モンゴルの文化と生活
古くから伝わる遊牧文化
モンゴルの人々は元々遊牧民族であり、草原で牧畜を営みながら暮らしてきました。都市化が進み遊牧民の数は減少傾向にあるものの、現在もはるか昔から変わらない遊牧文化は続いています。これはモンゴル最大の特徴であり、最も興味深い部分といえるのではないでしょうか。
モンゴルの宗教
宗教は主にチベット仏教が信仰され、かつては仏教寺院が学問や社会の中心となって栄えました。その後、宗教弾圧によって多くの僧侶が迫害され、建物が破壊されるなど負の歴史もありましたが、人々の中から信仰心が消えることはなかったようです。そして仏教とは別にシャーマニズムも広く根付いていて、霊界と繋がる役目を果たすシャーマンが各地に存在しています。
民族衣装「デール」
モンゴルの民族衣装はデールと呼ばれ、紀元前に存在していた匈奴(きょうど)の国から伝わったといわれています。デザインは上下が一枚になっていて、立ち襟で袖が長く、ウエスト部分に絹でできた帯を巻きます。デールを着たときは帽子をかぶるのが通常であり、正式な場ではマナーとなっています。
人気の格闘技!モンゴル相撲
モンゴルには「ブフ」と呼ばれる相撲に似た伝統競技があり、年に一度の大イベントであるナーダム祭では、各地から力士が集まり熱い戦いが行われます。背中と腕が覆われた胸の開いた衣装が特徴的で、土俵や時間制限はなく、肘・膝・頭・背中・尻のいずれかが地面についたら負けとなります。
肉中心のモンゴルの食べ物
メイン食材は、遊牧民が育てている5大家畜(羊・ヤギ・馬・ラクダ・牛)の肉や乳であり、最も多く食べられているのは羊肉(マトン)と牛肉です。代表料理は、小麦粉の皮で具を包んだボーズやホーショルなどで、乳製品は数十種類あるといわれています。
遊牧民の移動式住居「ゲル」
遊牧民は季節ごとに引っ越しをするため、解体・組み立てが可能な「ゲル」と呼ばれる家に住んでいます。内部には生活に必要な家具が置かれ、中央には鉄製のストーブが設置されています。これは暖房器具としてだけでなく、上部に中華鍋を置いて調理器具としても使われます。ゲルには特別な設備はありませんが、厳しい気候の中で生きてくための様々な知恵と工夫が施されています。