夫婦共働き世帯が増え、家事も男女で分担する家庭が増えています。「男は仕事、女は家庭」という時代から、女性も働き、男性も家事をしていく時代です。パパママの家事分担がうまくできていないと悩む家庭も多いのではないでしょうか。家事分担のポイントをご紹介しますので、参考にしてみてください。
夫婦共働き世帯の家事分担事情
女性が仕事を持つことが当たり前になり、夫婦共働きで子育てをしている世帯はもう珍しくありません。多くの会社が人手が足りないと言われている中、女性の労働力は今後もますます重要視されていくでしょう。そんな状況の一方で、夫婦共働き世帯の家事分担についてはどうなのでしょうか? 女性の社会進出と同様に、男性の家庭進出は進んでいるのでしょうか?
夫婦共働き世帯はどのくらいいるの?
2018年 600万世帯 1,219万世帯 67.01% ※独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査データより抜粋
全国1,819万世帯のうち、67%が夫婦共働き世帯
夫婦の家事分担についてご紹介する前に、そもそも今の日本に夫婦共働き世帯がどのくらいいるのかをご紹介します。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査データによると2018年時点で全国1,819万世帯のうち、夫婦共働き世帯は約600万世帯あり、夫婦共働き率は67%となっています。夫婦共働き世帯については下記記事で都道府県別の夫婦共働き世帯比率などを詳しく調査しています。よろしければご覧ください。
20代、30代、40代の夫婦共働き世帯のフルタイム勤務率を調査してみました
年代 夫婦共働き世帯(夫婦ともにフルタイム) 夫婦共働き世帯(夫婦どちらかがフルタイム) 専業主婦・専業主夫世帯 20代 25.1% 20.4% 54.5% 30代 25.6% 26.5% 48% 40代 22.9% 37.9% 39.2%
※マクロミルによる「2018年 共働き夫婦の家事分担調査」より抜粋 夫婦共働きと言っても、夫婦ともにフルタイム勤務な場合と、どちらかがパートタイム勤務の場合があり、そちらについても調べてみました。「2018年 共働き夫婦の家事分担調査」では20代、30代、40代の年齢別に「ともにフルタイム勤務の夫婦共働き世帯」、「どちらかがフルタイム勤務の夫婦共働き世帯」、「専業主婦・専業主夫世帯」のどれにあたるかの質問をした結果が上の表になります。回答結果を見るまでは40代は「専業主婦・専業主夫世帯」が多いんだろうな、と思っていましたが、「専業主婦・専業主夫世帯」がもっとも少ないのが40代という結果でした。
子供が小学校や中学校に上がる年齢になり、教育費などでお金がかかる時期になったのでママがパートに出るようになった、ということでしょうか。40代での「ともにフルタイム勤務の夫婦共働き世帯」の比率が低いことからも、この予想は正しいのではないかと考えられます。
専業主婦・主婦が多いのは30代、40代ではなく20代の夫婦
専業主婦・専業主夫世帯がもっとも多いのは20代というのは意外な結果でした。想像でしかありませんが、子供が産まれたばかりで産休や育休を取っていたり、妊娠に合わせて退職しているママが多いのでしょうか。もしくは家の購入や子供の塾などの教育費など、お金がかかる時期がまだ先なので働いていないということなのでしょうか。
どちらかがパート勤務の夫婦共働き世帯が多いのは40代
夫婦ともにフルタイム勤務の夫婦共働き世帯は、20代が25.1%、30代が25.6%、40代が22.9%と年代が上がるたびに少しずつ減少しています。年代によって家庭の状況が違い、30代や40代になると子育てや親の介護などでフルタイム勤務が徐々に難しくなってくるのでしょうか。フルタイム勤務は難しいものの、何かとお金が入用な時期なのでパート勤務に出る40代のママが多いことが予想できます。
夫婦共働き世帯での家事分担の割合は?
妻が家事のほとんどを担当 26.9% 妻が主だがを夫も家事を少し担当 37.5% 妻と夫で家事を分担 30.7% 夫が主、夫がほとんどを担当、その他 4.9%
同じ調査対象者に家事分担についてアンケートをとった結果が上になります。妻がメインで家事を行っている夫婦共働き世帯の割合は64%もありました。妻と夫とでうまく(?)家事分担ができているという回答は31%という結果になりました。夫、もしくは祖父母などが家事を担当しているという回答は全体の5%以下で、2018年の調査時点でも家事の妻の負担はまだまだ重いのがわかります。
夫婦共働き世帯の理想の家事分担割合は?
