見どころ3…巨大なインドゾウは圧巻!「ユーラシア区」
「ユーラシア区」では、ユーラシア大陸に生息する動物たちを展示しています。 インドゾウやインドサイ、切り立った岩場で生息するスーチョワンバーラル、日本にすむニホンカモシカ、タンチョウ、ホンシュウジカなど。また川口さんによれば、「桜やイチョウ、アジサイなど、四季折々の植物が園路沿いに多くあるため、それを楽しみに来られる方も多い」とのこと。
一度絶滅しかけ、現在は国指定特別天然記念物となっているタンチョウ。うっかりすると見過ごしてしまいそうなところにいるので、ぜひ探してみてくださいね。
ホンシュウジカ。金沢動物園で飼育しているのは、角がないメスです。
シロテテナガザルものんびり。屋内と屋外を行ったり来たりできるようになっています。こちらは屋内。
屋外では、網に手をかけて遊ぶ姿も見られます。
“羊に似ているヤギの変わり者”とされる、スーチョワンバーラル。立派な角があるのがオス、角が小さいのがメスです。上の写真はオス。かっこいい!
こちらはメス。オスが成長につれて角が大きくなるのに比べるとメスの角は小さく、一目瞭然です。
5月にはオスの「サツキ」とメスの「タンゴ」が誕生。8月にはメスの「ウルル」も生まれています。どれが「サツキ」で、どれが「タンゴ」かな…なんて思いながら見るのもほっこり。
お尻を向けて寝ているのは、インドサイのメスで、ネパール生まれの「ナラヤニ」。よろいのようなボディが特徴で、世界に3,600頭ほどしかいない絶滅危惧種。世界中の動物園が飼育、繁殖、研究にチャレンジしています。金沢動物園でも、オスの「キンタロウ」との繁殖を目指しています。
インドサイはもともと水辺の草原や森林に住んでいる動物。「キンタロウ」が、奥の水の中にいるのがわかりますか!? 耳が水面からほんの少し出ていますね。
国内のインドゾウの中では最大級といわれている、体重6.3tの巨体と約2.7mの長い牙をもつオスの「ボン」は44歳! 堂々とした風情は、まるでマンモス。メスの「ヨーコ」も体重3.6tあります。
「オスのゾウは手記的に気性が荒い時期があるため、オスとメスで飼育管理の方法を変えています」(川口さん)。
動物園にいる動物は、どうしても動ける範囲が限られます。そうすると、例えばゾウでは爪が伸びすぎてしまったり、足裏の角質が固くなってしまうので、こまめなケアは欠かせません。また、健康管理のためのトレーニングはもちろん、退屈な時間を減らせるようエサを小分けにして与えたり、ゾウが知恵を使わないと食べられないようにしたりといった工夫がなされています。
見どころ4…オオツノヒツジやカピバラが見れる!「アメリカ区」
いよいよ4つめとなる「アメリカ区」は、金沢動物園で最初に開設されたエリアで、カピバラやスバールバルライチョウ、オオツノヒツジがいます。展示場はロッキーマウンテンを模しており、見応え抜群。金沢動物園のシンボルマークにもなっている、大きな丸くカーブした角が印象的なオオツノヒツジも見られます。
世界でいちばん大きなネズミの仲間、カピバラ。水辺が大好きで、冬は打たせ湯をしている姿を見られることがあるかもしれません。
金沢動物園のシンボルマークにもなっているオオツノヒツジ。オスの角は、左右合わせてなんと6kg以上にもなるんだとか。交尾期には、角突きでオス同士が力比べをします。
スバールバルライチョウ。日本に生息する「ニホンライチョウ」は絶滅の危機にあり、「国内希少野生動植物」に指定されています。ニホンライチョウの保全に向けて、環境省や国内の動物園が協力して、近縁種で比較的生息数の安定しているスバールバルライチョウで飼育・繁殖技術の確立と向上に努めています。
なぜ絶滅の危機にあるのかなどが丁寧に解説されています。
園内を巡りながら、川口さんは、「動物園の社会的役割」について、大きく以下の4つがあると説明してくれました。
1.安心して楽しんでもらえるレクリエーション
2.未知の動物の研究
3.保全・環境教育
4.絶滅しそうな動物を種として次世代へ残す
川口さんは、「人と動物が折り合いをつけながら、持続可能な社会として過ごしていくためにはどうしたらいいか、考える機会になる場でありたい」と言います。だからこそ、わかりやすい説明書きが細かく設置されているのですね。
見どころ5…ヤギやヒツジと触れ合える!「ほのぼの広場」
「アメリカ区」 から道なりに歩いてくると、「ほのぼの広場」に行き当たります。
ここでは、ヒツジやポニー、ヤギといった馴染みのある動物たちが待っています。
「アメリカ区」の近くには、「身近ないきもの館」があり、園内にいるいきものたちを展示しています。珍しいのは、ミヤマクワガタ。「ミヤマクワガタがいる森は、都会でもなかなかないんです」(川口さん)。
希少種となっているのは、大きな動物ばかりではありません。園では、山にいるホタルの保全にも取り組んでいるそうです。
カエルやヘビなどがずらり。
「アメリカ区」と「身近ないきもの館」を見終えたら、ぜひ通りたいのが「清戸橋」。
橋からの眺め。海とその手前に拓ける街並みが見渡せ、風に吹かれるのも気持ちいいひとときです。
また、清戸橋を渡った坂道の先には「しいの木展望台」があります。ここも見過ごしがちですが穴場スポットです。
小さな入口から中に入り、階段で上にのぼります。
ここで標高116m。上からの眺めは格別で、横浜が海も山もある街である贅沢さを存分に味わえます。
見どころ6…植物区(金沢自然公園)は遊具で思い切り遊べます!
植物区のマップ。動物園エリアよりも格段に広い!
動物園を出ると、人気のローラーすべり台がある「こども広場」につながる階段の案内があります。坂道を辿っても行けますが、ショートカットするならこちら。
名物のローラーすべり台(大、全長約100m)。残念ながら2021年9月時点では休止中ですが、中サイズのすべり台は利用できます。
植物区エリアには、その他バーベキュー広場、レストランなどの施設があります。公園内はウメやサクラ、ヤマユリなど季節の花が咲き、秋には紅葉も。「おもしろ自然林」では草花の他、昆虫や鳥類、は虫類、両生類など様々な生き物が観察できます。