松下洸平と井浦新、どちらかなんて選べない!

事件のミステリー性と同時に注目されているのが、吉高由里子×松下洸平×井浦新の三角関係です。
初恋の相手である大輝を演じる松下洸平は、朝ドラ『スカーレット』で、戸田恵梨香の相手役を好演して注目を集めました。以後『MIU404』では繊細な殺人犯、『東京タラレバ娘2020』では吉高由里子演じる主人公と婚約しながら結婚式当日に逃げ出す今どきの若者、最近では映画『燃えよ剣』で謎の多い重要人物・斎藤一を演じるなど活躍が目覚ましい俳優です。優しいけど優柔不断といった役どころが多い松下ですが、本作の大輝役では男らしい芯の強さと刑事という職業人としての誇りを表現しており、新たな魅力を開花させています。大学生時代の、陸上に打ち込みながら梨央を大切に想う柔らかい表情から一転、刑事として駆け引きしたり相手を追いつめたりする表情の変化には、男としての成長が見えキュンキュンしてしまうのです! 一方、梨央を15年間ずっと見守り続ける加瀬を演じるのが井浦新。もともと雰囲気のある役者として評価が高く、数多くの作品で名演を重ねてきた井浦。『アンナチュラル』で演じた、恋人の死の真相を追及する偏屈な解剖医役で、彼の魅力に改めて気づかされた人も多いはず。今回は『アンナチュラル』から一転、働く女性を支えながら癒してくれる弁護士役に。要所要所で発揮される、井浦の包容力がたまりません! ふたりとも主人公を大切に想う気持ちと心の葛藤を丁寧に演じているからこそ、その表情一つひとつにキュンとしてしまうのです。 第3話では、梨央を脅迫した犯人から守るふたりが描かれており……キュンが止まりませんでした。体を張って犯人から梨央を守り負傷する加瀬に、犯人を取り押さえる大輝。既にファンのなかでは「大輝派」「加瀬派」と盛り上がりを見せていますが……個人的には、大輝に軍配! 取り押さえても報道陣に向かって梨央への罵倒を続ける犯人に対し「黙ろうか! 署で聞くから、少し黙っとけ」と必死に押さえ込む姿と、そのあと病院で梨央と昔の話をしながらそっと寄り添う姿は素敵でした。しかし包容力爆発の加瀬も捨てがたい……と、やはり選べない展開が続きそうです。

第4話からはもっと“沼”に。鳴りを潜めていた人物たちが動き出す

第3話までは事件の概要と3人の関係性が丁寧に描かれてきましたが、ここからは関係者を巻き込んで一気に物語が加速していきそうです。
失踪してしまった弟の優(現在では月に1度無事を知らせるハガキが届くだけ)は、15年前の事件を思い出しており避けては通れない重要人物。また、実の母親・真田梓(薬師丸)は一見理解のある母親ですが根っからの仕事人間で手段は選ばないタイプ。どこか裏がありそうな人物です。梨央の会社で対立関係にあり専務の後藤信介(及川光博)と、彼が梨央を陥れるための情報収集で手を組む情報屋(高橋文哉)やフリーライターの橘しおり(田中みな実)もとってもきな臭い。一方、大輝と一緒に大学時代を陸上部で過ごし、富山県警の刑事となった友人・藤井隼人(岡山天音)や、コンビを組む桑田仁美(佐久間由衣)に、上司の山尾敦(津田健次郎)も、今後どういう絡みを見せてくるのか注目です。 そして5日に放送される第4話! 梨央の会社の疑惑を追及する記事が出回り、会社や世間の風当たりがどんどん強くなります。殺人事件の方は被害者・昭に500万円を渡したとされる男の足取りを追う展開となり、殺人事件と社会的なスキャンダル両面から追及される梨央を、大輝と加瀬のふたりがどう守るのか注目です。 緻密に組み立てられたサスペンスとしての面白さと、女性を胸キュンさせる三角関係が交錯する『最愛』の沼。この秋、どっぷりハマってしまいましょう! <文/鈴木まこと(tricle.llc)> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

鈴木まこと(tricle.llc)
雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Instagram:@makoto_s.1213


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