一般的に、共働きで子どもがいない夫婦は、お金に余裕のある暮らしをしやすいでしょう。子どもができるまで、あるいは子どもが小さいあいだは人生の中でも特に貯金がはかどりやすい「貯め時」とも呼ばれています。ただ、余裕があると思っても油断は禁物です。
「共働きで子どもなし」DINKSは最も貯金しやすいはずが……
Aさん夫妻はいわゆるDINKS(Double Income No Kids)です。ともに50歳で夫は年収500万円、妻は年収400万円と世帯年収は決して低くなく、子どもにお金がかからないから貯金しやすい……はずでした。
貯金は2人合わせても100万円未満です。今までそれほど節約に一生懸命にならなくても十分暮らせていたこともあり、2人ともお金に無頓着で浪費しがちになってしまっていたのです。
さらに、子どもを作るつもりがなかったAさん夫妻は、子育てにあてるお金が必要ないぶん、家にお金をかけました。ペットと暮らすためにこだわりのリフォームをほどこした都心のマンションは、とても満足いく出来でしたが、重い住宅ローンの負担となりました。完済するのは67歳になる予定です。
そろそろ老後を意識する年齢になり、定年後の暮らしについて考えてみたところ、退職金と年金だけでは今の暮らしは維持できないことがわかりました。
維持できないどころか、いつかどちらかが介護が必要な状態になったり老人ホームに入ることになったりしたら、生活の質を落としても費用をまかなえないかもしれません。子どもに頼ることもできないので、自分たちで何とかする必要があります。
今お金に困っていなくても油断は禁物
共働きで子どもがいない夫婦は、家計に余裕が生まれやすいものの、それで油断してしまってあとから困ってしまうケースもあります。
ことあるごとにパーッと散財してしまったり、お互いの収入や支出をまったく把握していなかったりすると、もし転職、妊娠・出産、病気などがあったときに耐えられないかもしれません。
もちろん今の生活を楽しむことも大切です。ただ、ときには「お金の使い方や貯め方、このままで大丈夫かな」と立ち止まって、長期的な視点で考えて夫婦で話し合う機会を作るのがおすすめです。
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。
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