待機児童問題は長い間、問題となってきたのに、今もなかなか改善されていません。出産後に働こうとしても、子供を保育園に預けることができないため、育休を延長しなければいけないママもいます。待機児童問題の原因とその対策についてわかりやすく説明していきます。

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待機児童問題とは? 都市部だけの問題なの?

待機児童問題の原因と対策 全国や東京23区での待機児童数は?
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

認可保育園に子供の入園を希望したのにも関わらず、入園できず、認可保育園の定員に空きがでるのを待つ子供が「待機児童」です。この待機児童が大都市圏で増え続けている問題が「待機児童問題」と呼ばれています。待機児童問題は大都市圏での共働き夫婦の増加が主な原因で、年々深刻な問題となっています。子供が待機児童にならないために認可保育園の入園準備を行うことは「保活」と呼ばれ、待機児童問題とともに保活の厳しさも社会問題となっており、保育園に子供を通わせたいパパママの悩みの種になっています。

待機児童の定義 自治体によって待機児童の集計方法が違う?

待機児童問題の原因と対策 全国や東京23区での待機児童数は?
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

待機児童は認可保育園の利用条件をクリアし、入園の申し込みをしたにも関わらず、認可保育園に入園できていない子供のことを指します。待機児童に認定されるための手続きは基本的にありません。4月の認可保育園の入園選考に落ちた場合、不承諾通知という通知が届きます。その時点で各自治体は待機児童の定義に合う子供を「待機児童」としてカウントします。待機児童として児童をカウントする定義は自治体によって違い、不承諾通知が届いた子供すべてが待機児童になるわけではありません。ちなみに、厚生労働省が2017年に発表した「保育所等関連状況取りまとめ」で集計した待機児童数は26,081人でした。

待機児童にカウントされない隠れ待機児童がいる

待機児童問題の原因と対策 全国や東京23区での待機児童数は?
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

前の章で2017年の待機児童数は26,081人とご紹介しました。しかし、「全国でそのくらいしか待機児童はいないの?」と思いませんか? 実は国が発表する待機児童数にカウントされていない子供がいて、そういった子供は「隠れ待機児童」と呼ばれています。隠れ待機児童になってしまうのは下記のような条件に該当する子供になります。

  1. 認可外、認証保育園、保育ママに子供を預けている
  2. ママが求職活動を休止している
  3. 認可保育園に落ちたので、育休を延長した
  4. 特定の認可保育園への入園を希望している それぞれの例について具体的に紹介しましょう。

隠れ待機児童の例1:認可外、認証保育園、保育ママに子供を預けている

認可保育園に子供が落ちた場合でも、その後に認可外保育園や自治体補助の保育サービス(認証保育園や保育ママなど)を利用している場合は待機児童にはカウントされません。認可保育園に落ちてしまった子供のうち、その他の保育サービスを利用せず、認可保育園への入園を待って待機している子供だけが待機児童にカウントされるのです。子供を認可外保育園に通わせながら、認可保育園の転園の準備をするパパママはかなりの数がいますが、そういった子供は待機児童には数えられず、隠れ待機児童となっています。

隠れ待機児童の例2:ママが求職活動を休止している

ママが働いていない場合は求職活動を行なっていることが、認可保育園の利用条件の1つです。認可保育園の入園申し込みをした時は求職活動をしていても、認可保育園に落ちたことで求職活動をやめた場合は待機児童にはカウントされません。認可保育園に子供を預けれられないため、一時的に求職活動を諦めたママの子供は待機児童数の統計数字にはカウントされず、隠れ待機児童ということになります。

隠れ待機児童の例3:認可保育園に落ちたので育休を延長した

認可保育園に落ちたため、職場復帰がかなわず、ママが育休を延長した場合も子供は待機児童にカウントされません。

隠れ待機児童の例4:特定の認可保育園への入園を希望している

地域の認可保育園に定員の空きがあるのに入園しない場合、その子供は待機児童とは認められません。例えば、自宅近くの認可保育園に絞って子供を通わせたい、兄弟と同じ認可保育園に通わせたいなどの理由です。

データで見る待機児童問題:年齢別、2017年の待機児童数

0歳児 1,002,000人 146,972人 4,402人 1・2歳児 1,934,000人 884,514人 18,712人 3歳以上児 3,073,000人 1,515,183人 2,967人 全年齢の合計 6,009,000人 2,546,669人 26,081人 引用元:2018年4月発表「保育所等関連状況取りまとめ」より抜粋

待機児童に含まれない隠れ待機児童がいることは上でご説明しました。しかし、厚生労働省から発表される待機児童数の統計データは待機児童問題を分析するのには役立ちます。上記表は2017年9月に厚生労働省が発表した「保育所等関連状況取りまとめ」での待機児童数を年齢別に集計した表です。待機児童数を年齢別にみると、どの年齢層で待機児童問題はありますが、1、2歳児の待機児童問題がもっとも深刻なのがわかります。

認可保育園への保活が厳しいことは皆さんご存知だと思いますが、もっとも激戦なのは1、2歳児クラスへの入園です。そのため、産休や育休後の職場復帰を目指すママの中には、認可保育園へ入園しやすい0歳児のうちに保活を始める方も多いですね。

