後味の悪いバッドエンドの映画を観た後は、気分が悪く、もやもやした気持ちになるでしょう。しかし、胸糞悪い終わり方だったのに、何故か癖になってしまう不思議な魅力もあります。今回は、おすすめの後味が悪いバッドエンドの映画20選をおすすめポイントとあらすじも併せて紹介していきます。気になった映画はチェックしてみましょう!
胸糞の悪くなりそうな映画の面白さ
バッドエンドの映画は、観終わった後に良い気分ではないでしょう。しかし、ハッピーエンドの映画よりリアリティがあります。人生で起こることは、全てが成功するわけはなく、むしろ失敗することが多いでしょう。
その為、バッドエンドの映画はリアリティがあり、また、期待を裏切られたことで心に残りやすいのです。そして、バッドエンドの後は、ハッピーエンドを期待するのは自然の心理なので、作品を見た後に自然とその後を考察し始めます。余韻も長く、様々な楽しみ方ができるのが後味の悪い映画の魅力と言えるでしょう。
後味の悪いバッドエンド映画20選
早速、後味の悪いバッドエンド映画を紹介します。期待はずれなく、胸糞悪い気分になれる映画を厳選しました。また、胸糞が悪くなるだけでなく、考えさせられる内容の映画も多くあるので、ぜひ気になった作品は観てみましょう!
後味の悪い映画①ミスト
『ミスト』は、「IT」や「ショーシャンクの空に」で有名なスティーヴン・キングの中編小説「霧」を原作とした、2008年に公開されたSFホラー映画です。「グリーンマイル」を手掛けている、フランク・ダラボンが監督・脚本を務めています。
ミストのあらすじ
主人公のデヴィッド・ドレイトンは妻・ステファニーと8歳の息子・ビリーと3人で、アメリカの都市郊外に住んでいます。
ある夜、デヴィッドたちの住む地域が大嵐に襲われて、翌朝になると濃い霧が発生し、街を覆いつくしていきます。そして、その霧の中には謎の生物がおり、人々は精神的にも肉体的にも追い詰められていくのです。
ミストのおすすめポイント
『ミスト』のおすすめポイントは、極限の状況における人間関係でしょう。普段温厚そうな人でも命の危険がある極限の状態では、本当の素の姿をむき出しにします。
また、殺害シーンにおける生々しい描写に特徴のあるスプラッターホラーが苦手な方でも、直接的な表現が少ないので観やすいのではないでしょうか。
後味の悪い映画②セブン
『セブン』は1996年に公開された猟奇殺人を描いたアメリカ映画です。「ファイト・クラブ」などの代表作を持つデヴィッド・フィンチャー監督と、主演のブラッド・ピットが織りなす戦慄のサスペンススリラーが楽しめます。独特のビジュアルセンスとダークな物語が話題になりました。
セブンのあらすじ
退職を控えたベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と、若手刑事ミルズ(ブラッド・ピット)は猟奇連続殺人事件の捜査を担当することになります。その事件現場には、食べ物を大量摂取した挙句に腹部を殴られ、内臓を破裂させて死んだ男がいました。
その後も次々と残虐な死体が見つかる中、犯人はキリスト教における7つの大罪に基づいて殺人を繰り返していることが明らかにになります。二人は捜査を続けていき、犯人を特定までたどり着きますが、逃げられ、さらにミルズの素性が知られていたことも発覚するのです。
セブンのおすすめポイント
『セブン』はバッドエンドではトップクラスとして有名作品です。セブンのおすすめポイントは、警察よりも犯人の方が上手で、犯人がただの猟奇殺人者ではないことにあります。観た人全員がやるせない思いになること間違いなしの衝撃のラストが気になる方はぜひセブンを観てみましょう!
