デビューして2年目に母ちゃん(角替和枝)からも言われたこと
――『1個も落としちゃいけない』とは?
(角替和枝)からも言われたこと柄本「何をもってそういうのかは、僕もはっきりとは言えないんですけど、作品への意識として、『1個も落としちゃいけない』というのは、前より強くある気がします。対観客とかではなく、あくまでも自分の中でのこととして。そういえばこの仕事を始めて2年目くらいのときに、母ちゃんからも言われました。『1個も仕事落とすなよ。徹底して落とすなよ』って。たぶん何かを観て僕が良くなかったんでしょうね(笑)。そう言われたのを今思い出しました。たとえば作品や役のなかで、役者としてひとつでも発見があるってことも“落とさない”ことのひとつだと思います」
――今回も、そうした発見はありましたか?
柄本「終盤、佐和ちゃんの実家でみんなが集合しているシーンで、あるひと言を聞いて、2階にいる佐和ちゃんのところに俊夫は決意をもって行くんですけど、そのときつまんでいたオクラを食べてから行くんです。オクラなんかどうでもいいだろというシチュエーションで。理詰めでやっていたわけではありませんが、そんなところが俊夫だなと思いますし、そんな小さな発見、獲得でも、大事なのかなと思います」
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(C) 2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会
<撮影・文/望月ふみ> 望月ふみ 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
提供・女子SPA!
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