2021年11月10日、「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」(以下、三代目JSB)がデビューから11周年を迎え、ベストアルバム&ニューアルバム『BEST BROTHERS / THIS IS JSB』がリリースされた。  三代目JSBは、LDHのレジェンド・HIROからメンバー選びを託されたEXILE NAOTOと小林直己を筆頭に、パフォーマーのELLY、山下健二郎、岩田剛典に、ツインヴォーカルの今市隆二と登坂広臣で結成されたダンス&ヴォーカルグループだ。  今回は「LDH」と「イケメン」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、これまでの輝かしいその足跡を前・中・後編で振り返る。中編では、三代目JSBの“集大成”となるオールタイムベストアルバム発売から、メンバー7人がソロ活動を経る過程で再確認された“絆”の物語を紐解く。 【前編を読む】⇒「三代目 J SOUL BROTHERS」が今日で11周年!鮮烈デビュー、ランニングマン…奇跡の物語を振り返る

『THE JSB WORLD』リリースのタイミング

「三代目 J SOUL BROTHERS」の11年間を支えた、今市隆二&登坂広臣の“共鳴関係”
(画像=『女子SPA!』より引用)

「HAPPY」(rhythm zone)※「レコチョク」プレスリリースより

 今市が初めてシングル表題曲の作詞を小竹正人とともに担当した21stシングル『HAPPY』(2017年3月8日リリース)のMVでは、ほとんど完璧なプロポーションで画面に収まるメンバー7人(特に“臣岩コンビ“の誘惑的で超絶クールな髪型と表情!)の姿に空いた口が塞がらなかった。  それに連なり3月29日のオールタイムベストアルバム『THE JSB WORLD』リリースもベストなタイミングだったように思う。 『THE JSB WORLD』は、三代目JSBの集大成として数々のヒットナンバーが網羅されているばかりか、彼らがこれからさらに飛躍していくための大きな未来図を描くターニングポイントにもなっている。  このオールタイムベストアルバム発売前後では、メンバー7人それぞれの個性を活かしたソロでの活躍を展開。それぞれがスポットライトを浴び、スタンドマイクの前に立つ5thアルバム『PLANET SEVEN』のリード曲「Eeny, meeny, miny, moe!」ですでに片鱗を覗かせていたように、実に個性溢れるこの7人は、各々の持ち味を活かしてマルチな才能を発揮することで、三代目JSB全体のアーティスト性や表現性に磨きをかけていくのだ。

パフォーマーたちの多彩なソロ活動

 まずリーダーのNAOTOは、ファッションデザイナーの顔を持ちあわせ、2015年にすでにアパレルブランド「STUDIO SEVEN」を設立。『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)レギュラーなど、テレビでも芸人たちを凌ぐ程のコメント力を見せる。  映画『マンゴーと赤い車椅子』(2015)では初めて歌唱も披露し、さらに三代目JSBが本人役で登場するテレビ東京系の初主演ドラマ『ナイトヒーローNAOTO』(2016)のコンセプトにも驚かされた。  兼ねてからハリウッド進出に興味のあった小林は、モントリオール世界映画祭など各国映画祭で賞を受賞した映画『たたら侍』(2017)での侍役が世界的に高い評価を得る。純日本的な出で立ちながら、小林の演技力はまさにハリウッドスケール。巨匠リドリー・スコット監督が製作総指揮を務めたNetflixオリジナル作品『アースクエイクバード』(2019)ではオーディションでの大抜擢だった。  山下は関西人らしい明るいキャラクターを活かして2015年から『三代目 J SOUL BROTHERS 山下健二郎のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で冠ラジオ番組をスタート。2018年の『ZIP!』(日本テレビ)火曜のパーソナリティへの抜擢では、朝の顔として元気を届ける姿に思わず眠気も吹っ飛んだものだ。  そして岩田は、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(2016)で映画初主演を果たし、爽やかな岩ちゃんスマイルで「第40回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。新境地を見せた『去年の冬、きみと別れ』(2018)やフランスの大女優ジュリエット・ビノシュと共演した『Vision』(2018)など、俳優としての才能を着実に開花させていった。