ストレスを抱えながらも仕事を頑張りすぎちゃう女性に向けて、『頑張りすぎちゃうお仕事女子の心をラクにする68のこと』をという書籍が発売されました。そんなお仕事女子の代表でもある著者、ストレスケアカウンセラーの服部 結子さんにインタビュー。
仕事が上手くいかないのは「頑張っていないから」そう思っていた
新しい仕事や役職に就き、より一層気合いが入っていた春という季節が過ぎ去り、期待とは裏腹に慣れない環境でストレスをためてしまい、仕事が辛いと感じている人が増えてくるこの時期。
お仕事女子の疲れや心を癒しているのが、心理カウンセラーの服部 結子さんです。インスタグラムで、手書きメッセージを投稿し始めたところ、その思いに共感する人が続出。自身初となる著書『頑張りすぎちゃうお仕事女子の心をラクにする68のこと』が4月12日に発売されると、書籍は勢いよく手に取られ、発売から間も無く重版も決定。多くの働く女性が、この本を読み、癒しや勇気をもらっています。
そんな働く女性の悩みを親身に受け取っている服部さんですが、以前は「適応障害で同じように悩んでいた」のだそう。そんな彼女が本に込めた想いについてお伺いしました。
辛い状況から救ってくれたカウンセラーの言葉
適応障害と診断された当時はどんな状況だったのですか?
服部 結子(はっとり ゆいこ)
お仕事女子ストレスケアカウンセラー、上級心理カウンセラー。お仕事女子の自己肯定感を上げ、毎日をラクにするカウンセリングを行う。
当時は保育士の仕事をしていたのですが、子どものお母さんや職場の人間関係といった女性が多い職場環境は想像していた以上にはるかに過酷で、ドロドロしていました。
元々、自己肯定感がすごく低かったので、誰にも相談することができずに自分の中でマイナスな感情を溜め込んでいました。「仕事に行きたくない」というよりも、「行かなきゃ駄目だな」と思っているのに、感情とは別に膝から崩れ落ちてしまう……体が心に追いついていない状態が続いていました。
保育士は本当になりたくてなった職業ではありませんでした。学生時代の実習でも自分には向いてないと思っていたのにも関わらず、親にすすめられるがまま、親の期待に答える形で就いた職業でした。頑張ろうと無理をした結果、仕事をしたくても何も出来なくなり、心と体が強制的にストップ、適応障害と診断されたのです。
そこからカウンセリングを受けるようになったのですね……。どんなアドバイスをいただいたのでしょうか?
ただひたすら私の話をまっすぐ聞いてくれて「今は本当に頑張りすぎているからそうなっているんだよ、よく頑張ったね」と言ってくださりました。
自分のことを全然頑張っていないと思っていた私にとっては意外な言葉でしたが「頑張っていたんだ、私」と、話を聞いて心がスッと軽くなったのを覚えています。
そこから、試行錯誤しながらも、自力で自己肯定感の低さを克服しようと思うようになりました。
こうしたことをきっかけに「私も誰かの助けになりたい」という感情が強くなりカウンセラーになることを決めました。
無理って思ったら無理でいい、失敗は情報として捉える
カウンセラーになってみた今、過去の自分に似た悩みを抱えている人が多いと感じますか?
他人の反応がすごく気になってしまう人や、我慢ばっかりしてしまう人、自分のことを好きになれない人といった、お仕事がベースになったお悩みが非常に多いので、まさに私が実際に経験してきた悩みと似た相談が沢山ありますね。
頑張ってない自分には価値がない。
「いい子でいないと仕事が出来ない人間だと思われるのではないか」といった恐怖心があって、頑張りすぎちゃうことに繋がってしまうんですよね。そういう時は、話を聞いてもらったり、紙に書き出してみたりするのも良いですし、ちょっと余裕が出てきたら、これからどうしていけばいいのか? 自己肯定感を上げるためにはどうしたらいいかな? と動けるようになります。ですが、本当に苦しい時は誰かに話を聞いてもらうのが一番良い栄養剤になると思います。
なぜ、頑張りすぎちゃう女性は悩みを抱え込んでしまうのでしょうか?
根底にあるのは、自己肯定感の低さです。無意識の中で自分に対してダメだという思い込みや制限があって、どれだけ頑張っても果てがないように感じ、力が抜けない……。ありのままの自分が好きになれない、自分を許容してあげられないからこそ、頑張り続けることを自分に課してしまうのだと思います。
「まだ私はできる」「これくらいで無理になっている私はダメ」と捉えず、自分が無理だと思ったら無理で良いんですよ。
「無理と思ったら無理でいい」すごく勇気づけられる言葉ですね
お仕事が合ってなかったということは、自分は仕事ができないってことじゃないんです。ただただその仕事が合ってなかったという事実があるだけです。
血液型がA型だったりO型だったりと、みんなそれぞれ血液型が違うように「私にはこの仕事が合わなかった」というだけの話なんです。自分を卑下する必要はなくて「合わないから次にいってみよう!」と思ってくれる女性が増えてほしいですね。
何をすれば良いのかわからない。そう悩んでいる場合はどうすれば良いのでしょうか?
そういう時は、自分の得意なことや好きなことを挙げるのもいいですが、それが分からない時は、嫌いなことをリストアップしてみるのが良いですね。得意なことがわからなくても、嫌いなものってわかるじゃないですか?
人と必要以上にコミュニケーションをとるのが嫌だとか、単純作業は苦手だとかをハッキリさせておけば、好きな仕事とか得意な仕事じゃなくても、嫌なことは避けられる。もし、その選択が失敗だったとしても、ただ自分が失敗したという情報を得たと思えば、すごく気が楽になると思います。失敗を失敗だと重くとらえずに、ただの情報源として経験をしたと思うと気が楽になります。
私自身もたくさん失敗をしてきましたが、むだなことだったとは思っていません。