近年では日本のみならず、海外からも注目を集めている盆栽。実は非常に奥が深く、定番の「松」だけでなく実や花をつけるおしゃれでカラフルな盆栽もあるんです。今回は盆栽の種類や育て方、選び方などを初心者の方にも分かりやすくご紹介していきます。
盆栽とは?入門者は基本樹形を学ぼう!
皆さんは盆栽と聞くとどのような形をイメージしますか?小さなものから大きなもの、縦に伸びているものや横に広がっているものなどを思い浮かべる方が多いと思います。
代表的な基本樹形は真っ直ぐ伸びている「直幹(ちょくかん)」、斜めに傾いている「斜幹(しゃかん)」、幹が根元から複数に分かれている「双幹(そうかん)」や「三幹(さんかん)」など。ただ、あくまでこちらはあくまで一例です。盆栽は生きている植物なので、形や特徴はそれぞれ異なります。
さらに、パッと見て分かる形だけでなく、盆栽用の土も多彩なんです。性質に合わせて複数の土をブレンドして作ることもあるくらい、盆栽を育てる上で重要なポイントなんです。
高額な盆栽は何が特徴なの?
そこで気になってくるのが、盆栽の良し悪し。オークションなどで高値で買取されるものはどのような特徴があるのでしょうか?ポイントとして挙げられるのは「樹齢」と「正面からの美しさ」の2点。
まず「樹齢」に関してですが、もちろん丁寧に手入れをしなくては長持ちしませんし、剪定(せんてい)や水あげ、室内の温度管理などさまざまなことに注意を払わなくてはいけません。ちなみに、樹齢300歳という信じられないくらい歴史のある盆栽もあったのだとか!
盆栽の種類は松柏・葉物・実物・花物の4種類
それではもう少し盆栽の種類について解説していきます。先ほど盆栽の形に関して紹介しましたが、盆栽のメインとなる植物の種類は大きく4つに分類されています。それぞれ特徴がはっきりとしているので見分けやすいですよ!写真を見ながら部屋の中で育てる様子の想像を膨らませてみてくださいね。
盆栽の種類1. 松柏(しょうはく)
1つ目は盆栽の定番とも言える「松柏」。1年中松の葉を茂らせており、夏場以外の時期には肥料を与えたり、日常的に剪定や芽摘みをしたりするのが上手に育てるポイント。「松柏」の中でも特に代表的なのが「黒松(くろまつ)」で、太く丈夫な幹なので比較的育てやすい盆栽と言われています。
盆栽の種類2. 葉物(はもの)
2つ目は落葉樹を植えた「葉物」。「松柏」と異なり、四季に合わせて姿を変えるのが特徴です。代表的なのがケヤキで、秋になると美しいもみじを見ることができます。発色のよいもみじに育てるためには水切れを起こさないように注意しつつ、夏は強い日差しを避け、秋は日当たりの良い場所に置くことが必要です。盆栽を通じて部屋の中で四季を感じられるのは素敵ですよね!
盆栽の種類3. 実物(みもの)
3つ目は秋から冬にかけて実が成る「実物」です。春から夏にかけて丁寧にお世話をし、その成果が年末にかけて現れたときの感動は育てた方のみぞ知る感覚。赤や黄色など凛として可愛らしい実をつける盆栽もあり、特に女性人気の高い種類です。
また、先述の2種類(「松柏」や「葉物」)と比べて剪定が少なくて良いので、初めて盆栽を育てる方や盆栽が欲しいけど頻繁に手入れができない方にもおすすめ。「実物」の種類にはお正月によく見かける「藪柑子(やぶこうじ)」や、「姫林檎(ひめりんご)」、「酸実(ずみ)」などがあります。
盆栽の種類4. 花物
4つ目は「花物」。お花が欲しくなったら、植木鉢で買ったり切り花を生けたりするのが一般的かと思いますが、盆栽として育てられるんです!花物は枝が伸びやすい傾向があり、大胆に咲き誇る姿が特徴。その様子はまるで大きな大樹がミニチュアになっているかのよう。とても華やかなので、盆栽好きの方へのプレゼントとしても良いかもしれません。
基本的な保管方法は他の種類とと変わりませんが、肥料を多めにあげる必要がある点が花物ならではの特性。また、花が咲き終えた後と落葉後に剪定や芽摘みをし、来年の開花に向けて準備をする必要があります。初心者の方におすすめの花物は「桜」や「黄梅(おうばい)」などです。
初心者には雑木・葉物類(もみじ)がおすすめ
これら4種類の中で初心者におすすめなのが剪定などのお手入れがあまり必要なく、夏の高温多湿な環境にも強い「葉物」系!中でも「もみじ」は四季を楽しめるので人気の高い盆栽ですよ。
初心者でも簡単!本格的な盆栽の作り方(植え付け方)
それでは、初心者の方でも気軽にできる盆栽の作り方について紹介していきます。販売されている盆栽は既に鉢から植えられていますが、今回は植物を鉢に入れる本格的な方法を説明します。
盆栽の土台となる鉢の選び方
育てたい植物をお花屋さんなどで見つけたら、まずは鉢選びからスタートします。盆栽作りにまだ慣れていない初心者の方には、少し水を溜めておけるよう、浅くなく小さすぎないサイズがおすすめ。そして、鉢の下に置くお皿も用意し、水やりをした水を受け止められるようにしておきましょう。最近ではおしゃれな鉢やお皿がたくさんありますが、あくまで主役は盆栽。「松柏」でしたら1年中色を変えることがありませんが、実や花をつける「実物」や「花物」、四季ごとで彩が変わる「葉物」に関しては、色がついた状態を想像して選ぶのが良いでしょう。
盆栽作りに必要な8つの道具と4ステップ
盆栽の植え付けをする際に最低限必要なのはこちらの8つ!
