「ハウルの動く城」と言えばジブリ作品の中でも名作として名高くて、幅広い層に愛されていることは周知の事実ではないでしょうか。1度見れば何度も見たくなるような不思議な魅力があり、虜にされた方は多いです。
ここではそんな魅力溢れる「ハウルの動く城」について詳しく解説してみました。「ハウルの動く城」の原作についても触れていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ジブリの名作『ハウルの動く城』とは
ハウルの動く城は2004年11月に日本で初めて公開されたジブリアニメーションですが、原作の良いところを最大限に活かしたストーリーに宮崎駿監督の深みのあるオリジナリティがプラスされて、最終的には1500万人動員という偉業を達成させました。
引き込まれるストーリー、感情豊かな音楽、ジブリ独特の世界観、時間を思わず忘れてしまうような演出は196億円という興行収入にもしっかり反映されています。ちなみにこれは日本映画の歴代興行収入第3位に現在もランクインしており、なかなか記録は破られません。
しかも「ハウルの動く城」は海外でも高く評価されていて、「第37回シッチェス・カタロニア国際映画祭」の監督賞を堂々と入賞しています。日本のアニメーションの魅力が海外の方にも知ってもらう最高のキッカケとなったのではないでしょうか。
そして声優陣の豪華さにも注目してみて下さい。ソフィー役には大女優の倍賞千恵子さん、ミステリアスですべての女性を虜にするハウルには木村拓哉さんが起用されていて、当時は大きな話題にもなりました。
「ハウルの動く城」が日本を始めとする海外で評価されているのは、全体を通して素晴らしい演出・キャスティングがあったからこそなのでしょう。
ハウルの動く城主要登場人物
「ハウルの動く城」には魅力的なキャラクター達がたくさん出演しています。個性あふれるキャラクター、そして見事にフィーリングした声優陣の熱演は、何度も見てしまう不思議な惹きつけ力があると言えます。
登場人物①ハウル
タイトルの名前にもある通り、ハウルは主人公の魔法使いです。魔法学校ではサリマンの弟子として優秀な成績をおさめていることからも分かりますが、非常に才能溢れる魔法使いとして君臨しています。
過去に荒地の魔女に接近してしまったがために、現在も荒地の魔女に興味を持たれているようです。ハウルの声は木村拓哉さんが演じていて、ミステリアスな雰囲気にピッタリだと大きな話題を呼びました。
登場人物②ソフィー
もう1人の主人公ソフィーは、18歳にしながら古い帽子屋の跡を引き継いでいる芯のあるしっかりとした女性です。一般的な若い女性のように流行のファッションやメイクをすることもなく、真面目な人生を送っていました。
ネガティブ志向な彼女ですが、ある日荒れ地の魔女に90歳の老婆に変身させられてしまったことが始まりとなって、「ハウルの動く城」の物語に入り込む形となります。
ちなみにソフィーの声は倍賞千恵子さん(※当時63歳)ですが、18歳のソフィーも、90歳のソフィーもどちらも倍賞千恵子さんが演じています。
登場人物③カルシファー
ハウルの動く城を動かしているのが、火の悪魔のカルシファーです。ハウルの動く城の中にあるカマドがカルシファーの居場所であり、毎日ハウルの動く城を移動させるのが仕事となっています。
ちなみにこれはハウルの心臓をもらうことで城を動かく契約を結んだのですが、カルシファーはこの契約を何とか解除したいとソフィーに頼み込みます。我修院達也のキャッチーで個性的な声が、よりカルシファーの存在を引き立たせました。
登場人物④マルクル
ハウルと一緒に住んでいるのが少年のマルクルで、主にハウルの動く城の留守番をすることが仕事になっています。魔法が使えるマルクルはマントを被るとヒゲを生やした老人になりきることができるので、訪問してきた人々と会う時は基本的に老人の姿となります。
芋と魚は嫌い、そして突然やってきたソフィーは大好きと子供らしい一面もあって、「ハウルの動く城」では欠かせないキャラクターの1人です。まだ子役だった頃の神木隆之介さんが声を担当しました。
登場人物⑤荒地の魔女
ハウルに恋心と憎しみを抱く荒地の魔女は、美輪明宏さんが熱演されています。迫力のある見た目のキャラクターですが、それにも負けない美輪明宏さんの臨場感溢れる声は圧倒的です。
気難しい宮崎駿監督を唸らせるほどの迫力の演技はあまりにも有名で、映画館で上映された荒地の魔女の姿は思わず息を呑んでしまいます。
映画『ハウルの動く城』ネタバレあらすじ
ここでは分かりやすく「ハウルの動く城」のストーリーをチェックしてみましょう。あらすじをご紹介していますがネタバレも含みますので、「ハウルの動く城」のことをおさらいしてみて下さい。