データで見る待機児童問題:待機児童が多い都道府県1~5位

順位 都道府県 待機児童数 待機児童率 1位 東京都 5414人 1.84% 2位 兵庫県 1988人 1.83% 3位 沖縄県 1870人 3.26% 4位 埼玉県 1552人 1.23% 5位 千葉県 1392人 1.27% 引用元:2018年4月発表「保育所等関連状況取りまとめ」より抜粋

待機児童が多い都道府県順に5位までを表にしてご紹介しましょう。待機児童は、人口が集中する都市部に多い傾向があります。都市部には、働き口が多く、生活に便利な環境が整っているから子育て世帯も集中しがちです。そのため、待機児童は東京都が1番多く5,414人となり、全国の待機児童数の約20%を占めています。

2位に沖縄県が入っていますが、これは少し特殊なケースで、認可保育園へ入園希望する子供の数は他県より少ないものの、人口比で見ると保育施設数が少なかったり、共働き世帯の比率が高いなどの理由で待機児童が発生しています。首都圏では神奈川県が上位に入っていませんが、ここ数年の待機児童解消のための施策が成功し、待機児童数864人(待機児童率0.54%)となっています。

データで見る東京の待機児童問題:東京23区の待機児童数は?

1位 世田谷区 17,695人 486人 2位 江戸川区 12,453人 440人 3位 目黒区 5,290人 330人 4位 大田区 14,126人 250人 5位 足立区 13,174人 205人 6位 墨田区 6,254人 189人 7位 中央区 4,829人 188人 8位 板橋区 12,482人 185人 9位 台東区 3,456人 183人 10位 中野区 5,913人 171人 11位 渋谷区 4,903人 151人 12位 文京区 4,778人 100人 13位 港区 7,287人 89人 14位 荒川区 5,421人 80人 15位 練馬区 15,421人 79人 16位 江東区 13,346人 76人 17位 葛飾区 10,925人 64人 18位 北区 8,054人 42人 19位 新宿区 6,739人 25人 20位 品川区 10,441 19人 21位 杉並区 11,737人 0人 22位 豊島区 5,732人 0人 23位 千代田区 1,648人 0人 引用元:2018年の東京都 保育所等利用待機児童等の区市町村別の状況

待機児童問題の参考例として、東京23区の保育園に通う児童数と待機児童数を比較してご紹介します。上記データは2018年4月1日時点での数値になります。各自治体は待機児童解消のために毎年対策を打っているので、翌年には待機児童数の数値が大幅に変わっている可能性があります。また、すでに説明したように隠れ待機児童数は上記数値に含まれていませんので、あくまで参考数値としてご覧ください。

東京都で待機児童が多い区は、1位 世田谷区、2位 江戸川区、3位 目黒区となっています。一時期待機児童問題が深刻だった杉並区は急ピッチで認可保育所や保育サービス施設の整備を進め、今では待機児童ゼロを実現しています。待機児童問題が深刻な自治体だと知られると、税金を納めてくれる子育て世帯が流出したり、流入してくれなかったりします。そのため、自治体は待機児童問題に予算をつけ、待機児童解消のために日々、手を打っているのです。なお、23区以外の東京の市区町村の待機児童数については下記リンク先のPDFでご確認ください。

待機児童が少ないから保育園に入りやすいとは限らない!?

待機児童問題の原因と対策 全国や東京23区での待機児童数は?
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

上で東京23区の待機児童数を紹介したものの、実は待機児童数と保育園の入りやすさは必ずしも比例しません。厚生労働省が発表している待機児童数には隠れ待機児童がカウントされていないため、「待機児童数が少ない=保育園に入りやすい」というわけではないのです。

東京都の認可保育園は入園希望者の3割が入園できず

2018年3月19日の朝日新聞の記事によれば、2019年4月に認可保育園への入園を希望する子供のうち、全市区町村平均で29.5%が落選したとの数値が紹介されました。上記で紹介した待機児童数は隠れ待機児童数が含まれないため、待機児童の実数が見えづらくなっています。この朝日新聞の記事の入園希望者の約30%が保活に失敗という数値がリアルな数値だと考えていいでしょう。

3歳児の保活も激戦に? 3歳の壁とは何か?

なお、従来と違い、3歳児以降の認可保育園入園も激戦になってきたと朝日新聞の記事で紹介されていました。3歳児以降の保活はこれまで0~2歳児ほど難しくないと考えられてきましたが、2019年4月入園の認可保育園への申し込みの実績では、東京港区では3歳児クラスの落選率が80%、世田谷区49.8%、中野区47.3%と非常に高い数値となりました。0~2歳児の落選率が28.9%なのに対して、3~5歳児の落選率が30%となり、これからの保活は3歳児クラスが最激戦となる可能性も出てきました。

3歳児クラスの保活が激戦になった理由としては、ここ数年で0~2歳までしか子供を預かってもらえない小規模保育や企業主導型保育園が増え、3歳から別の保育園への転園が必用な子供が認可保育園の3歳児クラスへの入園を希望していることがあげられます。これまで3歳児クラスはまず落ちないと考えられてきましたが、3歳児以降の保活も今後は大変になってくるでしょう。