【①盆栽の植物、②鉢、③鉢底ネット、④盆栽の土、⑤ごろ土、⑥ハサミ、⑦お箸、⑧ジョウロ】
それでは植え付けの5工程を解説していきます。
盆栽作り1.鉢の準備
穴の空いた鉢のままでは土がボロボロと出てきてしまうので、それを防ぐために格子状の【鉢底ネット】を穴にかぶせます。固定されているか不安な場合は、針金を通してずれないようにしておくと良いでしょう。その上に水捌けを良くする【ごろ石】を入れたら鉢の準備は完了です。
盆栽作り2.植物の余分な土をお箸で落とす
植物の枝が長かったり枯れた葉がついていたりする場合は【ハサミ】で事前に切っておき、植物をポットから取り出します。【お箸】を使って余分な土を払い落とすのですが、その際に絡まった根を”傷つけないように優しく”ほぐしましょう。
盆栽作り3.鉢に植物と盆栽の土を入れる
土を払った植物を鉢に入れ、【盆栽の土】を隅々まで入れていきます。お箸でつついて少しずつ入れていくのがポイントです。
盆栽作り4.水を入れて完成
最後に【ジョウロ】を使ってゆっくりと水を入れていき、最初は鉢の底から水が出てくるくらいたっぷり入れます。最初は土で濁った水が出てきますが、徐々に透き通った水が出てきます。そこまでたっぷり与えたら盆栽の植え付け作業は終了です!
おしゃれな盆栽を作るなら苔を添えよう
ステップ4まで終わったらそのまま育てられますが、表面に苔を貼ることで、写真で目にするような本格的な盆栽に仕上がります。少し大きめの苔を選び、ピンセットを使って埋め込むように貼るのがポイントです。
ちなみに、苔が茶色くなってきたら張り替えのサイン。放置しておくと盆栽自体にも影響を及ぼしてしまうので注意しましょう。
室内での育て方を解説
植え付けをして最初の1週間程度は、特に丁寧な管理が必要になります。室内でおすすめの場所は床から60cm〜1mくらい離れた棚の上!害虫防止と通気性を良くするという目的があります。植木鉢のような感覚でダイレクトに地面におくのは避けましょう。
室内で育てることはできるものの、気になるのが日照不足。日当たりの良い場所がどうしてもない…なんていう方には、盆栽を育てるために開発されたLED照明灯がおすすめです。これがあれば日の傾きに合わせて盆栽の配置場所を変える必要がなく、ずっと丁度良い光を与えてくれます。
盆栽を育てるには水やりが大切
日々のお手入れとして、春夏秋冬で異なる水やりのコツもぜひ知っておいてほしい情報です。それぞれの季節で目安となる水やりの頻度と、ポイントをまとめました。
【春】1日に1回:土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れるくらいの分量
【夏】1日に2〜3回:朝と夕方、必要に応じて昼間にも与えましょう
【秋】1日に1回〜2回:春の時期と同様に鉢の底から水が流れるくらいの分量
【冬】2日に1回:太陽が出ている昼間の時間帯がおすすめ
理想としては観察していく中で、適切なタイミングを見極められるようになることですが、盆栽ビギナーさんは季節ごとの違いを押さえておきましょう。
室内で育てられるおすすめのミニ盆栽キット
最後に種から育てるタイプの盆栽キットをご紹介!「3種類から選べる、種から育てる手のひらサイズの可愛い盆栽栽培キット」は、檜(ヒノキ)の枡で育てるタイプの盆栽。癒しを感じられるので、インテリアの1つとして自宅に飾っておくのもおすすめです。「松柏」タイプの黒松、「葉物」タイプのもみじ、「花物」タイプの桜から選べます。キットには桝、培養土、種、説明書が入っていて、初心者の方でも気軽に盆栽を楽しめますよ!
提供・あそびのノート
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