ポルトガルの第2の街「ポルト(Porto)」。ポルトワインの生産地としても名高い古都は、旧市街が世界遺産にも登録され、見所いっぱいの街です。今回は、ポルトの魅力を1日で満喫するモデルコースをご紹介します。
ポルトガルのポルト(Porto)とは?
ヨーロッパの西端・ポルトガルの首都リスボンから、北へ電車またはバスで約3時間強の所にあるのが古都ポルトです。ポルトガルの第2の都市で、聖グレゴリウス聖堂、大聖堂、ポルサ宮、聖フランシスコ聖堂などを含む旧市街地がユネスコの世界遺産に登録されています。
大航海時代に繁栄したポルトガルが垣間見える、趣ある建物群が特徴の旧市街。街歩きをしながら楽しめる、とっておきのカフェやレストラン、哀愁漂うファドが楽しめるスポットなど、今回は1日丸ごとポルトを楽しめるモデルルートをご紹介します。
【9:00】ポルトのサン・ベント駅(São Bento)に到着
リスボンから電車で来るとサン・ベント(São Bento)駅に到着します。この駅舎、電車を使わない観光客さえも立ち寄りたくなるほど、美しい壁面アートで有名な駅です。
白地にライトブルーの色で描かれた幾何学模様の「アズレージョ」は美しい装飾タイルで、駅舎の壁や外壁にも施されています。その緻密な模様で覆われた空間は圧巻!完成度の高い作品が飾られた博物館のようになっており、まずはじめにじっくりと見てみたいスポットです。
【10:00】ポルトで一番高い建物「クレリゴスの塔」から街の全景を眺める!
世界遺産に登録された旧市街の建物の中でも、ひときわ背の高い建物がクレリゴスの塔です。1750年にイタリア人芸術家ニッコロ・ナッソーニによって建てられた、バロック様式のクレリゴス教会に付属する塔で、街のシンボル的存在となっています。
塔は76メートルの高さで丘の上に位置していることもあり、塔に登ると、ドゥエロ川に沿って赤瓦の家々が連なる360度の大パノラマを見下ろすことができます。人がギリギリすれ違えるくらいの狭い螺旋状の石段225段を登るしか方法はありませんが、上からの眺めを考えると登り甲斐がある塔です。
【12:00】カフェでポルトガルスイーツを軽食にいただく
ポルトガルには、卵黄をたっぷりと使ったスイーツがたくさんあります。日本にもすっかりと根付いているカステラは、もともとポルトガルの「パン・デ・ロー」が原型とも言われています。このパン・デ・ローは、日本で数年前に流行した生カステラに非常によく似ており、甘いスポンジ部分の中心には、ねっとりとした卵黄クリーム入り。甘いけれども、病みつきになるスイーツです。
そんなカステラの原型のほか、ポルトガル独特の卵黄スイーツを食べられるところは、街のカフェなど至るところにあります。今回はクレリゴス教会にほど近い、地元っ子御用達のカフェMuralhas Olivalへ行ってみましょう。
ガラスケースの中に数十種類ものスイーツやパンが並べられており、カフェオレと一緒に軽食を楽しみたいですね。クレリゴスの塔に登って小腹が空いたあとは、尚更美味しく感じる、素朴なポルトガルスイーツです。
その他に、老舗のカフェに立ち寄りたい場合は、Majestic Café(マジェスティック・カフェ)がおすすすめ。1921年創業で、当時から文化人が集うカフェとして名高く、現在でもその趣や優美さを昔のままに残しつつ、営業しています。マジェスティック名物のフレンチトースト(ポルトワイン付きで11ユーロ/約1,400円)は、是非食べたい逸品です。
また、このカフェがあるBolhão(ボリャオン)地区は、ポルト随一のショッピングストリートサンタ・カタリーナ通りもあるので、ウィンドウショッピングも楽しいですよ。
【14:00】リベイラ広場(Praça Ribeira)
リベイラ広場はドゥエロ川の川岸にある広場で、ポルトでも歴史があり、かつ活気のある地区のひとつです。かつて中世には、ポルトの商業拠点として栄え、この広場の周りにパン屋、肉屋、魚屋といったお店が集中していました。現在でも古い建物を改装したバーやレストラン、選りすぐりのお土産や手工芸、アートを展示・販売するギャラリーが数多く集中しています。
対岸にかかるドン・ルイス・1世橋も間近で見ることができ、緩やかでボヘミアンな空気が流れている広場です。昼間には、大道芸人やミュージシャンたちが生パフォーマンスや生演奏を繰り広げ活気がありますが、夜になると夜景を楽しむスポットともなり、静かでゆったりとした時間を堪能することができます。リベイラ広場を中心に路地散歩などもして、小さなお土産ショップなどにも立ち寄ってみたいですね。