今のCカップは“巨乳”じゃない
毎回採寸する人からすれば信じられないような話ですが、じつは愛子さんのようにブラを採寸したことがないという女性は珍しくありません。株式会社ワコールが20~40代女性100人対象に行った調査では、ブラ着用者の半数近い41.7%が試着なしでブラを購入していました。さらに、サイズの合っていないブラを着けている女性は53.1%もいたそうです。
愛子さんは、お母さんと初めて買ったブラジャーと同じサイズをリピート購入していました。母親と選んだブラがなぜAカップだったのか――愛子さんの親世代は、半分以上の女性が“Aカップ”だったのです。
トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社が自社のブラジャー年間売上データから算出「下着白書2019」によると、1980年は58.6%がAカップでCカップは11.7%しかいない。ところが2018年はAカップが2.1%だけ。Bカップ17.9%、Cカップ26.9%、Dカップ26.3%です。C~Dカップを合わせると53.2%と過半数になり、このぐらいのサイズが中央値。
30年前はCカップが“巨乳”でも、今のCカップはごくありふれたサイズなのです。
バストはS・M・Lで測れるものじゃない
愛子さんのみならず、最近ますます採寸しないでブラジャーを購入している人が増えました。
2017年にUNIQLOは佐々木希を起用したブラジャーのCMを打ちました。当時のサイズ展開はC70のようなカップとアンダーを組み合わせたサイズではなく、XS・S・M・L・XLでした。(今はCD65/70のようなもう少し細かいサイズ刻みのものもあります)
さらに「楽だから」とカップ付きキャミソール派も増えてきたのです。
コロナの影響で在宅時間が増えて下着に対する意識も変わったでしょう。2021年1月3~5日にワコールが20~40代女性700人を対象に行ったブラジャーに関する調査によると、おうち時間の長期化により「バストへの美意識が下がった・とても下がった」と回答した女性は全体の71.6%にのぼります。また着用時間の変化については、約3人に1人(29.1%)が「ワイヤーブラジャーをつける時間が減った」ようです。
「いざ相手ができたらおしゃれしよう」と思っていると、そんな相手に出会うことすらできなくなります。