1982(昭和57)年、金沢自然公園内に設立された金沢動物園は、2022年開園40周年を迎えます。12.8haの園内には約51種1058点点もの動物を飼育。平日はもちろん、休日ともなれば多くの家族連れやカップルで賑わうのんびりとした憩いの場としても人気の動物園です。

今回は、金沢動物園広報ご担当の川口芳矢さんに園の魅力をお伺いしながら、実際に園内を案内していただきました。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=提供:横浜市立金沢動物園、『あそびのノート』より引用)

金沢動物園とは?

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

戦後の昭和26年、野毛山遊園地(現・野毛山動物園)が開園、昭和57年にその分園として金沢自然公園内に設立されたのが金沢動物園です。その後、昭和63年に野毛山動物園から独立して横浜市立金沢動物園となりました。コアラ、インドゾウ、クロサイなどの希少草食動物を中心に展示しており、他の動物園では見られない種類の動物に会えるのが特徴です。

近年は周辺の豊かな森をテーマに、身近な生き物を通した環境教育に力をいれています。広大な敷地の金沢自然公園(入場無料)の中に敷設されていて、100mを超えるローラーすべり台などの遊具(2021年8月末時点、大きいローラーすべり台は休止中)やBBQ場も併設されています。

金沢動物園の回り方

所要時間はどれくらい?

園内は広いのですが、動物の数がものすごく多いというわけではないので、1時間半~2時間ほどあれば一通り見て回ることができます。

どんな格好で回るのがいい?

かなり歩くうえ、勾配がある箇所も多いため、履き慣れた靴がおすすめ。ヒールの高い靴は避けたほうが無難です。車椅子やベビーカーを利用する方も、十分ご注意ください。

なお、園内には随所にお手洗いや休憩所、自動販売機があります。「お手洗いに行きたいけど入り口まで戻らなくちゃ…」ということはないでしょう。休憩をとりながらゆっくり回ることができますが、落ち着いて食事ができる場所となると、園の外にあるレストランに行くことになります。屋外にテーブルと椅子が設置されたスペースもあるので、お弁当を持ってきてそこで食べるということも可能です。

金沢動物園の見どころを徹底解説

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

動物園に続く入場ゲート。左手にある券売所で入場券を購入します。荷物が多い人には、ロッカー(右手)も用意されています。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

コインロッカーは、小サイズから特大サイズまで(特大600円、大400円、中200円、小100円)。ただし数は少ないので、基本的には身軽な格好がオススメです。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

入場ゲートを通ると、まずは「なかよしトンネル」へ入ります。トンネルがあることで、金沢動物園が山のなかにあるということを実感させられます。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

トンネル内は、まるで遊園地に来たかのよう。思わず動物園に来たことを忘れてしまうほど、かわいらしい人形や動物たちがお出迎えしてくれます。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

なお、なかよしトンネル内に、園内MAPが置いてあります。園内には随所に案内の看板がありますが、手元にも一部持っておきたいところです。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=金沢動物園公式HPより、『あそびのノート』より引用)

園内MAP。ちょうど真ん中あたりが入り口。園内は生息地別に、大きく4つの区(「アフリカ区」「オセアニア区」「ユーラシア区」「アメリカ区」)に分かれています。

見どころ1…オカピや希少なヒガシクロサイに会える!「アフリカ区」

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

「なかよしトンネル」を通過すると、いよいよ動物園エリア。入ってすぐ右手にある区が「アフリカ区」です。ここには、モモイロペリカンやヒガシクロサイ、キリン、オカピといった、アフリカに生息する動物たちがいます。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

動物がいるそばには、必ずその動物の特徴や生態が詳しく解説されています。じっくり読みながら回ると、理解も深まります。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

警戒心が強いヒガシクロサイ。金沢動物園にはオスの「ロン」とメスの「ローラ」がいますが、野生のクロサイは単独行動をするため、園でも一頭ずつ交代で展示場に出ています。この時はロンがいましたが、ぐっすりお昼寝中ですね。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