後味の悪い映画③ファニー・ゲーム
『ファニー・ゲーム』は日本で2001年に公開されたオーストラリア映画です。ミヒャエル・ハネケ監督が手掛けたサスペンスホラーで、バイオレンス要素がある作品となっています。
ファニー・ゲームのあらすじ
休暇を過ごすために別荘を訪れたゲオルク、アンナ夫婦と一人息子は、親戚だと名乗る白い手袋をつけた2人の青年に遭遇します。二人の青年は最初こそ丁寧な物言いで高印象でしたが、次第に態度が悪くなり、我慢できなくなったゲオルクは、少年の1人を殴ってしまいます。
すると、青年たちの態度は一変し、ゲオルクに暴行を始め、一家全員を監禁し、12時までにどちらが生き残っているか賭けをしようと言い出しました。
ファニー・ゲームのおすすめポイント
『ファニー・ゲーム』のおすすめポイントは、視聴側に向かってアクションを起こす演出と言えるでしょう。観ている人も映画の中にいるような気持ち悪さを感じ、不快感と恐怖でいっぱいになります。バイオレンス作品が好きな方におすすめです。
後味の悪い映画④ミリオン・ダラー・ベイビー
『ミリオン・ダラー・ベイビー』は2005年に公開された映画で、「グラン・トリノ」や「ミスティック・リバー」を手掛けたクリント・イーストウッドが監督兼主演を務めるヒューマンストーリーです。
ミリオン・ダラー・ベイビーのあらすじ
老トレーナーのフランキーは、友人のスクラップと小さなボクシング・ジムを営んでいます。ある日、マギー・フィッツジェラルドという31歳の女性が、「私のトレーナーになって」と尋ねてきました。しかしフランキーは女性ボクサーを育てる気はありませんでした。
それでも諦めずジムに通うマギーの素質と根性を見抜き、フランキーはついにトレーナーを引き受けるのです。
ミリオン・ダラー・ベイビーのおすすめポイント
『ミリオン・ダラー・ベイビー』は、ただのヒューマンストーリーと思って観てしまうと、後悔することになる作品でしょう。最初に言ったように気持ちの良い終わり方ではないからです。
栄光を勝ち取って終わる一般的なサクセスストーリーではなく、どのスポーツ選手も陥いる可能性のある最悪な状態が描かれています。マギーとフランキーの絆は、熱く、切ない結末を迎えてしまうのです。
後味の悪い映画⑤ダンサー・イン・ザ・ダーク
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は2000年に公開された、アイスランドの人気女性歌手ビョーク主演の人間ドラマを描いた映画です。ヨーロッパ映画賞 作品賞や、カンヌ国際映画祭パルム・ドール、ブルーリボン賞 外国作品賞、アカデミー賞 歌曲賞と高く評価された作品となっています。
ダンサー・イン・ザ・ダークのあらすじ
舞台は60年代のアメリカです。主人公のセルマは女手ひとつで息子のジーンを育てながら工場で働いています。周りにも恵まれ、満ち足りた生活を送っていますが一つだけ重い問題がありました。
セルマは、遺伝性の病のため視力が失われつつあり、ジーンも手術を受けない限り同じ運命を辿ってしまうのです。視力を失うまでの間に、ジーンの施術費用を貯めるため内職など仕事を掛け持ちして懸命に働くセルマですが、視力の低下と共に悲惨な運命が待っているのです。
ダンサー・イン・ザ・ダークのおすすめポイント
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は残酷な物語とは対照的に、ミュージカル調の物語で、セルマは歌って踊ることが大好きです。最初は、夢見がちな女性に思えるセルマですが、その空想の中の華やかなミュージカルシーンは、残酷すぎる運命を背負ったセルマの現実逃避なのです。
現実逃避だと気づいたとき、何とも言えない気持ちになってしまい、そこに気づいてから、もう一度見ると可哀そうすぎて観ていられなくなってしまいます。
後味の悪い映画⑥パンズ・ラビリンス
『パンズ・ラビリンス』は、日本で2007年に公開された映画です。ギレルモ・デル・トロ監督が「デビルズ・バックボーン」に続いて、再びスペイン内戦を背景に描く哀切のダーク・ファンタジー作品となっています。
パンズ・ラビリンスのあらすじ
1944年スペイン内戦で父親を亡くし、独裁主義の大尉と再婚した母と暮らすことになった主人公のオフェリアは、恐ろしい義父から逃れたいと願っていました。ある日、オフェリアは不安で恐怖に満ちた不思議な世界に迷い込んでしまいます。
不思議な世界をうろついていると、迷宮の守護神パンに出会い、「地底の国のプリンセスだ、確かめるために3つの試練を果たさなければならない」とオフェリアに告げるのです。
パンズ・ラビリンスのおすすめポイント
『パンズ・ラビリンス』のおすすめポイントは、ただのファンタジーではなく、ダークホラーなところです。両の掌に眼球を入れ込んだ異形の怪物など登場する生き物は全部気味が悪く、オフェリアに立ちはばかる試練も過酷な物ばかりなので、この作品を観た後は良い夢が見られないでしょう。
