OECDが2021年の男女賃金格差ランキングを公表しました。全加盟国中日本はワースト3位という不名誉な結果です。

結果は男女の年収格差に直結しています。国もその点を重く見ているものの、今もなお男女の年収格差は埋まっていません。理由について探ってみました。

日本の男女年収の格差は世界ワースト3位

加盟38ヵ国中男女間の賃金格差が大きいワースト3国は以下の通りです(OECD最新調査2020年)。

順位 男女間賃金格差(%) 加盟国平均との差(%)
1位 韓国 31.5 19
2位 イスラエル 22.7 10.2
3位 日本 22.5 10
※加盟国平均は12.5%

日本は韓国・イスラエルに続く3位ですが、G7ではダントツ1位となっています。

一方、2021年3月に公表されたジェンダーギャップ指数では、日本は160ヵ国中120位です。この指数では男女間賃金格差ワースト2国よりも低い順位であるため、今後男女賃金格差で世界ワーストになる可能性も高いでしょう。

日本の男女年収格差が埋まらない理由

日本の男女の年収格差が埋まらない理由はなんでしょうか。

一つの理由として、女性の非正規労働者の比率が高いことが挙げられます。

日本では一度仕事を辞めた女性が再び正社員になるのは非常に難しく、多くの女性は非正規労働者になります。そうしたこともあり、日本の女性労働者のうち7割は非正規労働者です。

加えて、非正規雇用と正規雇用の賃金格差が大きいことも男女の年収格差を広げています。

根本的な要因として考えられるのが、終身雇用制度や長時間労働、性的役割分担意識です。それらは日本の女性が働き続ける上で大きな障害となっており、女性の男女間年収格差が埋まらない最大の原因となっていることは間違いないでしょう。