LED照明のための技術を炊飯器に利用
――結局、お米が踊らないようにするには、どんな技術を開発されたのですか? 河阪さん 「熱を高速で移動させる『ヒートパイプ』という技術を採用しました。 これは自社でLED照明の放熱のために使っていた技術で、これを利用して、釜自体の底面の作動液を温めると一瞬にして気体になり、釜全体に広がり温めることができる『瞬熱真空釜』を完成させました。 これで熱伝導速度が従来の約100倍にもなり、高速で釜全体を均一な温度にすることができるようになりました」 ――約100倍! そんなに早く均一に温まるなら、たしかに温度のムラがなく対流させずに炊くことができますね。 河阪さん 「そうですね。火加減や釜の温度の変化もかまどでの炊き方に忠実にプログラムを組んでいます。しかも温度ムラがないから焚きムラもなくなるので、釜の中のどの部分を食べても同じかまど炊きのご飯のおいしさを味わえるというのも、瞬熱真空釜の特長。もはや炊飯器ではなく『小さいかまど』だと思ってください(笑)。」
風通しの良い社風で、悩みを社内で解決
――すごい、自宅にかまどがあるって贅沢ですね! でもその画期的な技術が社内にあったというのは、意外な発見だったのではないですか? 河阪さん 「当社は幅広い物づくりをしているので、いろいろなノウハウが社内に転がっていて、わりと社内で解決することは多いんです(笑)。 だから値段もお客様がお求めやすい価格に抑えることができる理由の一つなのですが。社内の風通しがよく横の繋がりも深いので、迷ったときに他部署の人に相談してみると、何かアイデアが出てきます。そういう意味では物づくりをする人にとってはとてもいい環境かもしれませんね」 ――なるほど、御社の低価格帯はそういった秘密もあったのですね……! 瞬熱真空釜を採用した炊飯器を8月に発売したところではありますが、今後もまだまだかまど炊きのご飯へと近づける研究は続いているのでしょうか? 河阪さん 「はい、これからも極限までかまど炊きのご飯に近づけるというコンセプトは変えずに、とことん突き詰めるために、日々研究を続けています。まだ詳しくは言えないのですが、今新たな開発をスタートさせていますので、今後ご期待いただけたらと思います」
かまど炊きのご飯の再現への執念と研究者魂
3色のお米の実験からわかった、かまど炊きのご飯の再現に対する並々ならぬ執念と研究者魂。話を聞けば聞くほど、瞬熱真空釜の炊飯器にがぜん興味が湧いた筆者でした。 多くの日本人の食生活で、お米のおいしさは日々の幸せにもつながる大事な要素。おいしいご飯にこだわってみてもいいかもしれません。 <文/関由佳> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
関由佳
筆跡アナリストで心理カウンセラー、カラーセラピストの資格も持つ。芸能人の筆跡分析のコラムを執筆し、『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』(関西テレビ)などのテレビ出演も。夫との死別経験から、現在グリーフ専門士の資格を習得中。Twitter/ブログ
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