沖縄本島と周辺離島には、古くは琉球王国の時代から信仰の地として大切にされてきたパワースポットがたくさんあります。沖縄旅行におすすめのパワースポットをご紹介します。
【1】斎場御嶽/沖縄本島南部
琉球の創世神話に登場する沖縄の七御嶽のなかでも、最も格の高い聖地とされているのが斎場御嶽(せーふぁうたき)です。古くから沖合の久高島(くだかじま)を崇める地として敬われ、琉球王国最高の女官である聞得大君(きこえおおきみ)の即位もこの地で行われていました。もともとは男子禁制の場で、琉球国王でさえ、聖域内に入る際には女性用の衣装に着替えたと伝えられています。
もちろん現在も聖地として扱われており、観光地でありながら静寂さを保ち、神聖な雰囲気を感じます。なかでも三角の空間「三庫理(サングーイ)」は最も神聖な場所でありパワースポットとして知られています。
【2】久高島/離島
沖縄本島の東南にある久高島。安座間港からフェリーで20分ほどのところにある、周囲8キロほどの小さな島です。かつてここに天からアマミキヨという神が降りてきて、のちに琉球王国となる島々を作ったとされます。この島へは琉球の歴代の王も巡礼し、ニライカナイ(異界)に近い場所にあると言われています。
島内には、ニライカナイからの船が停泊すると言われるイシキ浜や、アマミキヨが初めに作った七御嶽(聖域)の1つ・フボー御嶽(うたき)、アマミキヨが降りてきたとされるカベール岬などがあります。
神聖な場所のため、遊泳や立ち入りが禁じられていたり、観光客が見学のできない神事が行われることもあるので、久高島の船の待合所などで最新の情報を入手しましょう。
【3】首里城/沖縄本島南部
沖縄観光で欠かせないのが琉球王国の中枢として栄えた名城・首里城。世界文化遺産にも登録されており、赤瓦の「守礼門」をはじめ、豪華絢爛な朱色の「正殿」など見所もたくさんあります。世界遺産としても有名ではありますが、首里城がパワースポットと言われるゆえんは、首里城の中にはさまざまな聖域があるため。
「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」は首里城跡と並んで世界文化遺産に登録されていますが、こちらは琉球の信仰における聖域でもある御嶽を拝礼するために造られた礼拝所で、琉球国王が外出する際にここで安全祈願を行ったといわれています。
また「園比屋武御嶽石門」のほかにも、「首里森御嶽(すいむいうたき)」などほかに9ヶ所の礼拝所があるほか、城内では最大の信仰の場で、首里城発祥の場とも言われる「京の内(きょうのうち)」など、ほかにも多数のパワースポットが見学できます。
※2019年10月31日に発生した火災により、正殿をはじめとする主要な施設が焼失しました。復旧の目処は経っていませんが、首里城を含む首里城公園の敷地のうち約8割は見学が可能となっています。(2019年12月現在)
【4】首里金城町の大アカギ/沖縄本島南部
16世紀中頃に整備された「首里金城町石畳道」の脇にある「首里金城(しゅりきんじょう)の大アカギ」。推定樹齢200年以上と伝わる高さ約20メートルのアカギの大木で、1945年3月~6月の沖縄戦でも難を逃れ、1972年に国の天然記念物に指定されました。
周囲には緑が生い茂り、神聖な空気が漂うスポット。「旧暦6月15日に神が降りてきて願い事を聞いてくれる」という言い伝えもあるため、現在も地元の人々の信仰を集めています。
【5】玉陵(たまうどぅん)/沖縄本島南部
首里城跡とあわせて世界文化遺産に登録された陵墓「玉陵」。首里城公園から少し歩いたところあり、1501年、琉球王国の第三代国王・尚真王が父・尚円王(しょうえんおう)の遺骨を改葬するために創建されました。
墓室は3つに分かれており、真ん中は洗骨前の遺骸を安置する部屋、東側は王と王妃、西側は限られた親族の遺骨が葬られています。墓の左右にある塔の上には、沖縄の守り神「シーサー」が鎮座しています。琉球王家の歴史と厳かさなパワーが感じられる、スポットとなっています。
【6】果報(かふう)バンタ/沖縄本島中部
沖縄本島うるま市から伸びる海中道路を渡ると、その先には小さな島が4つ繋がっています。その1つ「宮城島」に、幸せになれる絶景スポットがあります。果報(かふぅ)バンタと呼ばれるその場所は、「ぬちまーす観光製塩ファクトリー」という塩工場の敷地の中にあり、パワースポットとしても知られています。
果報バンタは沖縄の方言で、「果報」=幸せ。「バンタ」=岬という意味。この景色を見れば本当に幸せな気持ちになります。海と空の、青さと広さはまさに絶景。景色に見とれて、カメラを落とさない様ご注意くださいね。しっかりと写真に収めて、幸せパワーを持ち帰りましょう。
