2021年4月7日(水) “読者と編集者が一緒に作る”女性WEBメディアPRIMEの初回イベント「女性と家事育児」座談会が開催され、それぞれ異なるバックグラウンドや思考を持つ女性たちが『完璧なママ』になろうと頑張り、挫折し、それを乗り越えて前向きになるまでを語りました。

座談会の後編では、他人を「あのお母さんは…」と勝手に判断してしまうことの背景や、すでにお子さんが成人した方の話も交えてまとめへ。参加者全員がさらに前を向き『完璧なママ』と向き合った座談会レポート後編をどうぞご覧ください。

若い時期に考えて悩むことは無駄じゃない。「自分らしい母親」は、その先に待っている

働く女性と家事育児 座談会レポ~後編~「この世界には色々な母親の形がある」
(画像=PRIMEより引用)

ーーとみさんは、どんな風にご自身の経験をポジティブに変えていかれたのでしょうか?

とみ:私が言えるヒントは、時の流れはすごい、ということ。結婚して15年、私も義母の立場に近づくように年を取ったんですね。義母は老後どのように生きたいのか、私のことをどう思っているのか、息子に対してどんな愛情があるのか。それらが少しずつわかってきました。

あと、自分が年を取って強くなってきましたね。それと同時に、義母も年を取った。徐々に義母が小さくなってきている気がします。それらの相乗効果で、ミイさんのように少ししこりはあるけれど、気にしない体を取れる自分がいます。時の経過ってすごいんだなぁっていうのを、40代にして実感しています。

仕事については一から始められるチャンスなんだ、と切り替えました。当時は親身になってアドバイスしてくれる人もおらず、この結論に至るまでにはものすごく時間がかかりました。でも、時の流れが気づかせてくれました。

働く女性と家事育児 座談会レポ~後編~「この世界には色々な母親の形がある」
(画像=PRIMEより引用)

もしこの座談会を聞いてくれている若い方がいるとしたら、「ただ待っていればいいとか、時が流れればいいっていうなら何もできないの?」と思うかもしれませんが、そういうことじゃないと私は思っていて。色んな人を見て、色んな選択があって今の自分があると思うので、そこから本物の自分になっていく気がしています。なので、若い時期に考えて悩むことは無駄じゃない。「自分らしい母親」は、その先に待っていると思うので。がんばって、悩んで、その繰り返しの先に、自分の求めるものがちゃんとあるのかなって思います。

自分の価値観と真逆であっても、それを敵視しない

働く女性と家事育児 座談会レポ~後編~「この世界には色々な母親の形がある」
(画像=PRIMEより引用)

ミイ:とみさんのお話にすごく背中を押してもらいました。自分時間を楽しんでいるときも子どもを思い出すことに葛藤があったけど、私が子どもが一番と思っている証拠って捉えてもいいのかなって。

とみ:ミイさんの子どもへの想いをこの1時間ちょっと聞いて、すごいお母さんなんだなって思いました。

みくりや:私もそう思いました。お話聞いてすごく愛情を感じました。でもその一方で、もしミイさんと同じ学校のママさんとかですれ違うだけだったら、海外旅行が好きでお仕事バリバリって情報だけで勝手に「子どものことはあまり見ない人なんだね」って推測しちゃうこともあると思うんですよね。あの人は子ども好きなんだ、あの人は自分優先なんだって表面上だけで決めつけるような世の中に私たちはいるので、それぞれ色々な母親の形があることを発信していくべきだなと、改めて感じました。

ーー子どもが可哀想かどうかって他者に評価されるものじゃないのに、「あのお母さんは…」って評価されることを気にしすぎちゃっている部分がありますよね。

働く女性と家事育児 座談会レポ~後編~「この世界には色々な母親の形がある」
(画像=PRIMEより引用)

みくりや:今世の中でやられていることって、お弁当を並べて、どの子が一番愛されているでしょう?みたいな。そういう感じだから息苦しいんですよね。私は冷凍食品や昨日のおかずを冷めたまま入れるタイプだけど、そこだけを見て判断されると、母親としてすごい落第点というか。

ーー何でそんな世の中になっちゃうんでしょうか。

みくりや:何でだろう、可視化されすぎているのかな。インスタとか更新しなくても、子どもと毎日公園行って遊んでいるお母さんもいれば、寝る前に絵本を読み聞かせしているお母さんもいるんだろうなって思うんですけどね。

ミイ:情報が断片的すぎるから?SNSの流行もそうだけど、一部分で全体を評価することが多いですよね。むしろ1000文字くらいの記事であっても、そこだけの情報で全体を勝手に判断する。何かを考えたり物事を捉えるときには、更にその先への想像力を働かせる必要があるのかな、と。

ーーみんながポジティブに想像しあえる世界になるといいですよね。

ミイ:例えば、同じ編集部内でもみわさんと私は価値観や判断基準が違うので、編集会議でもいつも真逆の意見を持つんですけど、それを否定しあわないんですね。自分の価値観と真逆であっても、それを敵視しない。批判はしてもいいと思うけど、敵視はしちゃいけないってすごく思っていて。それが多様性を生むし、すべての解決の一歩じゃないかなって思います。