淡路島と四国に挟まれた鳴門海峡は、「渦潮(うずしお)」が発生する場所。ここは、なんと世界3大潮流の一つなんです!そんな渦潮をまさに目の前で見ることができる観潮船「うずしおクルーズ」の楽しみ方をご紹介いたします。
世界でも最大級の「渦潮」が見られる淡路島「うずしおクルーズ」
「渦潮(うずしお)」とは、その名の通り海上に現れる渦のことです。海峡など海幅が狭いところに発生することが多いため、島が多い日本では全国各地で見られるのですが、日本最大級の渦が出現するのが淡路島と四国(鳴門)の間にある 鳴門海峡 。
しかも、日本で最大級というだけではなく、世界的に見ても最大級なんです。世界三大潮流 では1位ですし、世界の渦潮の大きさ でもダントツ1位!
そんな 鳴門海峡の渦潮 が見られるクルーズ船が、淡路島の南あわじ市、もしくは徳島の鳴門市から出ています。今回ご紹介するのは 淡路島発の「うずしおクルーズ」!
「海の駅 福良」を目指しましょう
「うずしおクルーズ」の乗り場は、福良港の「海の駅 福良」にあります。この港は昔から貨物船港や漁港として活用されてきましたが、今は鳴門海峡へ渦潮を見に行く観光船で賑わっています。
車で来られる方は、「海の駅 福良」を目的地にして、車も道の駅の駐車場に停めればOK!もちろん駐車料金は無料です。また、道の駅の周囲にも無料の駐車場がたくさんあります。
「海の駅 福良」はクルーズ船で賑わっていることもあり、周囲には観光スポットも多々ありますので、後ほどご紹介します。
乗船チケットはインターネット購入がオススメ
料金は、税込で大人(中学生以上)2,500円、子供(小学生)1,000円、幼児(小学生未満)は大人1名につき1名無料で、超える人数は子供料金となります。ペットは顔がすっぽり入るゲージやバッグに入れれば無料で同乗できます。
チケットは「道の駅 福良」の敷地内にある「うずしおドームなないろ館」で当日購入もできますが、オススメなのは インターネット購入(クレジット決済のみ)。というのも、ホームページの時刻表で、渦潮が出現しやすい時間や、希望の日時が満席かどうかをチェックした上で予約できるからです。
渦潮は常に出現するわけではなく、潮の満ち引き、大潮に近いかどうかで見られる確率が変わるため、「渦潮を絶対見たい!」という人は、その時刻表は要チェック!
また、2つある船(後ほど船もご紹介します)は本来ならそれぞれ定員500人、700人という大型船ですが、コロナ渦においては蜜を避けるべく 定員230人 と人数制限をしています(2021年10月11日現在)。減便もしているそうなので、当日購入しようとして満席だった…ということのないよう、インターネット購入が安心できるかと思います。
チケット発券は出航30分前に!
インターネット購入した方は、出航時間の30分前 までに、「うずしおドームなないろ館」でチケットを発券しなければならないので、時間にはお気をつけください。
乗船する人も、出航時間の30分ほど前から入口に並び出すため、船内で渦潮が見やすい場所を確保したい方は早めに行くのが◎です。
大型船は2種類「咸臨丸」と「日本丸」
鳴門海峡は、先ほどもご紹介した通り、潮の流れ(潮流)の速さが 世界三大潮流 でもある、とても荒々しい海です。でも、「うずしおクルーズ」の船は大型船で安定しているので、大きな揺れは感じず安心。
その大型船は2つ、「咸臨丸(かんりんまる)」と「日本丸」です。自分が乗りたい時間によってどちらかの船になるかは決まっています。
どちらも レプリカ船 ではありますが、とても立派!ゆったり座れる椅子のある船内スペース、海風が心地よいアッパーデッキ、雨が降っても安心の屋根もついているデッキもあるので、クルーズを目一杯楽しめます。
いろんなところで活躍している「日本丸」
今回、筆者が乗船したのは「日本丸」です。本物である初代日本丸は、1930年に神戸で建造。今もその後継船は日本を代表する練習用帆船の一つとして活躍しています。
「うずしおクルーズ」で運行しているレプリカの日本丸も、夏には各地の花火大会へのチャーター便や、企業パーティでの貸切船など、さまざまな形で運行しているそうです。
アッパーデッキ は、船の最上階で海風が気持ちよく感じられます。やっぱりマストのある船の雰囲気って良いですね。中央には日陰のあるウッドテーブル席もあるので、譲り合って使いましょう。
アッパーデッキの1階下にある メインデッキ は、船室でゆったりくつろげます。また、船室の周囲には屋根のあるウッドデッキがあり、アッパーデッキより海面に近い分、海の迫力をより近く感じられます。
一番下の階にある アンダーデッキ は小さな窓があるのみですが、足がゆったり伸ばせる畳があります。
歴史的に有名な「咸臨丸」
「咸臨丸(かんりんまる)」、この名前にピンときた方は、幕末、勝海舟 に詳しいのではないでしょうか。 本物の 咸臨丸 は、1856年にオランダで造られたのち長崎に送られ、江戸幕府の軍艦として活躍しました。
幕府の武士であり政治家でもある 勝海舟 が、日本人として初めて太平洋を渡ってアメリカはサンフランシスコへ渡った船としても有名で、船内には歴史が学べるコーナーもあります。
約60分の充実コース
さあ!いよいよ、出航です。福良港を出てから、渦潮が発生する鳴門海峡までは 片道約20分。その間、船に同船しているMCさんが、周囲に見える景色や鳴門海峡の渦潮について解説してくれます。海の景色、そして心地よい海風を感じながら、ぜひMCさんの言葉も聞いてみてくださいね。
渦潮が発生するのは、淡路島と四国を繋いでいる 大鳴門橋 の周辺。その橋が見えて来ると、乗客もざわめき始め、みんなデッキに出てきます。船の進路は、通常は最初に右側に渦潮が見えるように進みます。
だんだん船が荒波に進んで行くのがわかり、水面も明らかにぼこぼこしてきます。これは渦が終わった後に、下から海水が浮き上がって来る現象。
大鳴門橋 の真下に近づくと、あちこちで渦が見えます。渦は、ずーっと長い間出現するのではなく、大体は数秒でなくなってしまうので「あっちに出た!こっちにも出た!」という感じ。
でも、満潮で大潮など、ものすごい良い条件が整えば、直径20m 規模の渦潮も見られるそうで、それが「世界一の渦の大きさ!」と評価されているのですね。
このあたりで20分近く、船は渦が見られるよう進んでくれます。そして、帰りも20分かけて港に戻ります。
ちなみに、戻る時はみんな渦を見られた満足感でデッキから離れて見逃しがちですが、その時に見られる 大鳴門橋 が映える鳴門海峡の景色は、とっても良い場所(船の最後尾)から見られるので、何気に絶好の写真撮影タイムです。お見逃しなく!