後味の悪い映画⑦その男、凶暴につき
『その男、凶暴につき』は、1989年公開の日本映画です。北野武の映画初監督作品であり、暴力的な刑事がヤクザ相手に引き起こす悲劇の顛末を描いたストーリーとなっています。
その男、凶暴につきのあらすじ
刑事である主人公の我妻諒介(ビートたけし)は、暴力には暴力で返すのがポリシーで、仲間たちとはうまくいかず一匹狼を貫いていました。ある日、麻薬密売人の柄本が惨殺死体で発見される事件が起こります。我妻は柄本の常連客を捕まえては、暴力を加えることによって捜査していきました。
相棒の新米刑事の菊池は、我妻の乱暴な所業を制止しようとしますが、止めることができず、自体は悪い方向に進んで行ってしまうのです。
その男、凶暴につきのおすすめポイント
『その男、凶暴につき』は、人間らしさと、その裏側にある黒い部分がうまく描かれており、一匹狼で暴力的な我妻も、知的障害を持つ妹には優しい一面を見せるなど、人間らしさが表現されています。
その為、作品の中に自然と入っていけるので、最後のラストでは後味の悪いもやもやした気持ちになるでしょう。
後味の悪い映画⑧ザ・バニシング・消失
『ザ・バニシング・消失』は、「マイセン幻影」のジョルジュ・シュルイツァー監督が1988年に手がけたオランダ・フランス合作のサイコ・サスペンスです。世界的に大きな評判を呼んだ映画ですが、日本では長らく劇場未公開で、2019年4月に本邦初の劇場公開が実現しました。
ザ・バニシング・消失のあらすじ
レックスは恋人と、オランダからフランスへと車で小旅行に出掛けている最中に、恋人のサスキアが突然謎の失踪をしてしまいます。残されたレックスは彼女を捜しますが、その後何年も見つからず、執念の虜になり次第に精神を追い詰められていきます。
ある日、自分の異常性と正常性を立証したいという欲求から、ある「実験」に手を染める奇妙な男と出会い、サスキア失踪の真実に迫ろうとするレックスですが、待っていたのは絶望と恐怖でした。
ザ・バニシング・消失のおすすめポイント
『ザ・バニシング・消失』のおすすめポイントは、好奇心のために「実験」と称して、犯罪を犯すレイモンが、自分なりの犯罪論を語るシーンです。
犯罪になるかは、一線を越えるか超えないかで、誰でも犯罪者になる可能性があると言うレイモンの持論は理解できる部分もありゾッとするでしょう。
後味の悪い映画⑨縞模様のパジャマの少年
『縞模様のパジャマの少年』は、日本で2009年に公開された、第2次世界大戦下のドイツ・ベルリンを舞台にした映画です。監督は「ブラス!」や「リトル・ヴォイス」でお馴染みのマーク・ハーマンが手掛けており、世界的ベストセラーとなった同名小説を映画化しました。
縞模様のパジャマの少年のあらすじ
物語は第2次世界大戦の真っ只中です。主人公のブルーノは、ベルリンで何不自由なく暮らす裕福なお坊ちゃんで、国の歴史や戦争とは無縁で無関心です。
ある日父の昇進がきっかかけでベルリンから田舎に引っ越すことになり、引っ越し先の家の近くに農場らしき広い土地があることに気づきました。農地の中を歩く人々は何故か全員縞模様のパジャマを着ており不思議に思いますが、友達を作りたいブルーノは農地に近づきます。
すると、金網の向こうには縞模様のパジャマを着た8歳の少年が座っており、同じ年齢ということもあり、親しくなっていくのです。
縞模様のパジャマの少年のおすすめポイント
縞模様のパジャマを着た8歳の少年は、歴史や戦争について無縁ゆえに無関心である若者や、現代の大人たちに観てもらいたい作品です。
ユダヤ人差別や戦争など、多くの問題定義されており、眼を背けたくなる内容ではありますが、大人の都合に、知らないうちに巻き込まれている子供たちの結末を目の当たりにすることで、戦争や差別をなくしていかなくてはならないと考えさせられる内容となっています。
後味の悪い映画⑩猿の惑星
『猿の惑星』は、1968年に公開された、人間と知的な猿が支配権をめぐって衝突する世界を描いた映画です。全9作ある人気シリーズの原点である第1作目で、精巧な猿の特殊メイクは高い評価を受け、アカデミー特別賞を受賞するなど歴史的な作品になりました。
猿の惑星のあらすじ
アメリカ人宇宙飛行士のテイラーは宇宙船のトラブルで未知の惑星にたどり着きます。その惑星では、猿が言葉を話し、人間を奴隷として支配する奇妙な世界でした。
出会ったチンパンジーのコーネリアスとジーラの手を借り、謎の猿の惑星から脱出を試みるテイラーですが、絶望的な真実を知ることになります。
猿の惑星のおすすめポイント
『猿の惑星』は今から50年以上前の作品ですが、どんでん返し映画の先駆け的存在となった作品です。有名な作品なので、結末を知っている方も多いでしょうが、観たことのない方はぜひ観てみましょう!ラストは、一度見たら決して忘れられない印象的な内容となっています。