる“有清園”を有する「三千院」、苔と紅葉の名所で知られる「祇王寺」など、京都のおすすめ苔寺をご紹介します。
1.西芳寺
通称 ”苔寺” として親しまれている西芳寺は、世界遺産『古都京都の文化財』を構成する資産のひとつ。約30,000㎡(野球のグラウンド3つ分程度)の広さの庭園を緑の絨毯のように覆いつくす苔がとても美しく、その苔の種類は120種類ほどにもなると言われています。
苔寺の庭園は禅宗庭園の様式で上下に分かれ、枯山水と池を囲む回遊式庭園から成っています。ゆっくり散策すると1時間はかかるでしょう。特に紅葉の時期には苔の緑と紅葉の赤がつくりだす景色にうっとり。苔寺での紅葉の見ごろは例年11月下旬頃です。
なお参拝には往復はがきによる事前申込が必要になります。拝観料は通常のお寺よりも高くなっていますが、写経体験も含まれており、何より、人ごみに邪魔をされず自分のペースで心ゆくまで苔と、秋には紅葉を満喫できます。
2.三千院
左京区大原の自然豊かな場所にある天台宗の寺院。最澄が比叡山東塔に三千院(三千院門跡)を建てたのがはじまりで、明治維新後にこの地に移りました。境内には2つの庭園があり、ビロードのような苔が神秘的な庭が「有清園」。庭園にたたずむ「往生極楽院」が美しいと評判です。
紅葉の時期も人気で、毎年11月上旬から下旬には緑の苔の上に鮮やかなもみじの葉が積もり、見事なコントラストを見せてくれます。
3.祇王寺
『平家物語』にも登場する寺院で、平清盛の心変わりによって都を追われた祇王が、母と妹・祇女とともに出家し余生を過ごした、悲恋の尼寺として知られています。
本尊である大日如来と共に、鎌倉時代の作とされる清盛、祇王、祇女らの木像が安置された茅葺き屋根の草庵の前には、苔むした趣ある庭が広がり、苔と紅葉の名所としても人気を集めています。