次々と報道される有名人の結婚離婚。その背景にある心理や世相とは? 夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)

佐々木蔵之介の結婚コメントに違和感の声

佐々木蔵之介の結婚コメントにモヤッ…妻に「完敗」とわざわざ宣言する謎
(画像=『女子SPA!』より引用)

俳優の佐々木蔵之介さん(53歳)が、10月30日、一般女性と結婚したことを発表した。かっこいい大人としてレアな独身俳優だっただけに「蔵之介ロス」が広がる一方、結婚発表コメントに違和感が生じたという女性も少なからずいる。

佐々木さんはコメントの中でユーモアを交えながら、「周りのほとんどの先輩が、尻に敷かれるくらいが丁度いい、みたいに言っています。なので、はなから負け、そもそも勝つ気もない、早々に、『完敗宣言』をいたします」と綴っている。そういうコメントにかみつく必要はまったくないのだが、「これって逆に女性を下に見ている気がする」という声もあがった。

なぜ勝ち負けを言いたがるんだろう?

ここからは一般論である。結婚観や家庭観を聞かれたとき、「男だってみんな女性から生まれている。だから女性にはかなわない」という言う男性がいる。

だが母子、夫妻とでは関係性が違う。自分が女性を尊重するタイプの人間だと言いたいのだろうが、女性にとっては違和感しかない。妻としては「母としてあなたとつきあっているわけではない」と言いたくもなるだろう。

妻が夫に望むのは「同じ目線」である。下から崇(あが)められたいわけでも、上から見下ろされたいわけでもない。

女性にはかなわないというのは 「はなから同じ土俵には上がりません」 「闘いは放棄します」 というのと同様であり、「一緒に歩む」姿勢がないと受け取られてしまうのだ。