データで見る待機児童問題:入園決定率から認可保育園の入りやすさを見る

待機児童問題の原因と対策 全国や東京23区での待機児童数は?
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

それでは認可保育園の入りやすさはどう判断すればいいのでしょうか。認可保育園の入りやすさを入園決定率で見ていきましょう。認可保育園の入園決定率は「認可保育園の定員数÷認可保育園の入園申込み児童数」で計算します。入園申し込み者数には隠れ待機児童も含まれるので、実際に認可保育園にどれくらいの申し込み希望者がいて、何人が入園できたのかを見れば、その地域の認可保育園への入りやすさを知ることができます。入園決定率が高ければ認可保育園に入りやすい自治体、入園決定率が低ければ入りにくい自治体とします。

東京23区と市部で待機児童問題が深刻ではない自治体は?

では東京都の保育園に入りやすい自治体と入りにくい自治体を見てみましょう。こちらでは東京23区以外の自治体も紹介します。ただし、全自治体を紹介すると表が長くなり過ぎるため、上位と下位の一部のみを掲載させていただきます。

東京都で保育園に入りやすい自治体

八王子市 93.9% 56人 豊島区 88% 0人 北区 87.4% 42人 町田市 81.8% 146人 荒川区 81.8% 80人 東大和市 81.7% 24人 葛飾区 80.4% 64人 板橋区 80.1% 185人 調布市 80.1% 167人 品川区 79.8% 19人

東京都で保育園に入りにくい自治体

自治体 入園決定率 待機児童数 港区 39.9% 89人 台東区 55.4% 183人 中野区 58% 171人 狛江市 59.5% 75人 目黒区 60% 330人 渋谷区 60.2% 151人 中央区 61.6% 188人 稲城市 61.9% 54人 千代田区 62% 0人 小金井市 64.6% 88人 港区は転園希望者も含まれているため、入園決定率が低くなっています。また、港区には、認可保育園と同じ保育料や利用手続きで入ることのできる港区保育室(認可外保育園)があります。港区保育室へ入園できた人も含めると入園決定率は56.7%に上昇しますが、入園希望者の約半数は保育園に入れていないことがわかります。

目黒区はトップクラスの保活激戦区で、待機児童数も東京都で3番目に多く、入園決定率の低さでも5番目となりました。目黒区の入園決定率には保育ママ(認可外)に入園した人も含まれているので、認可保育園だけの入園決定率で見ると、もっと入りにくいということになります。そのため、目黒区ではフルタイムで共働きの家庭でも認可保育園に入ることが難しいため、ベビーシッターや認可外保育園に預け保育指数の点数を高くしようという家庭が多くあります。

千代田区は待機児童が0人ですが、入園決定率は60%です。認可保育園に入れなかった人は、認可保育園の入園を希望しながら、子供をベビーシッターや認可外保育園に預けているため、待機児童数が0人になっていると予想できます。待機児童数が少ない地区でも、認可保育園に入れていない隠れ待機児童がいることがわかりますね。

神奈川県で待機児童問題が深刻ではない自治体は?

神奈川県で保育園に入りやすい自治体は、入園決定率から見た場合、以下の通りです。

相模原市 86.6% 83人 大和市 83.4% 0人 横浜市 82.7% 63人 海老名市 81.4% 28人 平塚市 80.6% 34人 厚木市 79.1% 24人 川崎市 71.6% 18人 鎌倉市 63.4% 93人 座間市 非公表 66人 藤沢市 非公表 174人 茅ヶ崎市 非公表 13人 横須賀市 非公表 37人 横浜市は、都市部にも関わらず、入園決定率が82%となっています。横浜市は、独自に待機児童問題へ独自の対策を行い、大幅に待機児童を減らしてきました。その対策とは、子供1人あたりの床面積を3.3平米から2.475平米と設定したり、保育士1人あたりの子供の数を3人から4人に増やすなど、国の規定を緩和しています。この対策により待機児童は大幅に減少しましたが、保育園に入りやすくなると、他の地域から引っ越してくる人や仕事に復帰しようとする人が増え、再び待機児童が増えてしまう可能性もあります。

千葉県で待機児童問題が深刻ではない自治体は?

我孫子市 100% 0人 流山市 98.2% 29人 松戸市 85.7% 0人 鎌ケ谷市 84.1% 0人 野田市 81.5% 0人 船橋市 78.4% 95人 八千代市 77.1% 144人 浦安市 76.4% 168人 佐倉市 72.0% 15人 市川市 非公表 385人 市原市 非公表 52人 千葉市 統計なし 8 我孫子市は、この記事で紹介している自治体で唯一の入園決定率100%の自治体です。待機児童数も0人で、保育園に入れる確率がとても高いことがわかります。2018年の安孫子市の待機児童数0や入園決定率の高さはメディアで大きく報道されました。安孫子市へ転入を希望する子育て世帯が増えると予想されるので、2019年はやや入園決定率が下がる可能性もあります。

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