キリンの「ダイチ」(オス)。若いオスです。

金沢動物園の大きな特徴は、柵や檻が少ないことです。川口さんによれば、なるべく動物たちとお客様を柵で隔てず、動物たちが自然のなかにいる様子を見てもらいたいという思いから、さまざまな工夫が凝らされているとのこと。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

そのため、例えばアフリカ区の一部には、動物と通路の間がお堀のようになっている部分も。写真から、動物と人との距離感がわかるでしょうか? 間には水が流れているんです。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

アラビアオリックスがいるのは、日本では金沢動物園と福岡市動物園の2園だけ。野生では一度絶滅した、希少な動物です。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

アメリカ・サンディエゴサファリパークで産まれたオカピの「キィァンガ」。なんと日本に初めてやって来たオカピで、今年の5月に25歳を迎え、国内にいたことがあるオカピの最高齢を更新しました。

「キィァンガ」がいるのは、キリンたちと同じ「アフリカ区」ですが、オカピのところには“堀”はありません。川口さん曰く、「アメリカで作成されたオカピの飼育基準に準じた」からだそう。「森の中にいる雰囲気を味わってほしいということから、草木の生え方などにも担当者のこだわりが詰まっています。ぜひ、そういった風景と一緒に、動物たちが生きているさまを楽しんでいただければ」と、川口さん。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

動物たちには、それぞれスタッフ手作りの愛情たっぷりの紹介看板があります。名前は何か、どこでいつ生まれて、どういう経緯で金沢動物園に来て、どういう性格なのか等々、その動物の生い立ちや個性がわかります。何気なくただ動物たちを見るよりもずっとずっと愛しく思えますし、世界の動物事情や生息地の課題なども勉強になりますよ。

見どころ2…大人気のコアラはここ!「オセアニア区」

「オセアニア区」で人気なのは、なんといってもコアラ。その他オオカンガルーの展示場をウォークスルーで間近に見られるほか、区内にある休憩所内からはアオバネワライカワセミを見ることができます。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

「アフリカ区」から坂を登ると、「オセアニア区」。ここにはユーカリの木が茂っており(写真中央付近)、コアラたちのごはんになることもあります。右に進むとコアラのいる施設、左に進むとオオカンガルーのウォークスルー展示場です。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

金沢動物園のコアラは4頭。オスの「チャーリー」とメスの「ぼたん」、メスの「ユイ」、そして2020年4月に生まれたばかりのメスの「たんぽぽ」です。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

ごはんを食べ終えると、早くもうとうと…。「食事時間以外は寝ていることも多いので、起きているところに出会えたらラッキーです」(川口さん)。実はコアラは、1日20時間近く眠るともいわれています。というのも、ごはんであるユーカリの消化に時間がかかるから。寝ているのは、体力を消耗しないようにする知恵なのですね。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

オオカンガルーがいるウォークスルー展示場への扉はこちら。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

扉を開くと、緑のなかに道が通っています。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

すぐそばには、オオカンガルーたちが日陰に集まっていました。柵も低く、オオカンガルーとの距離の近さには驚くばかり。ちなみに川口さんの話では、暑かったり晴天だったりするとオオカンガルーも日陰に行くので、曇りくらいの天気のほうがより近くまでやって来ることが多いのだとか。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

「オセアニア区」には無料休憩所があります。中にはパンやカップラーメン、ドリンクの自動販売機も設置されており、軽食をとることができます。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=f1a74b6f-2『あそびのノート』より引用

“休憩所”ではありますが、ここでも動物たちを感じられます。「たんぽぽ」が生まれるまでの軌跡が動画で紹介されていて、貴重な映像に目が釘付けになること間違いなし。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=4c438ea9-『あそびのノート』より引用)

休憩所の中からは、アオバネワライカワセミが見られます。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

これで、4つの区のうち2つの区をまわりました。入り口からみて、右側のエリアの2つを巡ったことになります。ここで来た道を少し戻り、「ユーラシア区」に向かいます。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

園内にはわかりやすく、丁寧な案内板があちこちにあるので、道に迷うことはありません。

ここでしか見られない希少動物の宝庫! 横浜「金沢動物園」を徹底解説
(画像=『あそびのノート』より引用)

距離の目安も書かれているのは、広い園内では地味にありがたいポイントです。