「筑波実験植物園」は、茨城県つくば市に位置する植物園です。国立科学博物館が植物の研究を推進するために設置した機関で、通称「つくば植物園」の呼び名で親しまれています。この記事では、園内の様子や楽しみ方を中心に、歩いて行ける近隣のランチやパン屋の情報も詳しくご紹介しています。
筑波実験植物園とは?
茨城県つくば市に位置し、通称「つくば植物園」で知られる緑豊かな植物園です。国立科学博物館が植物の研究を推進するために設置した機関で、約14ヘクタールという広大な敷地で7,000種類以上の植物を育てています(見学できるのは3,000種類程度)。
昭和58年(1983年)に開園し、それ以降徐々に展示館や温室が増えていき、リニューアル等を経て現在に至ります。つくばエクスプレス線「つくば駅」からも車で約5分、徒歩約30分と訪問しやすい立地にあります。
園内では、生きた多様な植物を収集保全し、絶滅危惧種を中心とした植物多様性保全研究を推進しているそうです。集めた植物を活用して、日本や世界の植生環境を再現し、訪れた人が体験的に学べる展示になっているのが特徴です。
ここまでご紹介してきた通り、園内の植物はすべて研究対象となるため、ペットの入園(介助犬を除く)、動植物の採集(落ち葉・実を含む)、遊具の持ち込み、採集道具の持ち込み等は不可となっています。ご注意を!
屋外展示がほとんどのため、悪天候の日の訪問はあまりおすすめしません。快晴の日であれば、特に水辺に太陽光が差し込み綺麗な景色を堪能できます。散策所要時間は、どのくらいじっくり見学するかに左右されますが、筆者は全体をざっと巡るだけで2時間かかりました。
散策のコツ・ポイント
飲食できる場所ではピクニックも楽しい
園内には、飲食できる場所があります。公式ホームページに園内マップが掲載されていますので、参考にしてみて下さい。
具体的には、中央広場の左側スペース、教育棟(受付)、研修展示館の3ヶ所では飲食OKとなっています。園内は緑豊かで気持ちが良い空間となっていますので、ぜひお弁当や軽食を持って行ってみては。
記事の後半でご紹介しますが、植物園から徒歩約5分の場所に、食べログ百名店にも選出された人気のパン屋があります。筆者はこちらで朝ごはんのサンドイッチを調達し、園内で頂きました。
園内には食べ物を買える売店やコンビニはありません。ですので、食べ物を持ち込みたい場合は事前に確保しておきます。自動販売機はありますので、飲み物については調達可能です。
重点的に見たいスポットに時間をかけて
植物園は、約14ヘクタールと非常に広いです。各エリアに分かれていますが、ひとつひとつを丁寧に見学していると一日あっても時間が足りなくなってしまいます。かと言って、全体を漫然と散策するだけでも物足りません。
そこで、見たいエリアや見たい植物をあらかじめ明確にすると良いでしょう。例えば、筆者は「水生植物エリア」のボードウォークを歩くのを楽しみにしていたので、そこに時間をかけました。
どうやって決めればいいか分からない方向けに、植物園がこまめに発行している「見ごろの植物パンフレット」がおすすめです!こちらには見ごろの植物(今週のベスト3など)が書かれていて、それを見つけながら散策するのも楽しいです。エントランスで配布中です。
また、植物園には季節ごとに人気の植物がありますので、その時期に合わせて訪問するのもおすすめです。例えば、4~5月には大きく花開き華やかな「クレマチス」が、1月には世界で最も大きな花の一つとされる「ショクダイオオコンニャク」が人気を集めます。
園内の様子
エントランス
マップ上で言う「教育棟」が、エントランスにあたります。入口に券売機がありますのでそこで入園料を支払い、チケットを受け取ってから中に入りましょう。係の方がチケットを確認してくれます。
世界の生態区
植物園は、大きく二つのエリアに分かれます。各エリア内でさらに細かい区画に分かれています(詳細は園内マップを参照)。
「世界の生態区」では、冷温帯~温帯までの植生を見学できます。マップの言葉がやや難しいですが、要するに各地の気温や地形ごとに区画が分かれていると考えてもらえればいいかと思います。
「サバンナ温室」では、サボテンなど普段見かけない植物を見ることができます。「熱帯雨林温室」では、まるでジャングルにいるような本格的な展示が楽しめます。
「水生植物」では、ボードウォークがお洒落な形で設置されています。散策途中には、ところどころで解説がありますので、読みながら進んでいくと勉強になります。
生命を支える多様性区
「生命を支える多様性区」は、衣食住や鑑賞に利用される植物など、人間の生活と関係が深い植物を紹介したエリアです。果樹、薬用植物などが見られます。
「絶滅危惧植物温室」では、貴重な植物たちが管理されています。「シダ植物」では、たくさんのプレートが立てかけられていて、研究が盛んに行われていることが伺えます。
そのほか、イチゴ、柿、きのこなど食べ物として馴染み深い植物も。日本庭園で使われる植物など、珍しい区画もありました。
ミュージアムショップ
小さなショップでは記念品の購入が可能です。非常にユニークなグッズが多いので、時間をかけてお気に入りのお土産を探してみては。
「微生物手ぬぐい」は、ミジンコやアメーバが描かれた可愛らしいデザインです。各種クリアファイルは、図鑑としても使えそうなクオリティです。
「食物連鎖シリーズ」はアイディアが面白いですね。ノートやファイルがあります。また、ショップでは植物に関する書籍も手に入ります。
駐車場・駐輪場
無料駐車場が120台分用意されています。また、駐輪場もありますのでサイクリングがてら自転車で訪問することも可能です。
【基本情報】
●開園時間:9~16時半(入園は16時まで)
●休園日:毎週月曜(祝日・休日は開園)、祝日・休日の翌日(土日は開園)、年末年始(12月28日~1月4日)
●入園料:320円(18歳未満、65歳以上は無料)