音楽・歌・演技を一度に楽しめる総合芸術、ミュージカル。中でも韓国ミュージカルは、新しい韓国エンターテイメントとして最近日本で注目を浴びてきています。そんな中、韓国オリジナルミュージカルの本場・大学路(テハンノ)で大ヒットロングラン公演中の作品「パルレ」に、日本人で初めて主演したのが野島直人さんです。韓国ミュージカル俳優とのジョイントコンサートなど韓国とは縁がある野島さんに、韓国語での現地公演に参加した経緯やエピソード、韓国ミュージカル事情について、大学路のカフェで伺いました。
名前 野島直人
勤務先 ミュージカル俳優
年齢 満33歳(1981年生)
出身地 埼玉県
在韓歴 1ヶ月半
経歴 2000年に「劇団四季」のオーディションで歌唱クラシック部門に合格し、2001年に劇団四季研究所入所、2002年卒業。「赤毛のアン」「ザ・ビューティフル・ゲーム」「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」「オペラ・ド・マランドロ」を経験し、2012年に韓国翻訳ミュージカル「パルレ」に主人公ソロンゴ役で出演。同年韓国現地の2,000回特別記念オリジナル公演に参加、2014年に正規キャストとして同役で3回限定スペシャル出演。
韓国オリジナルミュージカル公演「パルレ」出演!
日韓での主演はチャレンジのはじまり
2,000回公演時の様子
2012年に韓国ミュージカル「パルレ」の日本語翻訳版に参加させていただきました。僕にとってとても大きな魅力のある作品です。ひとつは、一所懸命生きている「普通の人」を題材にしたという意味で日本のミュージカルには見られない作品性があります。
登場人物は、みんな何かを抱えながら生きているんですよね。演者が演者ではなく「その人」として生きることが大事になる点がとても魅力的です。もうひとつは、やはり曲や音楽が素敵だということです。
どの曲もいいですが、ソロンゴがナヨンへの想いをつづる「チャム イェッポヨ(とてもキレイです)」と「アンニョン」、合唱曲の「ピ オヌン ナリミョン(雨が降る日には)」は作品の要とも言える部分なので、全身全霊で歌っています。
実は、2012年に韓国現地で行なわれる「パルレ」2,000回記念公演特別出演のお話をいただいた時は、半分冗談かと思って(笑)。しかし、やるからには完璧にという思いで、韓国語で演じることに積極的にアプローチしました。そのため、韓国語の勉強を始めたのは2,000回公演出演が決まってからでした。当時は公演の1ヶ月前から日本で韓国語の猛特訓をして、とかなり急ピッチでしたね(笑)。
あと歌で覚えるのも良くて、仲の良い韓国の俳優さんたちに韓国語で録音した歌詞を聴いてもらって直したり、実際に演じたことがある相手には歌い方のポイントも聞いたりしていました。今回は3回だけとはいえ正規キャストとして出させてもらったのですが、この2年間に作品への愛着と意識がより高まったので、取り組み方もまったく違いました。
「パルレ」をきっかけに韓国ミュージカル俳優の方々と知り合う機会がとても増えたのですが、有名俳優のチョ・スンウさんやヤン・ジュンモさん、パク・ウンテさん、マイケル・リーさんらが「パルレ」に一目置いていることを知って、韓国ミュージカル界で本当に愛されている作品だということが分かったからです。その作品に主演できることを光栄だと思ったことが大きかったですね。