仕事も家庭も「人」と「人」
ご結婚されていますが、家庭内ではどんなルールを決めていますか?
食事は自然と、早く帰ってきた方が作るという流れができているのですが、私より夫の方が早い定時なので、ほとんど夫が作ってくれています。ただ、私が帰ってきた時に夫が夕飯を作っていたとすれば「お風呂は私が入れとくね」とか。私が洗い物をしていたら「じゃあ洗濯は僕がやっておくよ」と。
ルールとしては決めていないのですが、自然とお互いに協力する姿勢があります。
できるだけ声をかけて「これは私がやります」というのを声に出すようにしています。惰性でやっていくと「何でやってくれなかったんだ」と不満の気持ちの芽が出てきますが、意識的にやっていくと「やってくれてありがとう」とお互いへの感謝の気持ちになります。忙しい日々の中でも、惰性にならないよう、二人で楽しんで家事に向き合うよう気をつけています。
同じ趣味を持っているので、休日はよく一緒に出かけるのですが、一緒の予定もそれ以外の予定についても、共有アプリを利用してお互いのスケジュールを確認し合っています。
共有アプリを使っているのは驚きですね!
共有アプリを使うのも、コミュニケーションミスが起こらないようにするためなんです。パートナーのことだから「わかり合える」と思い込んでしまいがちですが、やっぱり言い忘れたり、思い込みがあったりして会話が噛み合わなくなってしまうことってあるんですよね。そんな小さな掛け違えから想いが行き違ったりすることもあるので、できるだけ会話の時間を取るように。 記録としても、そして思い出と一緒に残せるよう、アプリを活用しています。
なんだか、仕事と共通している部分があるように感じます。
仕事とプライベートを完全に分けられる方もいらっしゃると思うんですけど、私は結構一緒なんですよね。どちらも楽しみながらやっているので、仕事が大変な時は家庭が息抜きになることもあるし、家庭が大変な時は仕事が息抜きになることもあります。これって表裏一体。どちらかの調子が良ければ、もう片方の調子も良くなると考えています。
人と関わっている時間がすごく長いので、会話の中で気づくこともすごく多いです。つまずいたり、悩んでいることがあったとしても、一人だけで解決できることには限りがあります。人との関わりの中で、解決できるヒントが得られるものがあるので、コミュニケーションはオン・オフどちらにも気を配っています。
なりたい管理職像をイメージし、障壁は仲間と解決していく
管理職になるのに不安を感じる女性にアドバイスをお願いします。
どういう管理職でありたいのかを、自分なりに見つけることが大切だと思います。私が思っていた管理職のイメージと、今私が体現している管理職とは全く違うものになっているように「こうであるべきだ」というものから少し踏み出してみることも良いと思います。遅い時間まで残っているのが管理職ではないですし、強いだけのイメージが管理職でもないのです。
自分が理想とする管理職像があっても、働きやすい制度が整ってなかったり、人間関係がイマイチだったり……もしかしたら障壁があるかもしれません。そういった課題に直面したときこそ、管理職候補の人が解決できるように努力する。それによって、後ろに続く女性たちの道が切り開かれていきます。
なので、直面した壁にはしっかりと向き合っていっていただきたいですね。一人の戦いではないので、その後に続く女性、管理職ではない道を選んだ女性とも協力する必要があるかもしれません。活躍できるはずの人材が、女性であることやそれ以外のさまざまな事情で埋もれてしまっている状況はいまだにあって、これからの社会にとってそういったさまざまな多様性をもったビジネスパーソンが活躍できる場を整えていくことも大切な課題であると感じています。管理職の道は、人と協力をしながら作り上げていってもいい道だと思うので、決して一人で背負うわけではない、と周囲にも目を向けてほしいです。
管理職って大変なイメージがありますけど、楽しいことや嬉しいことも非常に多い役割なので、怖がらずにチャレンジしてもらいたいですね。
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