妻、夫で50%ずつの家事分担が理想
「夫婦の家事分担、どれくらいが理想? 」という質問をしたところ、「夫5・妻5の半分ずつ」という答えが40.9%を占めていました。続いて、「夫4:妻6の妻がやや多め」が22.2%、そして、「夫3:妻7」が20%という結果が出ています。
夫婦共働き世帯での家事分担割合を細かく聞いてみました
家事分担割合 20代 30代 40代 夫50%、妻50% 15% 12.8% 10.8% 夫40%、妻60% 19.7% 16.5% 11.7% 夫30%、妻70% 19.7% 18.5% 15.5% 夫20%、妻80% 15% 18.5% 19.2% 夫10%、妻90% 11.6% 20.3% 25.2% 夫0%、妻100% 5.4% -%(※1) 9.7% ※1:5%以下の回答データは非開示なため「-%」と記載
では、現実の夫婦共働き世帯での家事分担割合はどうなのかというと、上の回答の通りです。年代が若くなるほど夫婦での家事負担割合が改善されていきますが、20代で見ても夫と妻が平等に家事負担できている夫婦共働き世帯は15%ほどしかいません。20代の夫の家事負担割合が50%、30%、40%での分担比率をすべて合計しても54.4%にしかなりません。40代で50%、30%、40%での分担比率を合計すると38%ですから、男性の家庭進出が徐々に進んでいるのは確かです。しかし、まだまだ妻の家事負担が重いのは間違いありません。
仕事・家事・育児と昔よりママの負担が増えつつある
昭和以前の日本は「男は外で仕事、女は家庭を守る」という考えが主流でした。現代に比べ、核家族の割合が少なかった(祖父母や親族などと同居が多かった)こともあり、家事や育児の分担が自然とできていたとも言えます。しかし、女性の社会進出は着実に進み、男女が同等に仕事ができるようになりつつあるなか、核家族化が進んできました。
これから時代も一層女性の社会進出が進むことが予想されますが、その反面、平等に家事を分担している夫婦共働き世帯が少ないままということは、ママの家事や育児負担は増える一方ではないでしょうか? 育児や家事で女性に負担がかかりすぎると、家庭の不和のみならず、離婚に発展することもしばしばあります。そこで必要とされるのが、夫と妻の家事分担なのです。 子供がいる夫婦の離婚で決めるべきこと、親権、養育費、ひとり親制度について
夫婦の家事には具体的にどんな作業があるの?
夫婦共働き世帯の男女で分担すべき家事には、一体どの様な作業があるのでしょうか。大きく分けると、衣食住に関わることとして、料理・洗濯・掃除があります。普段、何気なくこなしている家事について、改めて具体的に考えてみましょう。
主な家事は「料理」、「洗濯」、「掃除」の3種類
衣食住の三本柱、料理、洗濯、掃除ですが、それぞれの家事はどれもさらに細分化することができますが、ひとつの家事として認識されがちです。料理の家事と聞くと、調理と洗い物だけだと考えられがちですが、それだけではありません。料理の予算を決め、栄養バランスを元にメニューを考え、自宅のストック材料を把握した上で買い物に行き、効率を考えて調理をします。
食事の前にはテーブルを拭き、食器を用意し、並べます。食事の後には、並べたものを下げ、余った料理をしまい、洗い物をし、キッチンを整えます。生ゴミを片付け、排水溝をきれいにすることも必要です。ここまでが日常的に行われている料理についての家事です。これとは別に、定期的な冷蔵庫の掃除や換気扇のフィルター掃除、電子レンジなど調理家電の掃除などもありますね。
普段、家事をしていない夫だと、これだけいろいろな家事があり、妻が多くを担当しているとは気づいていないかもしれません。夫婦共働き世帯で家事分担を話し合う際には、洗い物だけ、ゴミ捨てだけをサポートするだけではなく、周辺の家事の分担も話し合わないと妻への負担は大きく解消されないのです。