カットがかかって役が抜けない
――役と一体になった感覚がある? 蒔田「よくあります。それを感じたときが一番嬉しいです」
『神在月のこども』より
――お芝居をする際に、客観的な、俯瞰で見ている自分がいるという役者さんもいますが。 蒔田「私はそうしたとき、自分はいないです。完全にその人になっています」 ――そうなんですね。気持ちを引きずったりしませんか? 蒔田「します。カットがかかっても余計に泣けてきちゃったり。でも家まで引きずることはないですし、『オールアップです!』という声を聞いたとき、『終わった~!』と、役が抜けます」
憧れは山口智子さん
――これまでお仕事されてきたなかで、特に憧れを抱いた先輩はいますか? 蒔田「10歳のときに出たドラマ『ゴーイング マイ ホーム』で、山口智子さんがお母さん役でした。優しくて面白くて、監督さんだけじゃなく、周りのスタッフさんや、共演者の方々、全員に気配りされていて、その姿を見て、こんな素敵な人になりたいなと。そうなれるように、私もこのお仕事をずっと続けていきたいなと思いました」 ――お芝居だけでなく、人としての姿が素敵だったんですね。 蒔田「お芝居はもちろんですが、朝から晩までずっと撮影をしていると、どうしてもみんな疲れてくるんです。でも山口さんの明るさと笑顔と優しさで、現場が明るくなりました。誰にでも面白く絡んでくださって、私のお母さんにも話しかけてくれていました。本当に気さくで素敵な方で憧れています」