広島で幻の名店と呼ばれたイタリアンレストラン「AIUTO(アユート)」。その名店が今は石川県・奥能登輪島にあります。食通が遠方からも訪れる、お店の魅力に迫ります。絶品イタリアンを食すため、輪島のお宿は素泊まりで決定!
AIUTO(アユート)がある場所は?
石川県・能登半島の北部、奥能登とも呼ばれる地に、輪島市があります。輪島塗や朝市は、全国的にも有名ですね。そんな輪島の大通り沿いに建つのが「AIUTO / アユート」。輪島の朝市にも近い、馬場崎通りに面しています。
外観はシンプルな町家風の佇まいで、一見するとイタリアンレストランには見えません。店内は、赤と白を基調にしたインテリアで、オープンキッチンが解放的な雰囲気です。
幻の名店AIUTOとは?
広島市で「もっとも予約の取れない店」、そんな伝説を作ったAIUTOは、半年先の予約が、1日で埋まるほどの超人気店でした。しかし、オーナーシェフの村井さんが、開店当初に思い描いていたのは、月に2回ほど、気軽に足を運んでもらえるようなお店。予約が一杯になることを感謝しつつも、理想とのギャップに戸惑いを感じていたころ、奥様の里帰りで訪れた能登に、強く惹かれます。能登の、豊かで新鮮な食材も大きな魅力でした。
村井シェフは、イタリアでの修行中、どんな田舎町にも名店があったことを思い出します。「能登の食材を生かし、それらのお店のように、輝きを放てるのではないか」そう考え、2012年12月、輪島にAIUTOがオープンしたのです。2020年現在は、ディナーのみの提供で、18時からオープン。22時までは予約客のディナータイムですが、21時からは予約なしでも入店可能で、アラカルトメニューのオーダーとなります。
輪島の山海の恵みが並ぶディナー
決して地の利が良いとは言えない奥能登に、遠方から車を飛ばして、または飛行機で訪れるAIUTOのファンは数知れず。輪島の朝市や産直市場などを周り、食材を自分の眼で選び、自分で作ることにこだわる村井シェフの料理は、それらの人々の期待を決して裏切らないのだと、料理を一口含んだだけで、納得してしまいます。
素材を生かした絶妙な食感と味付けは、かみしめるごとに幸せをもたらしてくれます。今回写真に載せているパスタコースは、前菜2種、パスタ2種、デザート盛り合わせとコーヒーで¥3,950。このパスタコースにメイン2種が追加されるのが、アユートコース¥4,950。どちらにも、自家製パンが付きます。
能登の食材が輪島塗の食器に、美しく盛り付けられた様は、一つ一つが村井シェフの作品で、輪島への愛を感じるもの。そして、お料理だけでなく、村井シェフはじめスタッフの方々の、爽やかな笑顔と、サービスも、ここで過ごす時間の満足感を倍増させてくれます。
前菜からデザートに最後のコーヒーまで、最高の料理を提供しながら、気取った空気感はまったくなく、各席から、料理やお酒を楽しむ声が心地よく響く店内。この空間は、村井シェフが思い描いていた、イタリアの田舎町のレストランが、形になっているのでしょう。ここで食事をするために、輪島の宿は素泊まりにする!また来よう!そう心に誓わせるイタリアンレストランです。