参勤交代が今にも始まりそうな「大内宿」や、雄大な「塔のへつり」など、歴史や自然を満喫できる観光地が点在している南会津。駅に降り立った瞬間から日常を忘れる旅へ、出かけてみませんか?合わせて地元グルメもご紹介します。
かやぶき駅舎がお出迎え【湯野上温泉駅】
湯野上(ゆのかみ)温泉駅は、南会津郡下郷(しもごう)町にある会津鉄道会津線の駅で、日本でも珍しい茅葺(かやぶき)屋根の駅舎です。
1932年(昭和7年)に開業し、現在の駅舎は1987年(昭和62年)に建てられたもの。東北の駅百選にも選定されています。田舎町の風景にとけこむ茅葺の駅舎も風情がありますが、駅舎内もとても魅力的です。
茅葺の虫除けのために必要な囲炉裏があり、板張りの床や鉄瓶がかけられた空間は、大内宿の玄関口として最高のロケーション。タイムスリップ気分がこの駅から始まります。ちなみに、会津鉄道とTVアニメがコラボしたラッピング電車も走っています。
湯野上温泉駅グルメ
駅舎の売店でじゅうねん(エゴマ)味噌をぬって焼いた「しんごろう」を見つけたら、ぜひ召し上がってみてください。焼けた味噌が香ばしい、甘いお団子で美味しいですよ。週末なら、駅舎横にキッチンカーが来ており、そちらでも軽食と共にしんごろうを購入できます。
駅舎の隣には「親子地蔵の足湯」もあり、湯野上温泉を体感することができます。待ち時間があっても、足湯につかりながら湯野上グルメを頂いて、のんびり過ごせそうですね。
そこから先は江戸時代【大内宿】
重要伝統的建造物群保存地区として国の選定を受けている大内宿(おおうちじゅく)は、江戸時代の面影を色濃く残す町並みとして南会津でも大人気のスポットです。江戸時代に会津若松城下と今市宿を結ぶ下野街道(しもつけかいどう)の宿場町として整備されました。
会津藩の初代藩主・保科(ほしな)正之や二代藩主・正経が参勤交代のために立ち寄り、昼食をとったと言われる本陣は、大内宿町並み展示館として復元されています。四季を通して、昔と変わらぬ風景や人びとの暮らしを垣間見ることができる宿場町です。
大内宿グルメ
大内宿では、昔から「ねぎそば」が、おめでたい料理として名物です。別名「高遠(たかとお)そば」とも呼ばれるそばは、箸代わりにねぎを1本丸ごとかじりながら食べるのが特徴。のど越しの良い手打ちそばと、薬味代わりの辛めのねぎが絶妙な味わいなので、ぜひ挑戦してみてください。最近では、スィーツを頂けるカフェもできているので、より一層楽しめるようになりました。