【7】ガンガラーの谷/沖縄本島中部
数十万年前までは鍾乳洞だった場所が崩れて亜熱帯の森となっており、80分かけてガイドさんと一緒に散策することができます。約1万8000年前に生きていた「港川人」の居住区の可能性も高いと考えられていて、今も発掘調査が行われています。
見学コースでは、亜熱帯の森を歩きながら植物の観察やガジュマルの巨木の見学のほか、子宝や縁結びにご利益のあるパワースポット「イナグ洞・イキガ洞」なども巡ることができます。
必ず予約が必要なので事前予約をし、歩きやすい服装で訪れましょう。
【8】浜比嘉島/沖縄本島中部
周囲約6.7kmの小さな島。沖縄本島とは海中道路でつながっており、浜比嘉島・平安座島・宮城島・伊計島とあわせて4つの島が連なっています。島全体がパワースポットと言われるほどパワースポットが点在し、なかでも「アマミチューの墓」と「シルミチュー」が有名です。
アマミチューの墓
「アマミチューの墓」は、琉球開びゃく伝説で有名なアマミチュー、シルミチューの男女二神と他の神が祀られていると伝えられる、貴重な霊場。毎年行われる年頭拝みには、多くの島民が参加し、豊穣・無病息災・子孫繁栄を祈願します。
一見ただの岩があるだけに見えますが、大きな岩の端をよく見ると、潮が引いているときに現れる道があります。これが、アマミチューの墓へと続く道です。この道を進んでいくと、岩でできた階段が見えてきて、その上にアマミチューの墓があります。ただし、潮が満ちているときなど、入れないこともあります。
シルミチュー霊場
「シルミチュー霊場」は、アマミチューとシルミチューの居住したところと伝えられています。
アマミチューの墓と同様に、毎年年頭には、多くの島民が参加し、豊穣・無病息災・子孫繁栄を祈願します。また子宝祈願の霊場として知られ、沖縄各地から多くの人たちが祈願に訪れます。
【9】古宇利島/沖縄本島北部
離島でありながら、古宇利大橋を渡って沖縄本島から車で気軽に行くことができる古宇利島。沖縄人の祖先である琉球人が誕生した場所と言われており、古くからこの島に伝わるのが沖縄版「アダムとイヴ」の伝承です。
そんな伝説が残っているほか、古宇利島が恋人の聖地と呼ばれる理由がもう一つあります。それは、ティーヌ浜にある、通称「ハート岩」や「ハートロック」と呼ばれているハート形の岩です。人気アイドルグループ「嵐」のCMのロケ地として使われたことから一気に脚光を浴び、カップルに人気の恋愛のパワースポットにもなっています。
この「ハートロック」は、昔からある岩の付け根が、何千年もの歳月をかけて波に浸食されてハートの形になったと言われています。とても美しいビーチですが、ビーチに下りるまでの道が険しいので注意が必要です。
【10】大石林山/沖縄本島北部
沖縄では古来より聖地とされてきた「大石林山」。本島の最北端にあり日本では唯一の熱帯カルスト地形で、2億5千万年前の石灰岩が長い歳月をかけて雨水などにより侵食されてできた地形です。また大石林山は、島建ての神・アマミキヨが降り立って、最初の聖地「安須杜(アシムイ)」を創った場所とされています。
現在は、パワースポットである巨岩・奇岩や亜熱帯の森を散策できる2つのコースがあり、潜り抜けると生まれ変わるとされる「生まれ変わりの石」や、パワーが集中しているとされる「悟空岩」などを見学することができます。
【11】宮古島/離島
大小8つの島からなる宮古諸島の中心となる島。この宮古諸島には900近い御嶽が存在すると言われており、宮古島も島全体がパワースポットとも言われているほど。
数ある御嶽の中でも平良港近くの「漲水御嶽(はりみずうたき)」は、宮古島創世の神話の舞台となった御嶽として知られており、宮古島最高の霊場とされています。いまなお島民には神聖な信仰の場所となっています。
【12】大神島/離島
宮古島の北4kmに位置する「大神島」は、島民25名(2017年1月1日時点)、面積0.24kmの小さな島ですが、沖縄県の中でも屈指のパワースポットと呼ばれています。「神が宿る島」とも言われており、島の集落以外の大部分は聖域とされ島民以外(場所によっては島民も)立ち入ることが許されていない神秘の島です。
大きな観光スポットなどはありませんが、綺麗な海が広がりゆっくりとした島時間が過ごせます。島全体が神聖な場所ですので、むやみに道路から外れて入り込まない等、きちんと島ルールを守って満喫しましょう!
また大神島の港には、料金箱が設置されていますので、入島料金(島の清掃費などのため)を納めてから島に入るようにしてください。