2014年1月1日施行!韓国の住所基準が道路名+建物名に
道路標識も新制度に対応
2011年7月、各世帯に配布された道路名住所告示
手紙を送ったりインターネットショッピングを利用したり、あるいは初めて訪ねる場所を探すときなど、生活のあらゆる場面で必要となる住所。
韓国では2014年1月1日から、法定住所が従来の地番(土地ごとの番号)に基づいた住所から、道路名と建物番号を基準とする「道路名住所」に変更となります。
今後は各種証明書の発行など官公庁や公共機関における行政手続きにおいて道路名住所を使用しなければならないため、韓国在住者は新住所についてあらかじめ知っておく必要があります。
より正確な位置特定が可能になるなど様々なメリットが期待されている新住所制度。道路名住所とは何か、これまでの地番住所とはどんな点が異なるのかなど、主な特徴や変更点を紹介します。
準備期間17年の国家プロジェクト!新住所導入の背景とは
1996年の導入決定から17年という歳月を経て施行される新住所制度。大韓民国建国以降、行政区域の名称変更としては最大規模です。こうした長期かつ重要な国家プロジェクトとして推し進められた背景には、従来使用していた地番住所の不便をいち早く解消する必要性がありました。
これまで韓国の住所に使われていた地番は、20世紀初頭の日本植民地時代に実施された土地調査事業で付与されたもの。当初は地番と建物が1:1で合致していましたが、その後今日まで約100年間、韓国では急速に都市化が進むなかで、その規則性が崩れることが増えてきました。
例えば、1つの地番に複数の建物が建っていたり、反対に複数の地番に1つの建物がまたがっている場合に地番表示が不規則になったりする(60番地の次が100番地)ことが起こり、訪問先が分かりづらいなど不便が生じるようになったのです。
新住所制度の目的は、こうした地番住所の問題点を解消すること。道路名と建物番号によって住所を表示することで現在地や目的地をすぐに探し出せるようになり、その結果、パトカーや救急車など緊急車両の到着時間を早められる、郵便や宅配の誤配・遅配を防げる、不要な案内看板がなくなり都市景観の改善につながるなど、様々な効果が期待されています。
2014年の全面施行に先立ち、2011年7月29日から2013年12月31日まで約2年半の併用期間が設けられ、各種広報活動も実施されました。