ネタバレあらすじ【起】ハウルとソフィーの出会い
18歳のソフィーは自分のやりたいことも分からないまま、亡くなった父親が残してくれた帽子屋を引き継いで働いていました。美人で目立つ母親と妹とは裏腹にソフィーは地味な見た目の女性で、それがずっとコンプレックスに感じています。
そんな時に美しく若い女性の心臓を狙う魔法使いハウルの噂を耳にしました。しかしソフィーは自分には一切関係のないこととそこまで気にすることはなく、日常を送ることになります。
ある日妹に会いに行こうと出かけた矢先、軍人にナンパをされてしまいます。そんな場面を助けてくれたのが青い目をしたハンサムなハウルで、魔法を駆使して空中を散歩をするようにしてその場を脱出しました。
そして不思議な出来事は続きます。その日の夜、確かに鍵を閉めたはずの帽子屋に怪しい見た目のマダムが侵入してきて、ソフィーに90歳の老婆になる呪いをかけて出て行きます。このマダムの正体こそが荒地の魔女だったのです。
90歳の老婆の姿になってしまったソフィーは、このまま帽子屋で働くことはできないと自身の家と店を出て途方にくれます。そして老婆の体力ではこれまでのように体も思うように動かず、杖になるようなものが欲しいとその場にあった枝を引っこ抜きました。
それがカカシのカブで、言葉は交わさなくてもお互いの意思は分かるようでした。そんなカブに案内されるようにして、90歳の見た目をしたソフィーはついにハウルの動く城に入り込むようになります。
ネタバレあらすじ【承】動く城での生活
ハウルの動く城に入ってすぐに目に入った火に導かれるように目の前に座ったソフィーですが、その火がソフィーに向かって語りかけました。これがカルシファーで、ハウルと結んでいる契約を解除してくれるならソフィーの呪いも解くと持ちかけます。
場面は変わって翌朝、呼び鈴が鳴りました。そこにマルクルが2階から降りてきて、マントを被って老人に変身して対応します。
この時はジェンキンス宛の手紙を、再び呼び鈴が鳴るとペンドラゴン宛の手紙を受け取りました。ドアノブにある設定を変えることで自由に行き場所を変えられるという魔法がかけられていることが分かります。
ネタバレあらすじ【転】戦争と呪いの魔法
ハウルは戦争に参加するようにずっと促されていました。そしてソフィーはハウルの代わりとして、国王に直接会ってお断りするために宮廷へ向かいます。荒地の魔女とも途中で出会って一緒に向かいますが、ここで荒れ地の魔女はサリマンによって魔力を奪われてしまうことになりました。
ハウルの師匠でもあるサリマンは王宮付きの魔法使いで、荒地の魔女を無力にすること、そしてハウルに国のために戦争に参加させることを目論んでいることがここで分かります。
強力な魔法を使ってハウルとソフィーを追うサリマンでしたが、ハウルは何とか王宮を脱出することに成功しました。そしてハウルは引っ越しを決意して、ソフィーのために帽子屋に行けるようにしたり、花畑一面の場所に行けるように手配してくれたのでした。
ネタバレあらすじ【結】戦争と呪いの魔法
物語が進むにつれて戦争はどんどん悪化していきます。カルシファーのおかげで城の中は平和が保たれていましたが、サリマンの呪いのせいでカルシファーの力はどんどん弱まっていきました。
ソフィーはカルシファーのために自分の髪を切って食べさせて元気を出させるのですが、これを見ていた荒地の魔女はカルシファーがハウルの心臓を持っているということに勘付いてしまいます。
ハウルの心臓が欲しくて仕方がない荒地の魔女は思わずカルシファーを手にしてしまうのですが体に火が回ってしまって、それを阻止するべくソフィーが水をかけます。
しかしカルシファーの火が消えるということは、ハウルも同時に死んでしまうとソフィーは泣き出します。するとハウルからもらった指輪から一筋の光が出てきて、ソフィーを導き始めました。
光の射す場所はハウルの少年時代の記録に繋がっていました。舞台はハウルがソフィーに用意してくれた花畑で、流れ星を飲むことで心臓を取り出します。その心臓こそがカルシファーだったのです。
現在に戻ったソフィーは荒地の魔女からカルシファーを受け取り、「カルシファーが千年も生き、ハウルが心を取り戻しますように」と祈ってハウルの体へと戻します。
カルシファーとの契約がなくなってハウルの動く城が崩壊し始めますが、カカシのカブのおかげで全員の命が助かった形となります。ソフィーがお礼にカブにキスをすると、呪いが解けたカブは元の人間の姿に戻りました。正体は隣国の王子だったのです。
カブはこのくだらない戦争を終わらせると言って国に戻り、サリマンも戦争を終わらせる決意をします。カルシファーは晴れて自由の身となりましたが、ハウルやソフィー達と行動を共にすることにして、再びハウルの動く城は動き始めました。