母乳が出なくて子供に十分に飲ませてあげられない。そんな悩みで辛い思いをしていませんか。母乳の量はコントロールできるものではなく、出る・出ないはママのせいではないのです。助産師の池田なおみ先生に原因や対処法について聞きました。
監修者紹介
監修:助産師 池田なおみ先生 助産師・整体師・まるまる育児やトコちゃんベルトアドバイザー。1男1女の母であり、難しく考えない母乳育児や、幸せな卒乳を推奨。ママが楽に、赤ちゃんも楽に、結果、育児が楽しめるスパイラルアップとなるよう、常に研究中。オンラインやリアル講座の自由が丘みひかるサロン代表。
母乳が出ない原因
母乳が出ない、出にくい理由はたくさんあります。ママのおっぱい(特に乳首の形)や赤ちゃんのお口の形、性格、気分、環境などさまざまです。出産した病院での取り組み方も様々で、悩むママと赤ちゃんの数だけ理由があると言えます。その中でも最もよく聞かれる次の2つの原因を探ってみましょう。
赤ちゃんが上手に飲めていない
生まれて間もない赤ちゃんは、すでに性格や身体の作りに個人差が生じています。大人しい子、よく泣く子、手足をバタバタするのが好きな子、お口が大きい子・小さい子。みんな個性的です。その中には上手におっぱいをくわえるのが苦手な赤ちゃんもいます。
また、上手にくわえても吸う力が弱かったりする赤ちゃんもいますね。実は、母乳は「オキシトシンホルモン」が分泌されて初めて出口に運ばれます。このホルモンは赤ちゃんがおっぱいを吸うことで分泌されますので、ママが十分に母乳を出せる体質でも赤ちゃんが上手に吸えなければ、「母乳不足」という状態になる場合もある訳です。
慣れない育児によるストレスや疲れ
特に新生児のママは寝不足になりがちです。良く眠る赤ちゃんでも夜寝てから朝起きるまでに2、3回は授乳またはミルクで起きます。よく3時間ごと授乳といいますが、3時間寝ればいいほう、授乳後の片付け、寝かしつけを入れたら、ママはその間1~2時間しか休めません。また1~2時間で起きてしまうこともあります。空腹だけが原因でなく「うまく眠れない」「おなかがいっぱいすぎ」「暑い」など起きてしまう理由もさまざま。
そしてママの日中は、まだまだ弱々しい赤ちゃんに多くの注意を払いながら家事、育児をしています。1日中気を張った状態が続くため、自分のことが疎かになっているママは多いのです。着る服など見た目に気を使わなくなるだけでなく、ママ自身の食事も疎かになりがちです。ママの栄養不足とママにかかるストレスは母乳を促すホルモンにももちろん影響が出てきます。
母乳が出にくくなる時期
一般的に母乳が出にくくなる時期があるのをご存知でしょうか。ママそれぞれ個人差はありますが、だいたい生後4ヶ月頃と6ヶ月頃に起こります。何が起こるのでしょう。