商工会とは?まるわかり解説

(写真=PIXTA)

先に述べた「マル経融資」に限らず、融資を受ける際には“商工会や商工会議所を通して”という要件がよく見られます。そもそも「商工会」の名前を聞いたことはあるけれど実態までは理解していないという人も多いでしょう。ここからは、そんな「商工会」および「商工会議所」について解説します。

商工会と商工会議所

商工会と商工会議所は、事業内容や目的では同様の活動をしていますが、管轄官庁や法律、組織運営としては全く別の団体です。「商工会」は各都道府県の“町村”区域に設置されその地域の中小企業、特に小規模企業への経営改善を行うことを主な役割としています。

一方、「商工会議所」は各都道府県の“市”の区域に設置され、中小企業への支援だけでなく地域の総合経済団体として多様な活動展開をしていることが特徴です。

何をするところ?

設置地区の中小企業に対する経営指導と言っても内容は多岐に渡っています。経営相談や帳簿のつけ方、社会保障についての指導、損害賠償保険の取り扱いなど企業の経営に関することや、創業塾の開催や人材支援、若者・女性の活躍推進など人材育成に関すること、さらに簿記やそろばん、日商PCなどの検定試験対策として専門知識の習得も支援しています。

会員にならないとサービスは受けられない?

実際に商工会や商工会議所で経営相談を受けるには会員になる必要があります。無料の相談会など、会員以外でも利用できるものもありますが、融資などを視野に入れているのであれば会員になって継続的な経営相談や支援を受けるのが望ましいと言えるでしょう。

商工会に加入するメリット・デメリット

商工会や商工会議所に加入するにはいくつかの要件や会費などの費用がかかります。会費を払ってまで会員になるメリットがあるのかをみていきましょう。

会員になるメリットは?

・経営サポート
経営だけではなく労務管理、人材採用、確定申告など事業に関わることを個別に相談できます。

・融資制度の案内
公的融資制度の相談や推薦、斡旋などが受けられます。

・ネットワーク構築
人脈や販路開拓、地域での自社PRなど基盤とする地域でのネットワークが広がります。

・イベント・セミナー
時事情報をタイムリーに受け取れます。

その他にも共済制度への加入や専門家からのアドバイスを受けられるなど、多くのメリットがあるようです。

会員になるデメリットは?

何よりのデメリットはメリットを使いこなせないことです。加入しただけで自分から情報を得ようとする意識がなければ、会費を払うだけになってしまいます。

また、各イベントへの参加や役割を与えられることを負担と感じる場合は、それがデメリットとなるでしょう。

経営者は孤独だと言われますが、悩みを身近で気軽に相談できる場所として商工会や商工会議所の存在を知っていることは大きな強みになります。まずは最寄りの商工会や商工会議所に足を運んで、どのように活用できるのかを自分の目で確かめてみると良いでしょう。

高村浩子(ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定AFP))/DAILY ANDS

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