子どもは言うことを聞かないし、周りを見ずに勝手なことをするのが当たり前。時には大人がイライラしてしまうこともありますよね。「こんな言葉は絶対に言わないようにしよう」と常々思っていても、感情的になって「イライラ言葉」を発してしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。しかし叱ったところで、子どもは縮こまってしまったり、反発したりするだけで悪い影響ばかり。 『子どもを育てる 魔法の言い換え辞典』の著者で、自身も娘2人を東大に現役合格させた教育コーチングのプロ・江藤真規さんは「子育てとは自分育て」だと話します。
“イライラ言葉”のない子育てなんてない
「子どもを産んだばかりの頃の私は子育ての初心者。何もわからず、見よう見まねで子育てを始めた当時の私を支配していたのは、焦りと不安でした。そのはけ口が子どもへの『早く、早く!』というイライラ言葉になっていたことを思い出します。 親として少しは成長するものの、受験や勉強など、子どもを取り巻く世界にはイライラの原因が常にあり、『なんでこんなことができないの!』『つべこべ言わずやりなさい』『まだできないの』といったイライラ言葉を私はどれだけ使ってきたことでしょう。 私もそうであったように、子育てにはイライラする場面はつきものです。むしろ本気で取り組む子育てには、イライラ言葉のない子育てなんてないと言っても過言ではありません」(江藤さん) では、どうしたらいいのでしょうか。江藤さんが幼児教室などでも教えているのが、「イライラをなくそうとしなくていい」という逆転の発想から「子どもに話しかける語彙を増やす」というもの。
子どもに話しかける“ポジティブ言葉”の語彙を増やす
「イライラを抑え、常にニコニコしている親を演じても持続することは難しく、根本的な解決になりません。ならばイライラしてしまう自分を認めつつ、子どもに対する新しいアプローチ法を取り入れてみる、こんな発想が現実的な助けとなると考えます」(江藤さん) そこで必要なのが、今まで使っていたネガティブな口グセをポジティブな表現に置き換えた“ポジティブ言葉”。たとえば子どもがうるさいときには「静かにしなさい!」ではなく「ちょっと聞いてくれる?」、朝時間がないのにグズグズしているときは「早くやりなさい! 間に合わないよ!」ではなく「10かぞえるまでにできるかな?」。こんなふうに言い換えるだけで、子どもは変わるそう。 こうした魔法の言葉を、シチュエーション別に5つご紹介します。(以下、江藤真規『子どもを育てる 魔法の言い換え辞典』より抜粋)